函館市教委　部活動地域連携等協議会　移行計画たたき台一部示す　アンケートもとに課題など

（市町村 2024-07-05付）

函館市教委部活動地域移行協議会

　【函館発】函館市教委は６月２５日、本年度第２回学校部活動の地域連携・地域移行等に関する協議会を開き、７年度の策定を目指す「市における休日の部活動地域移行推進計画（仮称）」のたたき台の一部を示した。地域移行の背景を示す項目として、児童生徒、教職員等を対象に行ったアンケート結果をもとに、分析した市の課題や実態を盛り込んだ。

　市教委は４年度に部活動の地域移行等に関する調査研究を行うワーキンググループを設置。５年度には同協議会を立ち上げ、国が示す７年度までの改革推進期間に向けた協議のほか、児童生徒、保護者、関係団体に対するアンケート調査等を実施してきた。

　今夏からは拠点校方式による休日の部活動モデルケースに取り組み、段階的に休日の部活動の地域移行実現に向けた取組を進める。

　会議では休日における部活動地域移行推進計画（仮称）で示す目次案と、部活動の地域移行に向けた背景を説明する冒頭項目のたたき台を提示した。

　また、児童生徒、保護者、教職員を対象に行ったアンケート調査結果を盛り込んだ①国と道の動向②市立中学校および義務教育学校（後期課程の部活動の現状と課題）③市の運動・スポーツ、文化芸術団体等の現状と課題④これまでの市教委の取組について―の４点について委員から意見を募った。

　委員からは「家庭負担額について１０００円を希望する保護者が一定数いる。低廉な価格設定を望む家庭への配慮を忘れないようにしてほしい」「今後はアスリートを目指すためのスポーツと仲間と楽しみながら行うスポーツのニーズの二極化が考えられる。スポーツや文化に親しみ、続けていける下地づくりを考える必要がある」「指導者の確保に当たり、どのような点に力を入れていくかなど市としての在り方を具体的に示す個所を取り入れてほしい」などの要望が上がった。

　アドバイザーを務める渡島教育局の深見亘教育支援課長は「地域でスポーツ、文化芸術に親しめる環境をつくっていくことが最終ゴール。教員の働き方改革などの社会課題を踏まえ、市民で生涯にわたりスポーツに触れていく方法を議論するのと同時に、市のホームページで発信している“部活動地域移行通信”をコミュニティ・スクールやＰＴＡ会などで共有しながら部活動の地域連携・移行に対する理解を普及していくことが大切」と締めくくった。

(市町村 2024-07-05付)