「チーム学校」実現へ業務改善推進 管理組織から企画組織へ 東神楽町教委が研究報告会(市町村 2017-02-21付)
30年度からの本格始動に向け方向性を話し合った
【旭川発】東神楽町教委は六日、町役場で「チーム学校」の実現に向けた業務改善等の推進事業研究報告会を開催した。兵庫教育大学の日渡円教授らが、モデル実践校の町立東聖小学校(古木勉三校長)の業務改善に向けた方策を提案。「管理組織から企画組織にする必要がある」と強調したほか、地域連携の分掌の創設を勧めた。また、そうした学校づくりに向け、「町内全小・中学校の事務を統括する支援室の設置を」と促した。
同事業は、文部科学省の委託事業。多様な専門スタッフによる体制「チーム学校」を整備し業務改善を図り、教職員が子どもと向き合う時間を確保するとともに、授業改善による教育水準の向上をねらいとしている。
調査研究を日渡教授や山口県周防大島町教委の平原俊一学校教育課長に依頼し、昨年十二月にモデル実践校の東聖小での業務の見直し、組織改革の案を協議。今回、これまでの研究成果や最終的な提案を紹介するため研究報告会を開催した。
同校教諭や町内小・中学校の管理職、事務職員など約三十人が出席し、学校現場の教職員の多忙化解消に向けた組織を検討していくことを確認した。
冒頭あいさつに立った水野和男教育長は次年度以降の見通しを示し、東神楽ならではの業務改善の方針をつくるなどして、「全道・全国のモデルを示していければ」と話した。
続いてあいさつに立った古木校長は日渡教授の提案を参考に、企画会議の設置や学年組織を中心とした「チーム学年」の体制整備を進めてきたことを紹介。「業務の見直しや地域連携の在り方などを見直し、町の求める学校の姿を追究していきたい」と述べた。
町教委教育推進課の神田昌作課長補佐が経過報告したあと、昨年十~十一月に同校教職員および同校の校区住民を対象に行ったアンケート調査について、平原課長が説明。
調査結果から、地域住民は学校や教職員を信頼している割合が教職員に比べて高いことや、地域住民の学校への期待度が高いことを示した。
次いで、日渡教授が同校の業務改善に向けた提案を紹介した。現在の学校課題、子どもの実態、地域の実情に即した学校組織とするため、「管理組織から企画組織にする必要がある」と強調。組織改革について、教科等・学年を中心とした「教え」を重視した組織への移行を求めたほか、地域連携の分掌の創設を勧めた。
また、そうした学校づくりに向け、「予算を学校で自由に使える全額配当、全額裁量を基本としたシステム構築が求められる」と補足。必要な人的配置と組織化のため、町内全小・中学校の事務を統括する支援室の設置を促した。
さらに、教育課程について言及。子どもや地域の実態に応じ、小中一貫教育を意識した編成を求めた。「その際、児童生徒の教育目標を、児童生徒が自分自身の目標値としてとらえることができるように、具体的な目標に変える必要がある」とアドバイスした。
町教委では、今回の提案をもとに、業務改善に最適な組織を検討する。次年度に活用を予定している文科省の「学校現場における業務改善加速事業」の取組と併せ、東神楽モデルを推進。三十年度から具体的な取組を進めていく。
(市町村 2017-02-21付)
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