池田町の２９年度教育行政執行方針―加賀教育長が説明　校務支援システム検討　全小学校のトイレを洋式化

（市町村 2017-03-14付）

池田町教委・加賀学教育長

　【帯広発】池田町教委の加賀学教育長は一日、町議会第一回定例会議で二十九年度教育行政執行方針を説明した。障がいのある子や災害時の高齢者避難に配慮し、「池田小学校のエレベーター設置に向けた取組を進める」ことを表明。また、教職員の多忙化が指摘される中、子どもと向き合う時間の確保に向け、「校務支援システム構築の検討を進める」との考えを示した。教育環境の整備については、「トイレの洋式化をすべての小学校で実施する」と述べた。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育の充実

▽確かな学力の育成を目指す学校教育の充実

　全国学力・学習状況調査の結果を的確に分析した上で、授業や学習習慣の改善などに役立てるとともに、引き続き、臨時教員や学習支援員を配置し少人数指導や習熟度別指導を実施するなど、子どもたち一人ひとりに応じたきめ細かな指導体制による学力の向上を図る。

　また、授業を効果的・効率的に進めることができるよう、学習の準備、発表や話し合いの仕方など学校として必要な学習規律について、小・中学校が連携し、学校全体での共通理解のもと、教職員での設定・取組を進める。

　特別支援教育については、特別支援教育支援員を配置し、子どもの教育的ニーズに応じた指導や支援の充実を図る。

　また、教職員の多忙化が指摘されている中、子どもと向き合う時間の確保に向け、事務負担を軽減し子どもたちの育ちを教職員全体で見守り、きめ細かな指導の充実を目的とした校務支援システム構築の検討を進める。

　さらに、町内の教育環境の維持・充実に向け、今後、池田高校との連携を一層深めるとともに、町の特色を活かした高校におけるカリキュラムの設定を働きかける。

▽豊かな心と健やかな体の育成

　いじめについて、町のすべての子どもたちが、笑顔にあふれ希望に満ちた学校生活を送ることができるよう、引き続き、いじめ相談や様々な悩みについて相談できる教育相談員を配置するとともに、町いじめ防止基本方針に基づく組織体制の充実を図るほか、学級集団状況調査、いわゆるＱ―Ｕテストも活用し、いじめの未然防止、早期発見・早期対応の取組を徹底する。

　子どもたちの体力については、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を的確に分析するとともに、全国調査の対象学年以外の児童生徒においても新体力テストを実施するなど、体力・運動能力等の向上に向けた検証・改善サイクルに取り組む。

　フッ化物洗口については、むし歯予防手段として三小学校の希望者を対象に実施しているが、未実施児童の保護者にも理解を得ながら、より多くの児童が参加するよう周知を図る。

　昨年四月に新しい学校給食センターの運用が開始され、安全・安心な食材で栄養バランスのとれた給食が提供されている。

　今後とも、衛生管理等に十分配慮しながら、学校給食を通して子どもたちの健やかな成長を支援するとともに、子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることができるよう、栄養教諭が児童生徒に対し食に関する指導を行う食育の取組を推進する。

▽教育環境の整備

　近年の住居環境の向上等を考慮したトイレの洋式化をすべての小学校で実施するとともに、池田小のエレベーター設置に向けた取組を進める。

▽開かれた教育行政

　ホームページなどの広報媒体を効果的に活用し、子どもたちの頑張る姿や教育委員会の活動内容等を積極的に発信するとともに、様々な機会を捉え、地域の皆さんとの教育に関する情報の共有化を図る。

(市町村 2017-03-14付)