知内町　６年度教育行政執行方針　１人１台端末を更新　入学準備金等の支援継続

（市町村 2024-03-14付）

知内町教委・堂下則昭教育長

　【函館発】知内町の堂下則昭教育長は５日開会の第１回町議会で教育行政執行方針を説明した。本年度から１人１台端末の更新を進めるとともに、タブレット端末に適した机の交換を行い、より良い学習環境を整備するとした。保護者負担の軽減に向け、入学準備金等経済的支援も継続する。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼新しい社会の担い手として必要な資質・能力の育成

　小・中学校の入学準備金や教材費等の無償化、高校入学時の進学応援給付金、給食費無償化など子育て世代への経済的支換を継続していく。

　中学校入学後に環境の変化に戸惑う「中１ギャップ」の解消につなげ、小中一貫教育の充実を図っていく。また、幼小中高の連携についても異校種間の交流事業等の取組を進める。

　スクールカウンセラーや合理的配慮協力員による個別の相談対応や指導助言を行うとともに、各校に特別支換教育支援員を配置し、適切な指導や必要な支援に努めていく。

　英語教育については、ＣＡＮ―ＤＯリストの達成状況の把握による指導・評価を充実させるとともに、町英語教育推進協議会を中心に、乗り入れ授業や指導方法の工夫改善、ＩＣＴを活用した言語活動などを取り入れ、一貫した指導体制を推進していく。外国語指導助手（ＡＬＴ）については１人の増員を国へ申請中。小中高校の英語授業にＡＬＴを配置できる体制を整える。

▼多様化する社会に対応し、協働しながら主体的に生きる人材の育成

　ＩＣＴ支援員を活用したプログラミング教育や英語、算数・数学を中心にデジタル教科書を使った授業改善の取組を進める。グーグルワークスペースを効果的に活用した指導方法の工夫によって学習環境の向上を図る。小・中学校にＡＩドリルを導入し、児童生徒の学びの保障に取り組んでいく。本年度から１人１台端末の計画的な更新を進めるとともに机サイズの拡大と併せ、地場材の活用を目的とした生徒用机天板の交換を行っていく。

　校務支援システムの導入や教職員の校務用パソコンの更新を進め、児童生徒と向き合う時間の拡充につなげていく。

　教育環境の整備については、各校の普通教室等にエアコンを整備するとともに、特別教室に移動式のスポットクーラーを設置し、熱中症対策を図っていく。

　休日における部活動の地域移行については、西部４町の中学校・町教委と連携した検証を進めている。町内各スポーツ団体等と協議・検討を進め地域指導者の確保や学校現場との調整を図り、持続可能な体制を構築していく。

▼互いに認め合い、理解し合える共生社会の実現に向けた取組

　ＳＮＳ等での生徒間トラブルやいじめの防止については、情報モラル教育の推進によってトラブルに巻き込まれないよう、指導の徹底を図っていく。不登校児童生徒への支援については、ＩＣＴを活用した家庭学習の支援や「居場所の提供」「社会的自立」につながる取組を検討していく。

▼選ばれる町立高校を目指して

　知内高校における地域創生学習については、町内企業と連携した職業体験やソクラテスミーティング、ＳＤＧｓ学習等を通じ、生徒自ら魅力ある高校・町づくりに参画する取組を推進していく。

　引き続きＩＣＴ教育環境を整備し、生徒の情報活用能力を高め、ＩＣＴを活用できる人材の育成を継続するとともに病気や不登校など事情を抱える生徒の学習保障への活用を進める。海外見学旅行および海外短期留学支援事業については、一層の教育的効果を目指した取組となるよう実施内容を改善していく。

(市町村 2024-03-14付)