登別市教委の２８年教育行政執行方針―武田教育長が説明　地域とともにある学校を　ＩＣＴ活用など指導の在り方研究

（市町村 2016-03-01付）

登別市教委・武田博教育長

　【室蘭発】登別市教委の武田博教育長＝写真＝は二月十六日に開会した第一回市議会定例会で、教育行政執行方針を説明した。学校や家庭、地域、行政が連携した「地域とともにある学校づくり」を推進。教職員の指導力向上に関しては、指導方法の工夫・改善に取り組むとともに、ＩＣＴの活用やアクティブ・ラーニングなど、望ましい指導の在り方を研究していく。子どもたちが社会の変化に対応し、新しい時代を切り拓く「生きる力」の育成に努めるとともに、誰もが主体的に学び続け、その成果を生かせる活力ある生涯学習社会の実現を目指す。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

　確かな学力の向上については、全国学力・学習状況調査において、小・中学校ともに一部の教科で全国の正答率を超えるなど、各学校の取組が着実に成果となって表れてきている。今後も校長会と共同で設置している教育課程課題検討委員会で協議しながら、指導の改善に努めていく。

　また、学力の二極化などの課題に対応するため、学校が取り組む補充学習に加え、学習支援室や地域の方々による「放課後学習教室」の充実を図り、児童生徒の基礎学力の定着や学ぶ意欲の向上に努めていく。

　学力向上の一端を担う読書活動については、朝読書活動や図書ボランティアによる読み聞かせの充実とともに、「学校図書館担当者・学校図書ボランティア連絡会議」を活用した情報の交流に努め、学校図書館の活性化を図っていく。

　教職員の指導力の向上については、研究実践奨励校の指定や巡回指導教育活用事業、地域連携研修事業などを通して指導方法の工夫・改善に取り組むとともに、ＩＣＴの活用や、能動的学習（アクティブ・ラーニング）など、望ましい指導の在り方を研究していく。

　豊かな心の育成については、読書活動や人権教育、道徳教育の充実を促し、命を大切にする心や他人を思いやる心、自立心や規範意識等の醸成に努めていく。

　体力向上については、全国調査の結果、小学校では実施項目の多くが全道や全国の平均を上回るなど、これまでの一校一実践の取組や、体育コーディネーター派遣による成果がみられているので、引き続きこれらの事業の充実に努めていく。

　特色ある教育については、当市の特性を生かしたスキー授業や温泉入浴体験、環境学習等の事業を、引き続き推進する。また、英語教育については、登別市小中学校英語教育推進プログラムに基づき、グローバル化に対応したコミュニケーション能力の育成に努めるとともに、国際観光都市としての環境を活用し、外国人観光客に英語で案内をするなど、国際感覚を養う活動の推進を図っていく。

　いじめや不登校への対応については、生徒指導担当者会議や登別市不登校・いじめ等対策会議において、情報交流や研修内容の充実に努めるとともに、登別市および各学校が策定している「いじめ防止基本方針」に基づいて、適切に対応していく。

▼社会教育

　家庭教育については、家庭や地域の教育力の向上を図るため、引き続き、家庭教育学級における講演会などの学習活動や、「通学合宿」「放課後子ども教室」「家族の時間づくりプロジェクト」の取組を進めていく。

　学校給食については、健康の保持増進と体位の向上を目的に、安全で安心な給食を提供するとともに、地場産品を取り入れ、地域の自然や産業などに対する理解を深めていく。図書館については、質の高い魅力ある図書館づくりを目指して、市民ニーズに応じた図書資料の整備と、幅広い情報の提供や発信に努めるとともに、図書ボランティアとの連携によるブックスタート・ライブラリースタート事業や図書館講座などを通して、利用者の増加を図っていく。

(市町村 2016-03-01付)