美唄市の29年度教育行政執行方針―星の教育長が説明 9年間見通した学習指導を CSは準備整った学校から導入(市町村 2017-03-14付)
美唄市教委・星野恒徳教育長
【岩見沢発】美唄市教委の星野恒徳教育長は、一日に開会した定例市議会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。幼小、小中、中高の連携を進め、義務教育九年間を見通した分析と検証、きめ細かな学習指導に取り組むことで、基礎・基本の着実な定着と主体的な学びにつながる授業づくりを進める。昨年から実施した美唄市地域一斉参観日を継続し、コミュニティ・スクール(CS)に関しては準備が整った学校から導入を進める。
教育行政執行方針の概要はつぎのとおり。
▼学校教育
学びの連続性を念頭に、幼小連携、小中連携、中高連携を進め、確かな学力の育成、豊かな心の育成、健やかな体の育成を図っていく。
確かな学力の育成については、基礎・基本の着実な定着を図るとともに、主体的・対話的で深い学びに結びつける授業づくりを進めていくことが重要となっている。そのため、「確かな学力育成プラン」への取組を通じて、義務教育九年間を見通した分析・検証を行い、きめ細かな学習指導に取り組んでいく。
また、ICTの効果的な活用や、習熟度別学習、補充学習等の推進を通して指導方法の工夫改善に努めるとともに、生活リズムの確立や家庭学習、読書習慣等の定着に向け、「家庭学習の手引き」による啓発活動等を進めていく。
さらに、外国語を通じて、言語や文化について体験的な理解を深めるため、外国語指導助手との連携によって、小学校の外国語活動および中学校の英語教育の充実に努めていく。
特色ある教育の推進については、教室での食育の取組と合わせ、子どもたちが農地に足を運び、体験的に農業や食の大切さなどを学ぶグリーン・ルネサンス推進事業を続けていく。複式学級がある小学校については、社会科や理科の授業の充実を図るため、学習支援員の配置を継続していく。
市内道立高校との連携については、高校による中学校への出前授業や中学校による高校施設の活用などを通し、中高の交流を進めるとともに、高校のキャリア教育などの教育活動に対する支援の拡充を図っていく。学校の適正配置については、一定の方向性の取りまとめを行い、これをもとに、合意形成に向け、保護者や地域の皆さんとの意見交換を進めていく。
教育活動全体を通して行う道徳教育をはじめ、発達段階に応じた社会奉仕や自然体験活動、読書活動等を通じて、ルールやマナーを身に付けるとともに、互いに尊重し合う気持ち、やさしさと思いやりの心を育てていく。道徳の時間については、小学校では三十年度、中学校では三十一年度から「特別の教科 道徳」として実施されることを踏まえ、「考え、議論する道徳」への質的転換を進めていく。
「心と心をつなぐ指導」については、教職員等を対象に、これまで四年間実施してきたカウンセリング研修をもとに、実践段階へと移る。不登校対策については、適応指導教室やスクールソーシャルワーカーの活用促進を図るとともに、生活リズムや学習習慣の定着に向けて、家庭との連携に努めていく。
健やかな体の育成については、自らの健康を育み、安全を確保するための基礎的な知識の習得とその実践が重要であることから、朝食の摂取や睡眠時間など、正しい生活習慣を身に付けるため、家庭と連携して、啓発と指導に努めていく。
特別支援教育については、個別の指導計画や個別の教育支援計画の作成と活用を通じて、障がいの状態や発達の段階に応じた適切な就学指導に努めていく。
美唄市特別支援教育連携協議会の機能の充実については、各学校の特別支援教育コーディネーターを対象とした研修を実施するとともに、一人ひとりの教育的ニーズに対応するため、専門家チームによる巡回相談に取り組んでいく。
信頼される学校づくりに向けては、昨年から、美唄市地域一斉参観日を実施し、学校での子どもたちの様子を多くの市民の皆さんが参観することによって、教育への関心と理解を深めていただく取組を始めたところ。二十九年度はこれを継続するとともに、地域の皆さんが学校運営に積極的に協力していただくしくみとして、コミュニティ・スクール制度について、準備が整った学校から導入を図っていく。
▼社会教育
「美唄市教育の日」の趣旨を踏まえ、地域の皆さんとのつながりを大切にして、青少年の健やかな成長を支えることができるよう、様々な体験機会の提供やダンス教室の開催、芸術文化活動の促進、優良青少年表彰などを実施するほか、青少年センターでは、街頭指導、有害環境の浄化、情報モラルの育成など、安全な地域づくりを進めるため、必要な指導と啓発を継続していく。
放課後児童施設については、中央小学校区において、定員を超える登録の申し出があることから、定員の見直しを図るなど、子どもたちが放課後に安心して過ごせる家庭に代わる生活の場として、また、成長の場として、各施設を運営していく。
(市町村 2017-03-14付)
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