上富良野町31年度教育行政執行方針 小1プロブレムに対応 新たに臨床心理士配置
(市町村 2019-03-12付)

上富良野町教委服部久和
上富良野町教委・服部久和教育長

 【旭川発】上富良野町教委の服部久和教育長は、六日の第一回定例町議会で三十一年度教育行政執行方針を説明した。認定こども園から小学校への円滑な接続と、小1プロブレムへの対応を図るため「スタートカリキュラム」を作成して実施することを示したほか、新たに臨床心理士を職員として配置し、児童生徒のカウンセリングや保護者の相談体制の充実を図ることなどを示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育の推進】

 認定こども園から小学校への円滑な接続と、小1プロブレムへの対応を図るため「スタートカリキュラム」を作成し、実施する。

 三十年度末には、上富良野町内すべての小中学校にコミュニティ・スクールを導入した。地域の様々な団体や住民会の皆さんが学校の教育活動にかかわり、子どもたちの成長や地域の教育力の向上が図られるよう、本年度も、コミュニティ・スクールのよさを生かした学校運営に努める。

 昨年十月に「学校における働き方改革 上富良野町業務改善計画」を策定した。教職員の超過勤務や中学校の部活動など、教職員の日常の業務を見直すとともに、「学校閉庁日」「定時退勤日」の設定・実施など、計画の着実な実践に取り組む。 

▼確かな学力の向上

 各学校では、全国学力・学習状況調査や様々な検査等の分析から「確かな学力の育成プラン」を作成し、学力向上の目標を設定するとともに、日常の学習における具体的方策を全校体制で進める。

 引き続き、上富良野小学校に学習支援員を配置し、就学後の児童への細やかな支援と学習規律の早期定着を図る。

▼豊かな心の育成

 農業学習や防災学習・職場体験学習など上富良野町の基幹産業を学ぶふるさと学習を充実し、学びの中に体験活動や地域人材を活用し、子どもたちの豊かな人間性や社会性を育む教育に努める。

▼たくましい体づくり

 正しい生活習慣と望ましい食生活を身に付けるために、栄養教諭を中心とした学校全体での食に関する指導の充実を図る。

▼児童生徒の指導等

 町においても、「いじめ」はいつでも起こり得るという認識を学校全体で共有し、教育相談や「いじめ」アンケート調査の計画的・複数回の実施など、前年度改訂した「上富良野町いじめ防止基本方針」を踏まえて取り組む。

 児童生徒のカウンセリングや保護者の相談体制の充実を図るべく、三十一年度新たに臨床心理士を職員として配置する。臨床心理士は、これまでのスクールカウンセラーとしての役割はもちろん、就学前から就学後の継続した発達支援など、町全体の子どもたちの心の健康と健やかな成長をサポートする。

▼特認校の取組

 東中小学校の特色ある学校づくり、複式教育による少人数指導の充実、地域と学校が一体となった教育活動を支援し、特認校として魅力ある学校づくりを進める。

▼特別支援教育

 インクルーシブ教育の視点を大切にしたきめ細やかな特別支援教育推進に向け、医療機関や福祉関係機関と連携した早期からの教育支援体制を充実するとともに、合理的配慮に基づいた基礎的環境の整備や保護者との合意形成を大切にした教育相談を充実し、児童生徒にとってより適正な教育環境の提供に努める。

 個別の指導や交流および共同学習の円滑な実施に向け、三十一年度も、上富良野小と上富良野西小、上富良野中に「特別支援教育指導助手」を引き続き配置する。

 上富良野小に設置している、言語通級指導教室(ことばの教室)については、教育委員会と設置学校の連携による効果的な運営を推進する。

▼教育環境の整備等

 上富良野西小の教育用パソコンおよび電話設備の更新、東中小学校の教育用パソコン更新を行う。

▼国際理解教育および外国語教育

 英語指導用教材整備、小学校外国語巡回指導教員の配置など、外国語学習の環境を整える。

▼上富良野高校の振興

 きめ細やかな学習指導や上富良野町の歴史・風土を学ぶ「十勝岳ジオパーク学習」などの特色ある教育、町内外への教育活動の情報発信や事業参加を積極的に進める。

 三十一年度も引き続き、通学費や就学支援金、入学準備金の助成のほか、介護職員初任研修をはじめとする各種資格取得や地域に根ざした活動を支援する。

(市町村 2019-03-12付)

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