室蘭市 6年度教育行政方針 全ての子が楽しい学校 白蘭学園7年度開校へ準備(市町村 2024-07-17付)
室蘭市教委・伊藤博明教育長
【室蘭発】室蘭市教委の伊藤博明教育長は、6年度教育行政方針において、「全ての子どもが楽しいと感じる学校」の実現を図るため、前年度に策定した「室蘭市子ども未来指針」をもとに各施策を確実に遂行していくとした。また「確か」で「豊か」な学校教育のモデルとなる白鳥台地区の義務教育学校白蘭学園については7年4月の開校に向け、校舎の改修や教育課程の編成等を進めていく。
教育行政方針の概要はつぎのとおり。
【子どもたちの安全・安心を守る取組の推進】
質の高い学校教育を実現するためには、何よりも学校が子どもたちにとって安全で安心な場所である必要がある。本年度は、子どもたちの心理的安全性を取り戻すべく、いじめや不登校の対応について重点的に取り組む。
いじめ問題については「いじめは、誰にでもどこででも起こり得る」という緊張感を持ち続けるよう、小・中学校にあらためて強く働きかけることで、いじめの認知や校内組織の在り方、組織的な対応の手順を継続して周知するとともに、いじめ防止対策審議会、小中学校教護会や生徒指導担当教員連絡協議会等の中でも情報を共有し、いじめについての共通理解を図る。
また、夏季の猛暑による熱中症から子どもたちを守るために、暑さ指数に基づいた臨時休校を含めた対応や、夏季休業期間の延長を検討するとともに、冷房設備については全小・中学校への設置を目指して、段階的に整備を進めている。
学校給食センターの更新に関しては、11年度の供用開始を目指し、建設用地の地質調査等の実施や基本計画の策定に着手するとともに、登別市との広域設置に向けた協議、検討を推進していく。
【誰一人取り残すことのない教育の推進】
増加している不登校への対応として「市教育サポートセンターくじらん」への交通手段に関わる支援を継続する。通室が困難な児童生徒には、オンラインで学習することができるICT環境の整備や、学校外の公的機関・フリースクール等の民間施設における相談・指導に関わるガイドラインの策定など、学校内外での多様な学びの場の確保に努める。
【「確か」で「豊か」な学校教育への取組】
▼「確か」な学校教育への取組
前年度、各中学校区の各学年で段階的にステップアップができるよう教育課程の見直しを開始。本年度中には義務教育9年間を見通した教育課程を編成する。これによって、小・中学校で設定する学習テーマの連続性を確保するとともに、小・中学校間における指導の差異を少なくすることで確かな学校教育へとつなげる。
▼「豊か」な学校教育への取組
学校運営協議会への取組については、昨年11月に開催した委員研修会においてあらためてコミュニティ・スクールへの理解を深め、徐々に各中学校区それぞれの特徴を生かした取組が着実に動き始めているところ。
本年度は、地域ごとの取組の違いやコーディネート体制の強化など課題の克服に向けた市学校運営協議会の開催を計画し、各協議会の情報交換を行うなど、地域ごとにできることを考えながら、互いの活動の見える化と活性化を図る。
ふるさと室蘭で共に生きる教育については、昨年、東明中学校区で学校・家庭・地域3者合同の地震を想定した避難訓練を実施。今後も、地域や関係機関と連携した体験的な教育活動を全市的に広げていく。
【子どもたちと教員が向き合う学習環境の推進】
教員の働き方改革を念頭とした校務支援システムの活用習熟等によって、教員の事務負担の軽減に努める。
部活動の地域移行については、サッカー部を拠点校方式による合同部活動として実施。今後は、団体競技を中心に対象種目の拡充を図るとともに、各種団体や民間企業とも連携しながら、8年度の地域移行を目指し、子どもたちが興味・関心を持つ文化・スポーツ活動に触れることができる環境の整備を進めていく。
(市町村 2024-07-17付)
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