たくましく生きる力育成　市立高の教育改革方針策定―札幌市教委

（市町村 2017-03-13付）

　札幌市教委は、二十九年度からの十年を見据えた札幌市立高校教育改革方針を策定した。基本理念のほか、五年間の具体的施策を示したもの。市立高校単位互換システムの構築や学級削減、市立高校コンシェルジュの配置などの施策を通じて、生涯をたくましく生きていく力を育成していく。

　同方針は、社会の状況が変化している中で、市立高校における今後の教育の在り方など、教育改革の方向性を示すもの。二十九年度から十年間程度の基本理念を示す「市立高校教育改革ビジョン」と、五年間で取り組む具体的施策を示した「市立高校教育改革実行プラン（第一期）」で構成されている。

　札幌市立高校教育改革ビジョンでは、目指す生徒像や市立高校の将来像を示しているほか、基本的方向性として、「生徒の個性や能力を伸ばす質の高い教育の充実」「社会に開かれた教育活動の推進」「学校の取組を支える仕組みの構築」の三点に沿って教育改革を行っていくこととしている。

　市立高校教育改革実行プランの今後五年間の計画としては、市立高校単位互換システムの構築に向けて準備を進めるなど、選択の幅の広い教育を提供していく。

　また、中学校卒業者数の減少が大きい三十二・三十三年度に札幌南部（中央・豊平・南エリア、白石・厚別・清田エリア）の地域の学校で合計四学級の削減を実施する。学級削減によって生じる施設の余剰等を活用して、少人数での授業の実施や特色ある教育の実践など、教育内容を充実していく。

　今後は地域や企業等との相互連携の推進などの取組を予定しており、新たな業務が生じてくることから市立高校コンシェルジュを二人配置する。活動時間は、月五回で一日五時間程度を想定。市立高校全校が取組の成果を発表する成果発表会の企画・運営を行うほか、学校外の人材活用のコーディネートなど、学校の要望に沿って教育活動を支援する。

(市町村 2017-03-13付)