道立図書館の28年度運営計画案 「暮らしの支援」テーマに 創設90周年に合わせ講座等実施 18地域で読書に親しむ体験 
(道・道教委 2016-03-25付)

 道立図書館は、「市町村立図書館等が、地域に密着した図書館機能を発揮できるよう協力サービスの推進に努める」「“暮らしの支援”をテーマに、役立つ情報の提供に取り組む」ことなどを運営の重点に据えた「二十八年度道立図書館運営計画」案をまとめた。新年度、同館創設九十年を迎えることから、それに合わせた講座と子ども向けの書庫ツアーを計画。図書館未設置町村の学校において、児童生徒が本の内容を伝え合う体験教室を行う「読書活動充実事業(読書に親しむ体験事業)」を、年間十八地域、二十八・二十九年度の二ヵ年合わせて三十六地域で開催する。

 二十八年度運営計画案については、道立図書館運営の基本方針に基づき、道立図書館事業推進計画に掲げる施策目標である、①まちの図書館を応援します~市町村支援②あなたの「知りたい」を解決します~課題解決型サービス③あなたの生涯学習を応援します~道民向けサービス④子どもの生きる力をはぐくみます~子どもの読書活動の推進⑤北海道人の英知を現在・未来に活かします~北方資料サービス⑥人・図書館・団体をつなげます~連携する図書館⑦北海道全体の図書館サービスの向上を支えます~資料整備―の実現に向け、運営の重点を設定。

 運営の重点にかかる事業計画における新規事業を中心にみると―

▼市町村支援

 協力レファレンスで、図書館ポータルから簡易に申込みができるメールレファレンスの利用促進に努めるほか、市町村に加え、学校図書館、専門図書館に対してサービスのPRを行う。

▼課題解決型サービス

 道職員向けの庁内サービスである「道政サポートサービス」について、資料の受け渡しや相談ができる道議会図書室の利便性のPRに努める。

▼道民向けサービス

 道立図書館創設九十周年に合わせた講座と子ども向けの書庫ツアーを実施するほか、北方資料についてのテーマを設定した書庫ツアーを行う。道民向けに館内を紹介する書庫ツアーの動画を作成し、ホームページで公開する。

 高齢者・障がい者サービスの充実に向け、大活字コーナーを見直し、DAISY図書(録音図書)を含めた資料コーナーを設置し、利便性の向上を図るほか、国立国会図書館「視覚障害者等用データ送信サービス」と「サピエ(視覚障害者情報総合ネットワーク)」の利用促進に努める。来館が困難な人に対する資料の郵送貸出しサービスを試行。

 高齢者・障がい者用設備として、多目的トイレおよび車いす昇降機を整備し、来館者のサービス向上に努める。

▼子どもの読書活動の推進 学校図書館サポートブックス事業で、「朝読・昼読ブックス」の内容を更新し、セット数を三セットから四セットに増やすほか、「理科読セット」「体力向上・スポーツブックス」「Hokkaido愛食・食育ブックス」「仕事ナビブックス」に加え、「北海道を知る本」を新設する。

 学校の長期休業期間中に合わせ、学校図書館担当者向けの講座を、道学校図書館協会と連携して実施し、学校司書や担当教職員の技能向上と学校図書館活動の支援に努める。

 「えほんコーナー」と「子どもの本コーナー」を整備し、利用の促進を図るとともに、「えほんコーナー」で、季節や時宜に応じたテーマによる資料展示を実施し、子ども向け資料の紹介や関係情報の発信に努める。

 図書館未設置町村の学校において、「読書活動充実事業(読書に親しむ体験事業)」を開催し、読書に対する興味・関心を高め、地域における読書活動の推進を図る。道教委主催、道立図書館主管の同事業では、図書館や書店から離れた地域の小中学校で、手書きPOPの作成やビブリオバトルなどの読書活動を児童生徒に体験させることで、本の内容を伝え合う手法を習得させる。年間十八地域、二十八・二十九年度の二ヵ年合わせて三十六地域で開催する。

▼北方資料サービス

 道などの公的機関が発行する資料については、電子媒体資料等も含め、道行政情報センターなど関係機関と連携しながら収集する。

 関係機関・団体と連携し、北方資料の多様性を生かした魅力的な企画展示を実施するとともに、移動展示の開催にも努める。

▼資料整備

 二十八年度重点テーマの「暮らしの支援」に関係する、子育て・教育、医療・健康、福祉など身近な課題の解決に役立つ資料の充実に努める。

 高齢者・障がい者サービスを推進するため、大活字本やDAISY図書(録音図書)を収集する。

 雑誌スポンサー制度導入に向けて準備を進めるなど、民間事業者などとの連携による資料の充実について検討する。

(道・道教委 2016-03-25付)

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