寿都町 6年度教育行政執行方針 学力向上 中高生の通塾推進 危機管理マニュアル改訂
(市町村 2024-07-08付)

寿都町有田千尋
寿都町教委・有田千尋教育長

 【小樽発】寿都町教委の有田千尋教育長は6年度教育行政執行方針において、中学生・高校生の通塾を推進しさらなる基礎学力の強化を図るとした。また部活動の地域移行については、中学校を対象に、休日の部活動から段階的に外部指導者の確保に向け関係団体と協議を進めるとした。猛暑による熱中症対策としては、学校危機管理マニュアルを改訂する。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力の育成

 義務教育の9年間、高校の3年間の連続性・系統性のある教育活動を推進するため、町小中高連携推進委員会による乗り入れ授業等を通じた一貫した教育の推進や、小学5・6年生を対象とした公設民営塾での塾体験、中学生・高校生の通塾を推進し基礎学力の強化を図り、地域での最終教育として寿都高校の存続へとつなげる。

 英語教育の推進については「グローバル社会に適応するコミュニケーション能力」の向上を目指し、そのための職員を配置する。

 学校間と総合文化センター図書室をネットワークでつないだ図書管理システムの利用によって、子どもたちがより多くの本に触れる機会を通じ、読解力の向上を図る。

 学校教育を支える基盤であるICT機器の活用については、児童生徒・教員が有効に活用できるようサポート体制を整備する。

 特別支援教育については、通常の学級に在籍している発達障がい等のある児童に対し、障がいに応じた特別な指導として巡回による通級指導教室を開設し、教育環境の充実を図る。

▼豊かな心の育成

 道徳教育ではルールやマナーなどの順守意識を身に付けるとともに、町にある地域資源を生かした様々な体験活動で、ふるさとへの誇りと愛着心を育てるふるさと教育を推進し、心豊かな人間性を育む。

▼健やかな体の育成

 学校でのマラソンや縄跳びといった活動を継続し、運動習慣の確立に向けて取り組む。

 部活動の地域移行については、中学校を対象に休日の部活動から段階的に外部指導者の確保に向けて関係団体と協議し進める。

 学校給食については、地場産品を活用した安全・安心で喜ばれる給食の提供や、食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付ける食育を推進する。

▼信頼される学校づくり

 コミュニティ・スクールの活動を通じ、地域から学校へ、学校から地域へと地学協働の取組を推進する。

 教職員の資質向上では、研究授業や研修会への積極的な参加を促す。

 昨年の猛暑の経験から、熱中症に対応する学校危機管理マニュアルの改訂や、災害時や登下校中の緊急時に自ら適切な行動ができるよう、防災意識の向上と「こどもSOSステーション」を活用して児童生徒の安全確保に努める。

▼家庭教育支援の充実

 教育の出発点である家庭教育では、家庭は家族みんなの触れ合いの場、子育ての場であり、あいさつや、早寝・早起き・朝ごはんなどといった基本的な生活習慣や生活能力、コミュニケーションツールのモラル教育といった社会的マナーを身に付けられるよう、家庭教育への支援をする。

▼活力ある地域のコミュニティーの形成

 学校の教育活動を積極的に支援する地域学校協働本部ボランティアの支援を得ながら、子ども教室や自然体験キャンプなどを通じ、子どもの社会性・主体性を育むと同時に、次代を担うリーダーの育成を推進する。

▼運動・健康づくりの推進

 健康で充実した生活を送るためには、日常的な運動習慣の定着化が必要であり、引き続き各種運動教室を開催し、健康に関する意識を根付かせ、スポーツ振興と健康増進を図る。

▼文化の伝承・振興

 町民が生きがいを感じ、創作活動に取り組んでいる成果を発表する機会として総合文化祭を地域文化活動の集大成と位置付けて開催する。

 国の史跡指定である旧歌棄佐藤家漁場は、保存活用計画の策定が終了し、整備基本計画の策定に向けて整備を進めており、6年度については、邸内社の修復に向けての発掘調査を行う。

 こうした歴史的建造物等については、学校教育や観光分野などに活用し、歴史を生かしたまちづくりを推進する。

▼生涯学習活動支援と環境整備

 生涯学習の活動の場である総合文化センターでは、町民ニーズに対応した講座の開設による学習の機会を提供する。

 また、建設から約30年を迎え老朽化が進んでいるため、6年度から年次計画による大規模改修を実施し、施設の維持管理に努める。

(市町村 2024-07-08付)

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