八雲町教委の教育行政執行方針―瀧澤教育長説明　小中一貫型ＣＳ導入目指す　道徳教育の充実など盛り込む

（市町村 2016-03-25付）

八雲町教委・瀧澤誠教育長

　【函館発】八雲町教委の瀧澤誠教育長＝写真＝は三月上旬、第一回定例町議会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。国内外の社会状況がめまぐるしく変化する中、子どもたちや保護者のニーズに柔軟に対応しながら、「八雲町教育目標」の具現化を目指すことを強調。「新総合計画」と「第一期教育推進計画」を基盤とした施策を確実に展開していく方針を示した。今後、町の全中学校区内において、段階的に小中一貫型コミュニティ・スクール（ＣＳ）を導入し、地域全体で未来を担う子どもたちを支える制度を展開する考えを表明した。

　教育行政執行方針の概要はつぎのとおり。

▽「学力の向上」について

　学力向上は最重要課題であり、各学校に対しては今後も、町教委と軌を一にした取組を「一貫・徹底」するよう強く求めていく。学力向上を図るためには、法令および学習指導要領に基づく教育課程を編成し、確実に実施することが基本となる。町教委としても、学校訪問などを通して各学校の教育課程の実施状況を把握するよう努める。

▽「豊かな心の育成」について

　全国各地でいじめによる事件や不登校などの問題が増加する中、「命の尊さ」「人間尊重の態度」「将来に希望をもって生きる姿勢」を子どもたちに身に付けさせることは教育の重要な使命である。国も「特別の教科　道徳」の指導の充実に向けて改革を図っており、学校における「道徳教育の充実」を図っていく。

▽「健康な体と体力の向上」について

　二十七年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査においては、町内児童生徒の男女とも大半の種目で全国平均を超えた。中でも、小学校の女子は、全種目が全国平均を上回るという結果となった。今後も一層の授業改善に努めるとともに、子どもの運動機会を増やす取組や生活習慣の改善などについて、地域・家庭とともに啓発を図っていく。

▽小中一貫型ＣＳの導入に向けて

　町では、二十九年度の小中一貫型ＣＳの導入に向けて、調査研究を進めていく。学校を核とした地域コミュニティの活性化をねらうＣＳは、町の実態からも不可分であることから、二十九年度の落部中学校区の先行導入を皮切りに、順次全中学校区での導入を目指す。

▽学校安全について

　町内の各学校では、すでに「危機管理マニュアル」を作成し、年間複数回の避難訓練を実施するなど、不測の事態に備えた防災指導を展開している。様々な災害から児童生徒の命を守るために、防災教育の一層の充実に努めていく。

▽特別支援教育について

　町においては、一人ひとりの児童生徒を大切にするという観点から、個別の支援計画「育ちと学びの支援ファイル～カラフル」を活用し、個に応じたきめ細かな指導、支援に取り組んでいる。今後も特別支援教育にかかわる各機関との連携や研修を一層充実させていく。

(市町村 2016-03-25付)