中標津町教委の教育行政執行方針―小谷木教育長説明　小中一貫教育導入を検討　社会科副読本のデジタルブック化研究

（市町村 2016-03-18付）

中標津町教委・小谷木透教育長

　【根室発】中標津町教委の小谷木透教育長＝写真＝は七日、町議会定例会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。学校教育では、土曜授業の在り方の検証、全町立小・中学校による小中一貫教育の導入の検討、デジタルブック化した社会科副読本活用の研究などの施策を表明。社会教育では、生徒が企画・制作・発表を行う起業体験学習をモデル的に取り入れ、今後の継続と普及について検証する意向を示した。

　執行方針の主な内容はつぎのとおり。

▼学校教育の充実

　昨年設置した町教育力向上推進委員会において、コミュニティ・スクール、学力向上、小中一貫教育など教育方針の基礎づくりとなる方向性、方策を検討する。

　少人数指導による道の定数加配教員の活用、町独自の学習サポート教員の配置、学生ボランティアの活用などによって、学力向上のための支援に努める。また、土曜授業の在り方については、学力向上や地域と連携した教育活動にかかわることから、町教育力向上推進委員会で研究を進める。

　全町立小・中学校による小中一貫教育の導入を目指し、教員による調査・研修・研究を実施するとともに、計根別学園の小中一貫教育の実績を検証する。また、二十五年に発足した市街地三小学校よる連携事業「３Ｃプロジェクト会議」を支援する。

　郷土愛を深め、地域社会の一員としての自覚を養うため、小学校三・四年生を対象とした社会科副読本の活用を各小学校で進めるとともに、デジタルブック化した社会科副読本の活用について研究を進める。

弁当づくりを通して親子のふれあいを深め、食育の重要性や給食の意義について考える「親子で作るお弁当の日」を設定するとともに、児童・生徒・保護者に、その趣旨について周知徹底を図る。

情報化社会に対応したスキルを身に付けるため、学校ＩＣＴ環境の活用に努める。本年度は、全小・中学校の校務用コンピューターを更新し、効率的な校務処理を図る。

　幼稚園児の保護者は若い世代が多いため、保育料等が経済的な負担になっている場合が多くある。このため、無償化に向けた段階的取組として、私立幼稚園就園奨励費補助金によって低所得者と多子世帯および、ひとり親世帯の保護者負担軽減を図る。

▼社会教育の充実

　ボランティア団体「なかしべつ青少年体験活動サポートシステム」との協働による、児童生徒の職業体験・社会体験活動に継続して取り組む。さらに、生徒たちが企画・制作・発表を行う起業体験学習をモデル的に取り入れ、今後の継続と普及について検証する。

　二〇一九年開催のラグビーワールドカップや、二〇二〇年開催の東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致を進め、合宿のために来町するスポーツ団体への支援品の支給等を行うとともに、運動公園をはじめ各施設の有効活用に努める。

(市町村 2016-03-18付)