釧路町の29年度教育行政執行方針―佐々木教育長が説明 「分かる授業」へ改善推進 全学年で食育指導を展開(市町村 2017-03-14付)
釧路町教委・佐々木喜代考教育長
【釧路発】釧路町教委の佐々木喜代孝教育長は、三月二日の町議会定例会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。自ら学ぶ意欲を育てるため、ICT機器の活用、言語活動の充実、「分かる授業」に向けた授業改善、家庭と連携した学習習慣の確立などを推進。栄養教諭を核にした全学年での食育指導、「ふるさと給食」の提供回数の拡大も行う。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼自ら学ぶ意欲を育てる教育の推進
▽確かな学力の向上を図る学習指導の充実
学力向上を図るための検証・改善の取組が一層充実するよう、四月の全国学力・学習状況調査と、十二月に実施する釧路町標準学力調査を併せ、学校全体や学年の課題を明確にし、年度の中で課題の解決を図り、新しい年度に向けた、実効性のある学校改善プランの作成に努めていく。
カリキュラム・マネジメントを組織的に進め、子どもが必要感や目的意識をもって学習に取り組み、学んだことを振り返ることができるような学習の展開、自分の考えを表現し、協働して学び合う学習活動など、学習指導の改善・充実に取り組んでいく。
さらに、ICT機器の一層の活用と併せ、言語活動の充実と効果的で「分かる授業」ができるよう授業改善を進めていく。
▽家庭と連携した生活習慣や学習習慣の確立
「ノーゲームデー」や「我が家の約束づくり」の取組を継続し、すべての学校で「生活リズムチェックシート」を活用するなど、学校・家庭が一体となった取組をより徹底し、充実した学習習慣を確立させていく。
▼豊かな心を育む教育の推進
▽道徳的実践力を育む道徳教育の充実
「道徳の時間」の授業公開や授業交流を積極的に行い、心をゆさぶる魅力的な教材や地域の人材を積極的に活用し、授業展開の工夫を通して、「道徳の時間」の指導を充実させていく。
また、あいさつ運動、ボランティア活動、自然体験活動など、意図的・計画的な教育活動の展開を通して、児童生徒の「道徳的実践力」の育成を目指していく。
▽子どもの人間関係力を育む生徒指導の充実
子どもたちが望ましい人間関係を形成できるようコミュニケーション能力や行動スキルを身に付け、子どものよりよい関係性を導く生徒指導の充実に努めていく。
引き続き、「いじめアンケート」や「Q―Uテスト」の活用を図りながら、子どもたちの状況を的確に把握するとともに、家庭や地域と一体となり「いじめ根絶一学校一運動」「いじめ・非行防止強調月間」「いじめ根絶子ども会議」などの取組を通して、「いじめは絶対に許されない行為」という認識を徹底し、互いに認め合い、思いやることができるよう人間関係力を育んでいく。
▽特色ある体験活動の推進
職業体験活動は、子どもたちが将来、社会人・職業人として自立する上で、大変重要な活動。働く体験を通して、子どもたちが望ましい勤労観や職業観を育むよう、「学校支援地域本部事業」の積極的な活用を図るとともに、町内各事業所の協力を得ながら、職業体験を支援していく。
▼健やかな体を育む健康・安全教育の推進
▽食育の推進と地場産物を活用した安全・安心な学校給食の提供
子どもたちに「食」に関する知識と「食」を選択する力や健全な食生活への実践力を身に付けさせるため、栄養教諭を核に、全学年での食育指導を推進していく。
学校給食においては、栄養バランスのとれたおいしい学校給食の提供に努めるだけでなく、鮭や昆布をはじめとする釧路町の地場産物を活用した「ふるさと給食」の提供回数を拡大し、地場産物への理解を深めるとともに、地産地消の取組を推進していく。
▽体力の向上を図る教育の推進
新体力テストを全学年で実施し、子どもたちの意欲を高めながら取り組んでいく。
また、テスト結果から体力の状況を把握し、改善が図られるよう学校体育の充実はもとより、行事においても「歩く・走る・跳ぶ・投げる」などの基本的な運動をバランスよく位置付けるほか、釧路町の冬の特色を生かした長ぐつアイスホッケーや、楽しみながら継続的に行う「一学校一運動」「どさん子元気アップチャレンジ」等を推進し、家庭との連携による運動習慣の確立に努めていく。
▼信頼される学校づくりの推進
▽学校力、教師力の向上
本年度も、富原小学校が中心となり、「学校力向上に関する総合実践事業」に取り組み、子どもたちの学力、体力の向上、望ましい生活習慣の形成、さらに教師力の向上を目指し、その成果を町内全校に波及させながら、包括的な学校改善を推進していく。
(市町村 2017-03-14付)
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