安平町教委の教育行政執行方針―豊島教育長　小中一貫教育で調査研究　認定こども園に民間初のＣＳ導入

（市町村 2016-03-24付）

安平町教委・豊島滋教育長

　【室蘭発】安平町教委の豊島滋教育長＝写真＝は、三月上旬に開会した町議会定例会で教育行政執行方針を説明した。同町はすでに全小・中学校でコミュニティ・スクール（ＣＳ）を導入しているが、幼児教育の重要性や幼小中高連携の観点から、ことし四月から民営化される「はやきた子ども園」にも、民間では全国初となる学校運営協議会を設置する考えを表明。また、追分小・中学校一貫教育の調査研究の一つとして、小中一貫ＣＳなどについても検討を進めていく方針を示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼就学前教育、保育、子育て支援の充実

▽就学前教育・保育の推進

　はやきた子ども園については、二十八年四月から、「学校法人リズム学園」が「公私連携幼保連携型認定こども園」として運営を行っていく。同園においても、特色ある幼児教育や質の高い保育・教育サービスの提供と住民ニーズへの迅速な対応を目指し、「学校運営協議会」を設置するとともに、町職員を派遣し引継ぎ等を丁寧に行うことによって民営化を円滑に進め、園児や保護者の不安解消に努める。

▼学校教育の充実

▽学校教育の推進

　幼小中高連携の理念のもと、教科の連携による「幼小中高教員の相互乗り入れ授業（出前授業等）」や学校行事への参加・交流など、学校間の「縦・横・斜め」の連携を継続するとともに、追分地区において「小中一貫教育の調査・研究」を実施していく。

　いじめや不登校、問題行動などについては、早期発見と未然防止に努めるとともに、町の「学校いじめ防止基本方針」に基づく、「町いじめゼロ子ども会議」等を通じた普及啓発など、各学校や関係機関との連携による取組を引き続き進める。

▽開かれた学校づくり

　学校と地域が力を合わせ、学校の応援団として組織する「学校運営協議会」については、町内すべての小・中学校に導入したことから、各学校運営協議会の地域特性を生かした活動を推進するとともに、「ＣＳ研修会」を実施していく。

　また、追分小・中一貫教育の調査研究の一つとして、「小中一貫ＣＳ」や「小・中学校ＰＴＡの連携」などについても検討していく。

▽小中学校教育

　学力向上については、家庭における学習が重要となることから、『家庭学習の手引き』や、長期休業期間（夏・冬休み）中を含めた生活習慣の改善を図るために必要となる『生活のきまりと注意（仮称）』については、校長会等をはじめとする関係機関・団体と協議しながら、義務教育九年間を見通して策定していく。

▽高校教育

　追分高校の存続のため、行政・学校・追分高校を支える会などが一体となった地域運動を展開するとともに、誘致企業会をはじめとする関係団体・関係機関とともに存続要望活動に加え、地域内の高校の存在が子育て世代の移住・定住先の選択要因の一つとなることから、学校存続に向け、道内私立大学の指定校推薦枠や高い地域内就職率を特色としてＰＲするなど、入学希望者の確保に取り組む。

(市町村 2016-03-24付)