10年度開校 きょうわ学園の特色 異年齢集団ハウスを構成 小林教育長「幸せ感じる学校に」
(市町村 2024-07-09付)

きょうわ学園の特色
きょうわ学園の特色

 【小樽発】共和町教委は、10年度開校予定の義務教育学校、仮称・きょうわ学園で推進する特色ある教育の概要を固めた。地域子ども会を基本に、四つの縦割り班を編成する異年齢集団「きょうわ式ハウス」を構成。ハウス単位で各種行事や毎日の給食を共にし、自然なコミュニケーション能力の育成を図る。壁の3面をスクリーンとして活用できる「ネットでつながる未来の教室」を整備し、英語やICTを自在に使う能力の育成を目指す。小林英樹教育長は「教師と子ども双方が幸せを感じるウェルビーイングな学校をつくりたい」と期待する。

 町内には現在、西陵小学校、東陽小学校、北辰小学校、共和中学校の4校がある。

 町立学校適正規模・適正配置検討委員会は2年度、4校を統合した義務教育学校への移行を答申。これを踏まえて、10年度の小中一体型義務教育学校・きょうわ学園の開校に向けて検討を進めてきた。

 学制は4・3・2制を採用。特色ある教育をみると①異年齢集団(きょうわ式ハウス)②基礎基本プラスアルファの学力育成③個や集団に応じた多様な学びの保障④英語やICTを自在に使う能力の育成⑤グローバル人材の育成―の5点を掲げている。

 ハウスは、英国パブリックスクールを参考に、町の実情を踏まえた独自のシステム。地域の10の子ども会をベースに、四つの異年齢集団を形成。1~9年生が日々の登下校をはじめ、集会や遠足、運動会、清掃などを協働で活動することで、互いを認めながら高め合う良好なコミュニケーションの構築を目指す。

 外国語教育に関わっては、1年生から外国語指導助手(ALT)による外国語活動を位置付け、英語を通したコミュニケーションに対する抵抗感の軽減を図る。7~9年生においては、インターナショナルスクールとの交流を見据え、ビジネスツールとして役立つ英語力の習得を目指す。

 校舎にも、新たな教育活動を支える工夫を盛り込んでいる。鉄筋コンクリート造2階、9000平方㍍を見込む校舎1階の中心部には、図書館機能やグループワークデスクを備えたメディアセンターを配置。隣接するスペースには、全児童生徒が一堂に給食を食べることができる大規模なランチルームを配する。

 また、四つのハウスがそれぞれの活動で使用できるスペースを用意。3方向をスクリーンとして活用し、映像教育やICT機器を活用した双方向授業を実現する「ネットでつながる未来の教室」を整備する。高学年が落ち着いた雰囲気で学習に臨むことができる学習ラウンジを設ける。

 町教委は、きょうわ式ハウスをはじめとした新たな教育活動を通して、学校を中心とした地域の再活性化、持続可能なまちづくりにつなげたい考えだ。

 小林教育長は「学校生活が楽しい、学校で仕事ができてうれしいなど、子どもと教師の双方が幸せを感じるウェルビーイングな学校をつくりたい」と展望する。「教職員の協力を得ながら、開校に向けて精力的に取り組みたい」と力を込める。

(市町村 2024-07-09付)

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