洞爺湖町　６年度教育行政執行方針　小中一貫教育　講演会など啓発へ　１日防災学校や噴火遺構見学

（ 2024-07-18付）

渋川教育長

　【室蘭発】洞爺湖町教委の渋川賢一教育長は、６年度教育行政執行方針において、小中一貫教育について制度の正しい理解が得られるように講演会の開催やリーフレットの配布等の啓発活動を進めると示した。防災学習については１日防災学校や噴火遺構の見学などを行い、有事の際の速やかな非難活動へとつなげるとした。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

【ＳＤＧｓ・ＥＳＤの推進】

　予測できない未来に向かって自ら社会を創り出していく「持続可能な社会の創り手」として、地球規模の様々な課題の解決に向けて自ら考え、教育行政全般にわたり、これら理念を踏まえた施策の推進に努める。

【子育てをしやすい環境整備の推進】

　子どもは社会の希望、そして未来を創る存在であり、様々な事情にかかわらず健やかな育ちを等しく保障するために子育て支援の充実に努めていく。

【社会で活きる実践的な力の育成】

　確かな学力や人間関係づくりの基礎となるコミュニケーション能力などを育むことを通して、社会の変化に主体的に対応し、新しい時代を自ら切り拓いていくための実践的な力の育成に努めるため、教育指導専門員、学習支援員、外国語指導助手に加え、現職教員を指導主事として配置し、学校運営や授業の改善・充実に向けた取組を支援する。

　ふるさと教育については、世界に誇る二つの遺産「洞爺湖有珠山ジオパーク」「北海道・北東北の縄文遺跡群」の入江・高砂貝塚の積極的な活用を進めるとともに、姉妹都市提携６０周年の節目となる本年度も、中学生による箱根町との親善交流を支援する。

　防災学習は、避難所開設体験学習や１日防災学校、噴火遺構の見学などを関係機関と連携して行う。

【豊かな心と健やかな身体の育成】

　学校教育全体を通じて行う道徳教育はもとより、学級活動や児童会・生徒会活動などを通じて、豊かな道徳性や自治的活動の意義、人権意識などが深く浸透していくよう各学校の取組を支援する。また「洞爺湖子ども芸術文化フェスティバル」を通じて、質の高い芸術文化に触れる機会の提供に努める。

　児童生徒の熱中症対策については、長期休業日の総日数を５６日以内に延長するとともに、小・中学校の教室と職員室などにエアコンを設置するための設計業務を本年度実施する。

【信頼される学校づくりの推進】

　地域に開かれ信頼される学校を実現するために保護者や地域の意見等を的確に反映させるとともに、学校、家庭、地域社会がそれぞれの役割と責任を認識し、相互に連携・協力する体制づくりに努めていく。

　教員の働き方改革について「町立学校における働き方改革指針」に基づき業務の効率化を進めるほか、校務支援システムの本格運用に加え、新たに校舎管理に機械警備を導入することなどで、時間外勤務の縮減に向けた取組を進める。

　中学校の部活動については「町立学校に係る部活動方針」に基づく取組を継続するとともに、持続可能な部活動の在り方を視野に入れながら地域移行に向けた検討会で協議を行う。

【地域全体で子どもたちを守り育てる体制づくりの推進】

　時代や社会構造の変化に伴い、地域の教育力の低下などが叫ばれる現状を改善するために、家庭と地域の結び付きを深め、地域全体で子どもを守り育てる機運の醸成に努める。

　そのため、子どもたちの生活リズムの向上を目的とした「早寝早起き朝ごはん運動」の啓発や７ヵ月健診時に絵本を提供する「ブックスタート事業」を実施するとともに、家庭教育に関する情報提供や親同士の仲間づくりの機会を提供する「子育てセミナー」を実施する。

( 2024-07-18付)