士別市教委の教育行政執行方針―安川教育長が説明　農業学習で多様な体験を　チャレンジ寺子屋など取組推進

（市町村 2016-03-01付）

　【旭川発】士別市教委の安川登志男教育長＝写真＝は、二月二十三日開会の市議会第一回定例会で教育行政執行方針を説明した。本年度から始めた、小学三～六年生の総合学習で取り組んでいる農業学習を継続し、多様な体験機会を提供。また、チャレンジ寺子屋、土曜子ども文化村などの取組を進め、子どもの生きる力を養う。学校支援地域本部について、キャリア教育に必要な職場見学や職場体験の受け入れ企業の拡大などに努めることとした。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育の推進

　児童生徒が、「他人を思いやる力」「他人の心を感じとる力」などを身に付けられるよう、学習指導の工夫・改善をはじめ、教職員の専門的知識や指導力向上に向けた研修を推進する。

　士別東高校が取り組んでいる「生徒個々に応じた教育の充実」については、小規模校としての特色と地域の教育環境等を生かした教育活動を展開する。

　いじめや不登校の根絶については、適応指導教室「ウィズ」と各学校の連携を深めるとともに、問題行動の未然防止や早期対応に向けた学校内の指導体制の充実を図る。

　小学三年生から六年生の総合的な学習として取り組んでいる農業学習については、学校と地域社会の連携と積極的な〝人財〟の活用のもと、多様な体験機会の提供を図るとともに、多世代間の交流の意義や意欲を高める学習活動を展開する。

　特別支援教育については、児童生徒個々に応じた細やかな支援の充実を目指して、学校内での体制を強化する。

　小・中学校を訪問する「子ども夢トーク」と中学生による「子ども議会」を開催し、夢のあるまちづくりを目指して、子どもたちから多彩なアイデアをいただくとともに、まちづくり学習の場となるよう取組を進める。

　「みよし市こども交流事業」については、これまで小学六年生を対象に、例年冬休み期間中に実施してきたが、研修時期や視察場所、研修プログラム等について検証・改善を行い、さらに研修内容の充実を図る。

▼社会教育の推進

　つくも青少年の家については、施設の老朽化が著しいことから、サイクリングターミナルとの機能の統合を検証する。

▼青少年の健全育成

　学校支援地域本部については、学校教育の現場での地域住民による外部講師の活用を推進するとともに、キャリア教育に必要な職場見学や職場体験の受入企業の拡大など、細やかな支援体制の充実に努める。

　家庭教育事業については、子どもの健やかな心と体の成長を図るため、「早ね早おき朝ご飯運動」を推進し、「生活リズムチェックシート」を活用した取組によって、幼児期からの基本的生活習慣の確立を目指す。

　チャレンジスクール事業については、市内の全小学校四年生を対象に、地域の教育力を生かした取組を進める。また、夏・冬の長期休業期間中に小学生を対象として、子どもたちの学力向上と体力増強を図るため、屋外活動や創作活動などを通して、「生きる力」を育む「チャレンジ寺子屋」を、学校教員や高校生と連携して実施する。

　子どもたちに豊かな体験を提供する「土曜子ども文化村」については、「体験館」として、茶道や英会話などの文化活動や市内企業の協力による職業体験を行うほか、「音楽館」として、合唱や琴などの音楽活動を行うなど、内容を拡充する。

▼市民スポーツの推進

　市まち・ひと・しごと総合戦略重点プロジェクトである「合宿の聖地創造事業」では、合宿の里士別推進協議会などとの連携強化を図り、市民ぐるみできめ細やかな受け入れ体制の向上を図る。

(市町村 2016-03-01付)