女性活躍に関する特定事業主行動計画案―道教委 32年度までに管理職15% 登用など3つの具体的取組示す
(道・道教委 2016-03-28付)

 道教委は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく特定事業主行動計画」(案)をまとめた。三十二年度までに、管理職員に占める女性の割合を一五%、男性の育児休業取得率を三十六年度までに一〇%とすることなど、数値目標を設定。学校の女性職員の活躍に関する現状と課題を踏まえ、「女性職員の登用等に関する取組」「ワークライフバランスの推進に関する取組」など三つの具体の取組を盛り込んだ。

 道教委では、本年度から「女性教員活躍推進事業」に着手。女性職員の活躍推進に向けた取組について、市町村教委や全道の校長会から意見聴取するとともに、教員対象のアンケートの実施、女性教員対象のミドルリーダー養成研修の開催などを進めてきた。

 一方、国において、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が二十七年八月に成立。ことし四月一日までに、女性の活躍推進に向けた行動計画を策定することなどが新たに義務付けられた。

 道教委によると、二十七年四月一日現在の学校職員構成は、男性職員二万一千二百二十五人に対し、女性職員は一万三千七百七人で、女性の割合は三九・二%。一方で、女性管理職(校長・副校長・教頭)は二百五十七人と管理職員全体の七・七%にとどまっている。

 このため、道教委では二十八~三十一年度の四年計画で進める行動計画案を作成。学校職員と道教委職員、それぞれ課題を分析し、目標設定および具体の取組を掲載した。

 行動計画案では、女性管理職員の現状を示し、女性の管理職員への登用を一層進める必要性を指摘。円滑な登用に向けて、将来的な管理職候補者である主幹教諭や教務主任など、ミドルリーダーとなる女性職員の任用を推進することを盛り込んでいる。

 また、育児休業の取得状況にふれ、二十六年度中に新たに育児休業の取得が可能となった女性職員四百十五人のうち、三百九十五人(取得率九五・二%)が取得したが、男性職員は三百六十二人中十一人と、取得率は三・〇%にとどまっており、男性の家庭生活への参画を課題に挙げた。

 これらの現状と課題を踏まえ、女性職員の活躍の推進のため、①女性職員の登用②育児休業の取得等―の二項目で、数値目標を設定した。

 「女性職員の登用」では、三十二年度までに管理職員に占める女性の割合を一五%にする。「育児休業の取得等」では、男性の育児休業取得率を三十六年度までに一〇%とすること、男性の子どもの出生時(出産予定日の一ヵ月前から出産日の一ヵ月後までの期間)における五日以上の休暇取得率を一〇〇%とすることを示した。

 毎年度、数値目標について計画の進捗状況を把握し、公表する。

 目標を達成するための取組として、「女性職員の活躍に向けた総合的な支援」「女性職員の登用等に関する取組」「ワークライフバランスの推進に関する取組」の三つを掲げた。

 総合的な支援では、二十七年八月に設置した道立学校職員を対象とした「子育て支援相談窓口」の在り方を検討するとともに、市町村立小・中学校の職員に対する相談窓口の設置についても検討。女性職員が自らのキャリア形成や家庭と仕事の両立に関し、先輩女性職員に相談することができる制度の導入を検討する。

 女性職員の登用等に関する取組では、子育てや親の介護など家庭環境による事情がある場合、異動や昇任に当たって勤務地に配慮するなど、人事上の配慮を行う。

 また、女性職員のキャリアアップへの意欲醸成やスキルアップを図るため、全道十四教育局管内においてミドルリーダー養成研修を引き続き実施することを盛り込んだ。

 職種にかかわらず専門性を高めながら、個性と能力を十分に発揮するために初任者研修や十年経験者研修などの充実を図るほか、女性管理職や女性職員の仕事と子育て等との両立に関する体験談や管理職員等の仕事の魅力などを伝える『女性職員活躍事例集』を作成する。

 「ワークライフバランスの推進」では、男性職員の育児休業取得が可能であることを周知するほか、各校における職場研修を通して育児に関する制度の浸透を図り、業務分担方法の工夫、特別休暇や年次有給休暇を取得しやすい環境づくりを推進する。

 また、育児休業を取得した女性職員の離職防止に向けて、育児休業中職員への学校内の近況などの情報提供を進めるとともに、学校との双方向のコミュニケーションの手法について検討する。

 復帰後の弾力的な勤務形態や休暇制度、教科の指導方法、最近の教育課題などを盛り込んだ職場復帰研修のコンテンツをオンデマンド配信する。

 このほか、多忙化の解消に向け、部活動休止日の設定や活動時間の工夫、業務処理体制の改善、定時退勤日や時間外勤務等縮減強調週間の設定など意識啓発を行う。

 行動計画案は、各教育局や各市町村教委などからの意見聴取を経て、道教委職員の行動計画も含めて本年度中に策定・公表。二十八年度は具体的取組について検証していく。

(道・道教委 2016-03-28付)

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