釧路市　学びの多様化学校　中学校想定　８年度開設へ　６年度から新教育課程検討

（市町村 2024-03-18付）

　【釧路発】釧路市教委は、学びの多様化学校（不登校特例校）の８年度の開設を目指して準備を進めている。校種は中学校を想定しており、６年度から新たな教育課程の編成に向けた検討に入るほか、可能な限り早期に空き教室のある学校を選定する。開校後に他の校舎に移転することも視野に入れており、不登校の生徒への柔軟な指導や支援の充実を図っていく考え。

　学びの多様化学校は、不登校児童生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成する必要があると認められる場合、特定の学校において教育課程の基準によらず、特別な教育課程を編成することができる文部科学省の指定校。

　市教委は支援の実践的内容を紹介するリーフレットを作成しているほか、各校に不登校対応コーディネーターを選任して具体定な対応を学ぶ研修を実施するなど、全ての児童生徒が豊かな学校生活を送り、社会的に自立できる環境づくりに努めている。不登校児童生徒が増加している地域もあることから、多様で適切な教育機会を確保するため、特例校の指定に向けた準備を進める。

　特例校は、既存の学校設備を活用する「学校型」、一般の小・中学校を母体に一部の学級のみを指定する「分教室型」、高校で一部のコースを指定する「コース指定型」、６年度から設置予定の「分校型」など多様化しており、釧路市教委は「学校型」での開設を検討。校種は中学校を想定しており、中・長期的には小学生の受け入れも視野に入れる。

　６年度は市内の学校と協議を重ね、可能な限り早期に空き教室を活用する学校を選定する。また、国の「学びの多様化学校マイスター」を招いて先進事例を踏まえた指導助言を仰ぐとともに、市の実態を踏まえた特別な教育課程の編成を目指して協議を進める。

　７年度は地域住民や入学生向けの説明会を開いて学校の趣旨を周知する。

　今後、市内の義務教育学校の開校に伴い空き校舎が出ることも想定されるため、開校後に校舎を移転することを想定している。

　市教委は今後、市議会や定例教育委員会等の場で検討状況を適宜共有していくとし「国や道からの支援を受けながら全力で作業を進めていく」としている。

(市町村 2024-03-18付)