鶴居村 6年度教育行政執行方針 共同学校事務室 生かし業務改善 幌呂小・中統合へ環境整備( 2024-07-09付)
村上教育長
【釧路発】鶴居村教委の村上明寛教育長は、6年度教育行政執行方針において、学校の働き方改革の推進に向けて本年度設置した「村共同学校事務室」の機能を生かして、学校事務の一層の効率化と学校間の連携、学校の業務改善を図ることとした。
また、7年3月閉校予定の幌呂小学校・幌呂中学校の児童生徒に対しては、統合後を見据えた児童生徒間の計画的な交流機会を設けるほか、スクールバス路線を新設するなど統合後に児童生徒が快適に学校生活を送ることができるよう環境を整備していく。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼社会で活きる力の育成
▽豊か心の育成
学校が児童生徒一人ひとりの状況を的確に把握し、きめ細かな対応ができるようスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家の派遣も含め、生徒指導・教育相談体制の充実を図る。
▽確かな学力の定着
教科指導におけるICTの活用が学校間・教員間で格差が生じないよう、村教育研究所と連携して、効果的な実践例の共有や教員同士の学び合いなどを促進するとともに、ICT支援員業務委託などの支援体制を整備。
また、6年度においても、国の「学習者用デジタル教科書実証事業」に参加する形で、村内5校の英語の授業でデジタル教科書を使用する。
道教委の事業を活用して、中学校の教師による小学校3校の高学年の理科と2校の高学年の体育を教科担任制で実施し、教科指導の専門性向上と小・中学校の円滑な接続を図る。
▽特別支援教育の充実
一人ひとりの教育的ニーズに応じた特別支援教育の充実を図るため、児童生徒の障がいに応じた特別の指導を通常の学級に在籍したまま行う「通級による指導」を実施できるよう、道教委と連携して自治体の教員による巡回指導の仕組みを取り入れる。
▽読書活動の推進
国の「学校図書館図書整備等5か年計画」に沿って、学校図書館の図書標準の達成、計画的な図書の更新等が図られるよう必要な取組を進める。
▽主権者教育の充実
中学校と連携して「中学生模擬議会」を継続開催。生徒がふるさとの魅力や課題の探究と地方自治の仕組みを主体的に学ぶことができるよう、ふるさと学習と融合した主権者教育に取り組む。
また、学校図書館に新聞を引き続き複数紙配備し、児童生徒が日常的に新聞を読む機会を充実させ、社会への関心の向上を図る。
▽教育環境の整備
前年度の猛暑を踏まえ、学校保健室にエアコンを設置したほか普通教室にスポットクーラーを配置できるよう態勢を整えるなど暑さ対策の充実を図り、児童生徒が安心して学べる環境の維持に努める。
7年3月の閉校を予定する幌呂小、幌呂中については、鶴居小、鶴居中との統合に向け諸準備を進めていく。学校・保護者・地域による閉校事業協賛会が設立され、各種記念事業が進行している。
事業が円滑に実施できるよう、経費の補助や事務作業の補助員配置などの支援を行うとともに、統合後に児童生徒が不安や戸惑いを持つことなく通学できるよう、学校において計画的に交流機会を設けるほか、スクールバス路線の新設など必要な対応を行う。
▼ふるさと・鶴居への誇りと愛着の醸成
▽ふるさと教育の推進
国の天然記念物のタンチョウなど貴重な地域資源や防災などの地域課題をテーマに「総合的な学習の時間」などを中心に探究活動に引き続き取り組むとともに、村教育研究所と連携して作成した小学生用の補助教材「郷土読本つるい」を活用したふるさと学習を推進する。
キャリア教育については、中学生を対象とした村内における職場体験学習を引き続き実施するとともに、児童生徒が小学校から高校までキャリア教育に係る学びのプロセスを記述し、振り返ることができる「キャリア・パスポート」を学校段階を越えて活用することで、社会的・職業的自立に向けた能力の育成を図る。
▼地域に立脚した学校づくりの推進
▽地域と学校の連携・協働の推進
7年度から村内の学校が3校体制になることも視野に入れ、現状の「コミュニティ・スクール制度(学校運営協議会)」や「学校支援地域本部事業」の在り方を再構築し「地域学校協働本部」と「学校運営協議会」の一体的な推進のもとで、学校を核とした地域との連携・協働体制となるよう検討を進めていく。
▽学校の働き方改革の推進
5月に策定した「村立学校における働き方改革村アクション・プラン第3期」に基づき各校で取組を進めるほか、校務・教務の効率化を進めるため各校に導入した「校務支援システム」の活用やICT支援員による支援、学校全体の業務分担の見直しを図る。
加えて、新たに設置した「村共同学校事務室」の機能を生かして、学校事務の一層の効率化と学校間の連携、学校の業務改善を推進する。
▽部活動の地域移行
5年度から村部活動地域移行検討会議を設置。今後の取組の方向性をまとめた「村部活動地域移行推進計画」を策定している。8年度から休日の学校部活動を地域クラブ活動に移行することとしており、一部部活動で地域移行の試行実施など検討しながら地域クラブ活動の在り方について引き続き検討していく。
( 2024-07-09付)
その他の記事
白糠町6年度教育行政執行方針 教科等横断し環境教育 田中学園との連携事業など
【釧路発】白糠町教委の川島眞澄教育長は、6年度教育行政執行方針において持続可能な社会づくりに貢献する人材育成に向けて、幼児期・小学校前期・小学校後期・中学校期・高校期の各発達段階に応じたね...(2024-07-05) 全て読む