３１年度避難所運営研修―札幌市　体験的な学び増やす　胆振東部地震の課題踏まえ

（市町村 2019-03-18付）

　札幌市は、三十一年度の避難所運営研修の内容を見直す予定だ。市立小・中学校で教職員、各区職員、地域住民が、避難所開設に関する初動対応、基本行動を確認するもの。北海道胆振東部地震における市の課題を踏まえ、参加者がより円滑に避難所を運営できるよう体験的に学べる取組を増やすほか、三者の意見交換の場を設けることなどを想定している。

　避難所運営研修は、基幹避難所となる市立小・中学校を会場に、毎年三十校で開催している。会場校の教職員および区の職員、地域住民の三者が対象。体育館や備蓄庫の施設確認や避難所運営ゲーム（＝ＨＵＧ）を行い、災害時の避難所開設の初動対応と基本行動を確認する。参加者の災害対応能力などの向上を図ることを目的としている。

　北海道胆振東部地震発生後、札幌市内各区で避難所が開設された際、受水槽の使用方法がすぐに分からないなどの課題が指摘されていた。

　このため、三十年九月六日以降に実施した研修では、受水槽や防災無線を円滑に使用できるよう、多くの参加者が実物を動かすことができるよう研修を拡充してきた。

　三十一年度は、さらに、実際に避難所運営で使用する、簡易トイレを参加者が組み立てるといった体験的な研修を増やす考え。

　また、区職員や教職員が避難場所へすぐに到着できない場合を想定し、参加者が学校を開ける手順などを、作業しながら確認することも検討する。

　このほか、研修を各区の職員、教職員、地域住民が集まる貴重な機会ととらえ、災害時の対応に関する意見交換の場を設けることなども想定している。

(市町村 2019-03-18付)