札幌市 若者支援施設アンケート 類似施設支援 8割が未利用 気軽に立ち寄れる場所望む声
(札幌市 2025-01-09付)

 札幌市子ども未来局は、若者支援施設の在り方検討に向けたアンケート調査結果をまとめた。ロビー利用者の82・6%、相談支援・イベント利用者の83・4%が、若者支援施設以外の類似施設・支援を利用したことがない実態が明らかになった。施設に求める機能は、全ての年齢層で「誰でも気軽に立ち寄れる居場所の提供」が最多だった。

 市内5ヵ所にある若者支援施設の老朽化、子ども・若者を取り巻く社会経済情勢や環境の変化への対応などの課題を踏まえ、市は本年度、市子ども・子育て会議に若者支援施設在り方検討部会を設置。

 今後のニーズや課題、求められる役割などについて協議を進めており、6、7月ごろに提言をまとめる予定だ。

 アンケート調査は、検討に向けた基礎資料とするため7、8月に実施。各施設の利用者から1075件の回答が集まった。

 利用者の年齢層は、20~34歳が最多の39・4%。19歳以下が30・4%と続き、子ども・若者が7割近くを占めた。35~49歳は9・1%、50歳以上は20・0%だった。

 有料の貸室の利用状況をみると、利用したことがある人は64・1%に上った。利用目的は、ダンス(33・5%)、スポーツ(20・4%)、音楽(13・9%)などが多かった。

 貸室利用者の46・3%が類似施設の利用経験があると回答。各区の体育館や区民センター・地区センターなどが主に使われていることが分かった。

 ロビーの利用経験があると回答した人は全体で48・6%。年齢層別では、19歳以下が64・2%、20~34歳が51・7%と半数以上に上った一方、35~49歳が24・5%、50歳以上が32・6%だった。

 ロビーでスタッフと関わった経験を尋ねると「雑談をしたことがある」「軽い相談をしたことがある」「プライベートに関わる相談をしたことがある」など多くの選択肢で20~34歳の回答が多い傾向が見られた。次いで19歳以下が多かった。

 図書館やカフェなどロビーの類似施設を利用した経験がある人は14・6%にとどまり「ない」が82・6%を占めた。

 相談支援・イベントの利用経験がある人は全体で14・0%。年齢層別では20~34歳が19・3%と最多だった。利用内容は「交流イベント・ボランティア活動」が全ての年齢層で最多。「個別面談」「対人関係や就労・就学のための支援プログラム」は20~34歳の利用が突出していた。

 相談支援・イベントに関わる類似施設の利用は「ない」が83・4%を占め「ある」は13・2%となった。

 若者支援施設に求める機能を尋ねたところ(複数回答)「誰でも気軽に立ち寄れる居場所の提供」が643票で最多となった。次いで「活動室や体育館など、活動する場所の提供」が456票、「不登校やひきこもりの人たちの相談支援」が402票だった。

 関係者に行ったヒアリング調査結果も踏まえ、今後の検討事項として「学校から離れた子ども・若者に途切れることなく支援してくための対応・取組」「地理的・経済的事情から若者支援総合センターの自立支援事業に結び付いていない若者(潜在的ニーズ)に対する対応」「ロビーの役割とハード面での整備の在り方」などが挙がった。

(札幌市 2025-01-09付)

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