根室市31年度教育行政執行方針 3校に市費負担教員 学校教育指導参事を新設
(市町村 2019-03-12付)

根室市教委寺脇文康
根室市教委・寺脇文康教育長

 【根室発】根室市教委の寺脇文康教育長は、四日の市議会定例会で三十一年度教育行政執行方針を説明した。三十三年四月の市街地地区中学校三校の二校化に向け、当該三校に市費負担による教員を配置。学校教育における喫緊課題について学校現場との連携・調整を担うため、教育委員会事務局に学校教育指導参事を新設する。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼社会を生きる力の育成

 市確かな学力向上に関する取組方針に基づき、今後とも、全国学力・学習状況調査や標準学力検査いわゆるCRT等を活用しながら、学力や学習状況の把握・分析と指導方法の改善を連動させる検証改善サイクルの確立に向け、引き続き取り組んでいく。

 さらに、学力向上対策の全国的な先進地域に教員を派遣するとともに、当市に教員を招へいし模擬授業を行うことなどを通じ、教員の授業力の向上を図っていく。

 子どもたちの自ら学ぶ意欲の向上のため、「生活リズムチェックシート」の活用などによって家庭における学習習慣の定着化を目指し、学校・家庭・地域・行政が一層連携して学びの環境づくりに取り組んでいく。

▼豊かな人間性と健やかな体の育成

 ふるさとを理解し、その発展に貢献する意欲や態度の育成に向けて、北方領土返還要求運動原点の地として、一層北方領土学習を深め、未来に向けて考えていく態度を養うため、各学校において副読本や各種教材、資料コーナーなどの活用を図りながら、正しい歴史認識と主体的に考える気持ちを育んでいく。

▼特別支援教育の充実

 特別な支援を要する児童生徒の学習活動を支援し、教員の円滑な授業をサポートする特別支援教育支援員を必要に応じ一校にさらに一人を配置するなど、引き続き、各学校の状況を踏まえた配置に努めていく。

 また、指導・支援に携わる関係者の理解を深めるため、指導方法に関する研修会を開催するほか、市独自の「子育てファイル“りんくす・ねむろ”」について、全市的な普及を目指していく。

 さらに、児童生徒の将来の自立につながる専門的な教育を担う機関として、特別支援学校の分校・分教室の当市への誘致実現に向け、引き続き道教委と協議していく。

▼教育環境の整備・充実

 小中学校の適正配置については、現行の市立小中学校適正配置計画を改訂し、光洋中学校と啓雲中学校の平成三十三年四月統合を目指すこととし、今後、市街地地区中学校三校の二校化に向け、生徒指導の強化や教育課程・学習進度の整合性を図るため、当該三校に市費負担による教員を配置し、教育環境を整備していく。

 また、小中一貫・連携教育の推進のため、歯舞小中学校をモデル校として、小学校から中学校まで九年間の義務教育を一貫して行う義務教育学校の設置を目指すこととし、保護者や地域の理解を得ながら、その円滑な導入を図っていく。

 さらに、市の学校教育における喫緊課題について学校現場との連携・調整を担うため、教育委員会事務局に学校教育指導参事を新設し、各種取組の積極的な推進に努めていく。

 つぎに、学校におけるICTの利活用については、昨年策定した教育情報化推進計画に基づき、市内全小中学校のWi―Fi環境の整備を進めるとともに、先進的な実践事例の普及や教員の指導力向上などに一層取り組み、学校における情報化を推進していく。

 さらに、昨年策定した学校における働き方改革のための業務改善計画に基づき、週六十時間以上働く教員の数をゼロにすることを目標に教員の多忙化の解消を図り、持続可能な学校運営体制の整備を進めていく。

 つぎに、学校給食費については、現行の第三子目以降の無償化を継続するとともに、新たに第一子および第二子に対する支援策を実施し、食材の価格高騰などによる給食費への影響を抑制し、保護者の負担軽減に努めていく。

 現在の北斗・成央・光洋の三学校給食共同調理場を一ヵ所に集約するセンター化について、さらなる調査研究を進めていく。

(市町村 2019-03-12付)

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