札幌市教委の教員育成指標　資質向上の手がかりに　研修計画も作成

（市町村 2018-03-08付）

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　札幌市教委は、市における教員育成指標を策定した。教員一人ひとりの資質向上に向け、目指す姿を示したもの。指標は、「教員編」「管理職編」について、それぞれのステージごとと観点ごとの求める姿を定めている。また、三つの柱からなる求める教員像のほか、教員研修計画も作成。市教委では、自ら教職生活全体を俯瞰しつつ、職責や経験および適正に応じて、資質の向上を目指す手がかりをみつけるとともに、学び続ける教員として、教員育成指標などを活用し、主体的に研修に取り組んでいくことを求めている。

　国では、教育公務員特例法等の一部を改正する法律等を昨年四月一日に施行。公立の小学校等の校長および教員の任命権者が、文部科学大臣の定める教員の資質向上に関する指針を参酌し、地域の実情に応じて校長および教員の職責、経験および適性に応じて向上を図るべき資質に関する指標などを策定することとなった。

　市教委では本年度、大学やＰＴＡ、校長会などの教育関係者で構成する市教員育成協議会を設置。これまで市が求める教員像および教員育成指標、教員研修計画の策定に向けて話し合いを進めてきた。

　市における「求める教員像」については、これまで道教委と連携してアンケートを実施するなどして検討を進めてきたことから「教育者として、強い使命感・倫理観と、子どもへの深い教育的愛情を、常にもち続けている教員」「教育の専門家として、実践的指導力や専門性の向上に、主体的に取り組む教員」「学校づくりを担う一員として、地域等とも連携・協働しながら、課題解決に取り組む教員」の三つの柱を道教委と同一のものとした。一方、柱における身に付けたい資質・能力では、「教育者として前向きな気持ちをもっている」「子どもへの深い教育的愛情をもっている」などを独自に盛り込んだ。

◆教員編、管理職編まとめる

　教員育成指標は、「教員編」「管理職編」に分けてまとめた。キャリアステージと観点ごとに求める姿を示している。キャリアステージは、教員人生スタート時の「養成段階」、学級経営や教科指導など教職としての基礎を固める「基礎形成期」、専門性を高め、リーダーとしての資質を磨く「向上・充実期」、学校づくりの中心的な役割を果たし、組織的な運営力を高める「深化・牽引期」の四つに分類。また、「教員の素養」「学習指導」「生徒指導」「協働・マネジメント」の四観点を据え、観点ごとの項目について、教員の各ステージで求める姿を示した。

　管理職編では、「管理職候補の人材育成期」のほか、教頭に当たる「管理職の資質能力向上期Ⅰ」、園長や校長、副校長に当たる「管理職の資質能力向上期Ⅱ」の三ステージに分類。求める管理職像を「確かな教育理念と経営力を兼ね備えた管理職」とし、「教職の素養」「管理職としての使命感と見識」「学校組織マネジメント」の三観点を据えた。

　三観点のうち、「管理職としての使命感と見識」では、各ステージで教育への信念や理念、管理職としての使命感・責任感など四項目で求める姿を示している。

　また、教員研修計画を作成。「教員編」「管理職編」に分け、ステージや観点に応じた研修を示している。

　なお、幼稚園教諭・認定こども園保育教諭、養護教諭、栄養教諭については「教員編」を準用することとしているが、これらの職の特殊性を考慮し、それぞれの職に応じた指標については新年度以降に策定する。

(市町村 2018-03-08付)