札幌市教委が体力・運動能力向上学習会　取組改善へ研鑚深める　東京女子体育大・末永氏の講話も

（市町村 2016-03-17付）

「さっぽろっ子〝健やかな身体〟の育成プラン」２８年度版の説明も

　札幌市教委は三日、市内のちえりあで二十七年度体力・運動能力の向上にかかる学習会を開催した＝写真＝。約百四十人が参加。「さっぽろっ子“健やかな身体”の育成プラン」二十八年度版の改訂ポイントや、東京女子体育大学体育学部講師の末永祐介氏の講話を通して、運動能力・体力の現状を把握するとともに、取組の改善方法などについて研鑚を積んだ。

　学習会は、市全体で取り組んでいる「さっぽろっ子“健やかな身体”の育成プラン」における体力・運動能力向上に関する実践の充実を図るため、推進上の課題を共有するとともに、新年度からの教育活動の方向性を示していくのが目的。

　冒頭、あいさつに立った引地秀美学校教育部長は、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を取り上げ、「運動能力において全国平均を下回った一方で、“運動が好き”と答えた割合は全国平均よりもやや高い傾向にある」と説明。「将来的に豊かな生活を送るためにも、体力向上が必要。学習会で得た成果を、各校における新年度の体力向上づくりの計画に役立ててほしい」と期待した。

　続いて、教育課程担当課の大井一雄義務教育担当係長が「さっぽろっ子“健やかな身体”の育成プラン」における、これまでの活動を報告。敏しょう性や持久力向上を目指す「縄跳び運動」や、冬期間の運動量確保をねらった「雪かき汗かきチャレンジ」の取組実績を示した。

　一方で、二十七年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果から浮かび上がった課題を説明。課題解決に向けて、二十八年度版プランに盛り込んだ、①「健やかな身体」育成プログラムの作成・実行②体力・運動能力の向上および部活動の活性化③基本的生活習慣の確立―の三点を示し、年間を通して継続的に運動に取り組む機会の充実を図る必要性を訴えた。

　このあと、末永氏が「子どもの体力を向上させるための取組の視点について」と題して講演。中学校から始まる部活動の影響で、中学生は小学生よりも運動をする生徒としない生徒で体力差が顕著に表れていることや、体力向上に関する取組を学校単位で細かく変更する必要性などについて説明した。「体力値が低い学校でも、取組次第で上位に食い込む可能性は十分ある」と述べた。

(市町村 2016-03-17付)