留萌市教委の教育行政執行方針―麻林教育長説明　課題解決へ各校１実践　自立した人間づくりなど

（市町村 2016-03-16付）

留萌市教委・麻林敏弘教育長

　【留萌発】留萌市教委の麻林敏弘教育長＝写真＝は、一日に開かれた第一回定例市議会で、二十八年度教育行政執行方針を説明した。学校教育においては、基礎的・基本的な学力の定着と豊かな心、健やかな体の育成など、知・徳・体の調和のとれた自立した人間づくりを進める質の高い教育を推進。すべての学校が「ワンスクール・ワントライ」を掲げ、自校の課題解決に向けて、市教委または道教委の事業を一つは実践し、学校教育の充実を図っていくとした。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

▽確かな学力の向上を目指す教育の推進

　学校で統一した授業スタイルや学習規律を確立し、授業改善の徹底した取組を推進していく。また、すべての中学校区において、小・中学校間の連携・接続の強化を図り、特に九年間を見通した学力向上の取組を推進していく。

　ＩＣＴを活用した授業展開については、計画的にＬＡＮ環境の整備を図りながら、全市的に効果的な活用方法を研鑚していく。教員のスキルアップに向けては、秋田大学の教授を講師に招き、三年目となる「留萌の良さを伸ばす授業力向上研修会」を開催していく。

▽豊かな心を培う教育の推進

　道徳の教科化を見据え、生命を大切にする心や郷土に誇りをもつ心、公共心や規範意識などを育む心の教育の充実を図るため、地域の教育資源を生かした「留萌ならでは」の体験活動を推進していく。

　いじめ、不登校などの問題行動については、「いじめ根絶に向けた子ども会議」の開催や各校の「いじめ防止基本方針」によって、早期発見、早期対応に努め、「スクールカウンセラー」「スクールソーシャルワーカー」の配置を継続していく。

▽健やかな体を育む教育の推進

　「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」では、全国平均以上を目指し、子どもたち一人ひとりの体力の状況を踏まえた体育の授業改善や「一校一実践」の体力づくりの取組、体育専科教員の活用、各種スポーツ大会などへの積極的な参加を促すなど、体力向上や運動の習慣化の取組を推進していく。

　「コオーディネーショントレーニング」については、児童が運動に取り組む姿勢に積極性が出てくるなどの効果がみられることから、全小学校中学年での取組を継続し、効果の検証を行っていく。

▽信頼される学校づくりの推進

　開かれた学校を目指し、学校評議員制度や学校関係者評価の充実と『学校だより』や学校のホームページによって情報発信を図っていくとともに、国が促進している「コミュニティ・スクール」の導入についても、校長会と検討していく。

　安心・安全な学校生活の確保に向け、防犯・防災教育、安全指導の徹底、「子どもへの暴力防止プログラム（ＣＡＰ)」や「スクールガードリーダー」の配置などに取り組んでいくとともに、学校や道路管理者など関係機関で構成する「留萌市通学路安全推進協議会」を開催し、通学路の危険個所の改善に向けた取組を推進していく。

(市町村 2016-03-16付)