白糠町６年度教育行政執行方針　教科等横断し環境教育　田中学園との連携事業など

（ 2024-07-05付）

川島教育長

　【釧路発】白糠町教委の川島眞澄教育長は、６年度教育行政執行方針において持続可能な社会づくりに貢献する人材育成に向けて、幼児期・小学校前期・小学校後期・中学校期・高校期の各発達段階に応じたねらいを設定し、教科等横断的に町内全域をフィールドとした環境教育を展開していくこととした。

　このほか、中学校英語教師による小学校高学年を対象とした乗り入れ授業や田中学園とのコラボレーション事業を通して日常的に使える外国語の習得を図り、語学によるコミュニケーション能力の確実な向上を目指していく。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育の充実

▽実社会で生きる実践的な力の育成

　確かな学力の育成に向けては、９年間を見通した教育課程の改善・充実を図り「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実し、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進めていく。

　ＩＣＴを授業の目標を達成するツールとして効果的に活用するとともに、放課後学習サポート事業や長期休業期間中の補充的な学習の充実に有効的に利用し、学習習慣・確かな学力の定着を図っていく。

　語学力の向上については、小中一貫教育の取組の一つとして推進してきた中学校の英語教師による小学校高学年の英語の授業への乗り入れ実施や、前年度から実施している田中学園とのコラボレーション事業を通して、日常的に使える外国語の習得を図り、語学によるコミュニケーション能力の確実な向上が図られる授業づくりを推進していく。

　また、ＡＬＴ（外国語指導助手）の効果的な活用による放課後等の時間を活用したミニ英会話教室（ＥＣクラブ）の設定などに取り組むとともに、英語検定等の奨励、海外研修等で学んだ外国語を活用する機会や外国語を用いて、コミュニケーションを図る場の設定に努める。

　環境教育については、持続可能な社会づくりに貢献する人材を育成するため、幼児期・小学校前期・小学校後期・中学校期・高校期それぞれの発達の段階に応じたねらいを設定し、教科等横断的に町の農・林・水産・再生可能エネルギー・アイヌ民族の文化や生き方の五つのフィールドを活用する。

▽豊かな心と健やかな体の育成

　児童生徒が一堂に会する「子ども会議」を開催し、子どもたち自らがいじめの未然防止や望ましいコミュニケーションの在り方を考えることができる機会を設定。加えて、豊かな情操を育むため、専門性の高い音楽家による授業サポートや、休み時間等の音楽活動に継続して取り組んでいく。

▽信頼される学校づくりの推進

　全ての学校において実践しているコミュニティ・スクールの取組を他の地域の好事例を参考にするなど見直しを図り、引き続き「地域でどのような子どもたちを育てるのか」という目標やビジョンを学校と地域が共有し、地域が自発的に学校に関わりを持ちながら教育活動に参画できる体制を整備する。

　新たな教師の学びの姿の実現に向けて、町教育研究所による部会研修や研究発表会、各学校における校内研修等の充実、道内外の義務教育学校との情報交換や交流を図り、専門性の向上、新たな教師の学びの姿の実現に努める。

　また、教職員が子どもたちに向き合うことのできる時間確保に努め、心身共に健康で生き生きと働くことのできる環境を整える。

　各家庭への入学支援金の支給と給食費無償化の取組を継続し、地域全体で子どもを守り育てる体制づくりを推進する。

　また、認定こども園によるアプローチカリキュラムと小学校におけるスタートカリキュラムの連動により、幼児教育と学校教育の連携を充実し、一貫した教育の連続性を確保するための取組を進めていく。

　白糠高校における支援については、町内からの進学率を高めるための取組として小学校高学年の早い段階から児童生徒や保護者へのＰＲ活動・進路活動の工夫改善を図る。

　また、６年度から全国からの生徒募集の第１期生が入学予定となっており、高校３年間における環境教育の学びを通して、これからの社会人として必須の条件となる環境の知識を身に付けた地域の将来を支える人材を一人でも多く輩出するための取組を進める。

▼社会教育の充実

▽スポーツ活動の振興

　ＳＥＡ（スポーツ国際交流員）を活用した町技スポーツの振興・各種団体の活動や大会出場を支援するとともに、低学年を対象としたスポーツ教室の開催などによって競技人口の底辺拡大を図る。

　学校部活動の地域移行については、関係機関と連携を図り、地域の実態を踏まえた検討を行い将来にわたり子どもたちが様々なスポーツに親しめるよう、スポーツ活動の推進と参加意欲の高揚に努める。

( 2024-07-05付)