音更町6年度教育行政執行方針 教育相談窓口を一本化 部活動一部種目で地域人材(市町村 2024-03-18付)
福地隆教育長
【帯広発】音更町教委の福地隆教育長は6年度教育行政執行方針において、町教委内の教育相談窓口を一本化することで、相談者の利便性向上を図る意向を示した。部活動の地域移行に関して、一部の種目で地域人材を指導者とする部活動を開始する。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼確かな学力の向上
少人数学級などを推進するため、町費負担教諭の配置によって、小学校1・2年生で編制してきた30人以下学級を継続するとともに、学習支援員を2人増員し、個に応じたよりきめ細かな学習指導を充実させる。
全国学力・学習状況調査および標準学力調査については、その結果分析を踏まえ、組織的な学習指導の工夫改善に努め、特に下位層の児童生徒の基礎学力の定着を図るほか、学校と家庭が連携して家庭学習の充実と習慣化に取り組む。
学習内容の確実な定着を図るため、学力調査などの客観的データに基づき、子ども一人ひとりの実態を丁寧に把握し、課題分析や指導効果などの検証を行いながら、短期および中長期的な指導対策を講じるなど、PDCAサイクルの確立を推進する。
▼豊かな心の育成
いじめや不登校については、未然防止と早期発見・早期解消が重要であるので、町および各学校で策定している「いじめ防止基本方針」に基づき「いじめ見逃しゼロ」などの取組を実施するほか、指導の連続性、校種間の円滑な接続を図る幼保小中連携や小小連携による取組を進める。ヤングケアラーについても、学校・家庭・関係機関と情報を共有するなど連携し、早期発見・早期支援に努める。
町内2ヵ所の教育支援センターについては、家庭や学校以外の居場所の一つとして、様々な要因で不登校や不登校傾向にある児童生徒の多様な学びの場を提供し、社会的自立や学校への復帰に向けた支援に努める。
教育相談体制については、スクールカウンセラー、心の教室相談員、教育推進員、学校教育相談員の配置や道教委のスクールカウンセラー活用事業によって、年々増加する学校からの相談対応、緊急時における即時対応や予防的取組を進め、様々な不安や悩みを抱える児童生徒や保護者の気持ちに寄り添う支援に努める。
教育委員会の複数の部署に設置していた電話などによる相談窓口について、相談者の利便性向上を図るため、本年度から「総合教育相談窓口」として一本化し、さらなる教育相談体制の充実に努める。
本年度から各中学校において、性自認への配慮や機能性の向上を図るため、ジェンダーレス制服を導入する。
▼健やかな体の育成
全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果分析を踏まえるとともに、新体力テストを全ての学年で複数回実施できるよう努めるなど、体力・運動能力の向上のための継続的な取組を推進する。ICTの効果的活用により、子どもたちの運動に対する興味・関心を高め、主体的な活動となるよう支援に努める。
学校給食費の公会計化については、前年度から管理システムの構築や保護者への周知、関係取引先などとの調整を進めてきたが、本年4月から徴収管理業務を教育委員会に移行し、教職員の業務負担軽減と会計の透明性の向上に努める。
▼教育活動の充実
外国語教育については、引き続き英語指導助手2人を小・中学校の外国語授業に派遣するほか、小学校では外国語専科教員の活用や外部講師の派遣を継続し、グローバル社会を生きる子どもたちが、外国語でコミュニケーションを図る基盤となる資質・能力の育成に努める。
学校のICT活用については、児童生徒1人1台のタブレット端末を学びのツールとして普段使いできるよう一人ひとりに応じた学習活動の取組を進める。
▼特別支援教育の充実
重度肢体不自由児等の生活介助を行うため、介助員を派遣するほか、医療的ケアが必要な児童を支援するため、看護師を派遣する。家庭・学校・関係機関と連携し、児童生徒や保護者の教育的ニーズを踏まえた学びの充実に向けた適切な支援を行う。
▼教育環境の充実
5年度からの繰越事業である「小中学校エアコン整備事業」に集中的に取り組む。これに伴い、大規模改修などの工事については緊急性の高いものを精選し、それ以外のものは次年度以降へ繰り延べる。
▼信頼される学校づくり
5年度から全小・中学校において本格的に開始した「学校を核とした地域づくり」を目指す地域学校協働活動については、引き続き将来の社会参画を重視した模擬選挙教室や消費者教育教室などのシチズンシップ教育を中心に、郷土愛を育むふるさと教育や、町内企業と連携した職場体験学習など、コミュニティ・スクールと一体となって積極的に取り組む。
教職員の働き方改革については「音更町立学校における働き方改革推進プラン(第2期)」の取組期間が5年度をもって終了し、これまでの成果と課題を踏まえた第3期プランを策定し、教職員一人ひとりがその能力を十分に発揮できる環境づくりを進めるとともに、質の高い学びと持続可能な学校の実現に努める。
部活動の地域移行については、5年度設置した部活動改革協議会において、地域の実情やアンケート結果などの情報共有と課題の整理を進めるとともに、本年度から、一部の種目で地域の人材を指導者とする部活動を開始し、これらの先行事例の活動状況も踏まえながら、円滑な地域移行に向けた推進計画の策定を引き続き進める。
(市町村 2024-03-18付)
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