家庭での学習習慣確立へ 30年度教育行政執行方針―釧路市教委(市町村 2018-03-08付)
釧路市教委・岡部義孝教育長
【釧路発】釧路市教委の岡部義孝教育長は、二月二十三日の第一回市議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。「生きる力を育む学校教育の推進」など三つの基本姿勢を提示。家庭での学習習慣を確立するため、新たな復習教材の導入と学習推進員の配置によるモデル校での効果を検証するほか、補充的な学習サポート体制を充実するなど確かな学力を確立していくことを示した。現在、九校で導入しているコミュニティ・スクールについては、新たに小学校二校、中学校一校において調査研究に取り組む。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼生きる力を育む学校教育の推進
▽確かな学力の確立
釧路市標準学力検査と連動した個別復習教材を引き続き活用し、基礎・基本的な学力の確保を図るとともに、小中合同での研修や教育課程の共有、学びの連続性や学習規律などの連携に取り組むことで、児童生徒の学ぶ意欲の改善や授業改善の視点を同一化するなど、小中連携の基盤づくりを進めていく。
さらに、家庭での学習習慣を確立させるため、新たな復習教材の導入と学習推進員の配置によるモデル校での効果を検証し、全市に波及し得る仕組みづくりに取り組む。
加えて、授業内容の理解に効果的なICT機器の導入を進めるとともに、学力の定着が図りづらい児童生徒への対応として、放課後や長期休業中の補充的な学習サポート体制などの充実を図っていく。
さらに、発達段階に応じたキャリア教育の充実に向け、小学生を対象とした職場体験イベント「くしろキッズ・タウン」などの取組や、中学生における職場体験活動の協力事業所拡大に努めるほか、企業の協力を仰ぎながら地域と連携し、将来、社会人・職業人として自立できるよう取り組んでいく。
▽豊かな心の育成
小学校における「特別の教科 道徳」の授業研究を充実させるとともに、保護者や地域への授業公開を通して、相互に連携した取組について共通理解を深めていく。
また、子どもたちに豊かな感性を育むため、劇団四季による「こころの劇場」の開催や、釧路市文化団体連絡協議会などの協力による優れた文化芸術や日本の伝統文化などにふれる機会の充実を図るとともに、子どもたちの読書活動を推進するための学校図書館図書の充足率向上やデジタル教材の配備などに加え、釧路市中央図書館との連携を強化していく。
「釧路市いじめ防止基本方針」に基づく、いじめの未然防止や根絶に向けたいじめに関する全校集会などの取組のほか、「いじめに関する実態調査」「Q―U」「アセス」などの調査によって、いじめの早期発見と早期解決に努めていく。
また、不登校の悩みを抱える児童生徒と家庭への支援については、包括的な支援を進めるため、福祉部やこども保健部などと連携・協働するとともに、市独自の先進的な取組である「ファースト・ステップ・プログラム」によって、基本的な生活習慣の改善を働きかけ、学校適応指導教室や「さわやか学級」「青空学級」への接続などによる不登校の解消に努めていく。
▽健やかな体の育成
今後とも、各学校における体力向上計画をもとにした取組の充実を支援するとともに、各家庭での運動習慣づくりを働きかけていく。健康教育の推進については、小学校全校でのフッ化物洗口の実施、外部講師などの活用による薬物乱用防止教室や思春期講座を開催していく。
また、自然災害や国民保護に関する情報に対し、子どもたちが状況を適切に判断し、迅速かつ安全に避難行動がとれるよう、家庭や地域と連携した避難訓練などを通して、災害に対する実践的態度を培う防災教育を推進していく。
▼育ちと学びを支える教育環境の充実
▽充実した学びを支える教育環境の整備
学校施設の整備を計画的に進めるとともに、阿寒湖温泉地区での義務教育学校の整備に当たっては、校舎建設に向けての地質調査、ならびに基本設計および実施設計のほか、開校準備協議会を設置し、校名などの協議を進めていく。
また、音別地区におけるスクールバスを更新する。
▽信頼に応える学校づくりの推進
現在、九校で導入しているコミュニティ・スクールをさらに進めることとし、新たに小学校二校、中学校一校において調査研究に取り組む。
また、国の地域学校協働本部事業の活用によって、各学校での学校支援ボランティアの活動を支援し、協働的な学校運営を進めていく。
▼新たな学びを創る生涯学習の推進
▽主体的な学びの推進
二月三日に待望のオープンを果たした中央図書館、文学館については、蔵書や資料の一層の充実に努めるとともに、ビジネス支援、利用者が求める情報・資料収集への手助けをする、いわゆるレファレンスサービスなど、各フロアの特徴を最大限に生かした市民の皆さんが気軽に利用できる図書館づくりを進めていく。
また、学校と連携してこれまで実施してきた学校ブックフェスティバルを大幅に拡充し、小・中学校十校で開催するなど、単に図書館運営にとどまらず、図書館を拠点とした館外支援活動にも積極的に取り組むことによって、子どもの読書活動を推進していく。
(市町村 2018-03-08付)
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