道議会質疑 予算特別委員会 (令和元年10月1日)
(道議会 2019-12-25付)

道議会質疑Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand

【質問者】

▼森成之委員(公明党)

【答弁者】

▼佐藤嘉大教育長

▼平野正明教育部長

▼土井寿彦学校教育監

▼池野敦総務政策局長兼幼児教育推進局長

▼小松智子学校教育局指導担当局長

▼宇田賢治学校教育局特別支援教育担当局長

▼岸本亮施設課長

▼相川芳久文化財・博物館課長

▼濱中昌志義務教育課域連携担当課長

▼谷垣朗特別支援教育課長

◆特別支援学校

Q森委員 八雲養護学校は、9月に決定した公立特別支援学校配置計画において、令和2年8月、八雲病院の機能移転に合わせ、道医療センターに併設して整備される校舎に移転することとされている。

 今回、どのような経緯で八雲養護を移転することになったのか伺う。

A谷垣課長 移転の経緯について。八雲養護は、国立療養所八雲病院に入院しながら治療を受ける子どもたちの修学の機会を確保するため、院内に設置されていた八雲小学校および八雲中学校の特別支援学級を昭和45年に道立移管し、開校したものであり、現在は、筋ジストロフィーや重症心身障がいのある子どもたち14人が治療を受けながら学んでいる。

 このたび、八雲病院を運営する国立病院機構では、一部の施設の老朽化が進んでいることや、専門医の確保が困難であることなどを理由に、2年に、同病院を札幌市内に設置されている道医療センターに移転することとした。

 この移転に伴い、現在、八雲養護に通う子どもたちの多くが転院することとなるため、引き続き、修学の機会を確保できるよう、同校を移転し、道医療センターに併設することとした。

Q森委員 八雲養護は、筋ジストロフィーなどの治療が必要な子どもたちが全道各地から入院しながら学ぶ学校であるが、そうした子どもたちにとって、校舎の移転に伴う教育環境の変化は、学習面や生活面など、様々な面で影響がある。そうした影響には、できる限りの配慮が必要と考える。

 道教委として、こうした環境の変化にどのように対応していくのか伺う。

A谷垣課長 環境の変化への対応について。八雲養護は、病院と合わせて、2年8月に移転を予定しているが、例えば、教員の配置などの指導体制については、移転前の体制を継続するよう配慮することとしている。

 また、八雲養護では、地域の小・中学校との共同学習など、特色のある取組を行っており、新設校においても、こうした取組を継続できるよう、本年度から、札幌市内の関係機関などとの調整を行うこととしているほか、円滑な移転に向け、校舎を共有することとなる山の手養護学校児童生徒との遠隔授業による交流なども実施しており、移転後においても、子どもたちが負担を感じることなく、安心して継続的に学習することができるよう、教育環境の整備に取り組んでいきたいと考えている。

Q森委員 近年、医療技術の進歩などを背景にして、たんの吸引やチューブで栄養補給する経管栄養などの医療的ケアを日常的に必要とする、いわゆる医療的ケア児が全国的に増加しており、道内の学校においても、多くの医療的ケア児が在籍していると承知している。

 先日、東京都において、人工呼吸器を使用する医療的ケア児が保護者の付き添いがなく学校生活を送れるようになったとの報道があったが、道立の特別支援学校では、以前から同様の取組が行われており、こうした取組は、より多くの子どもたちに教育機会を提供する観点からも評価できるものと考える。

 近年は、人工呼吸器の管理など、高度な医療的ケアを必要とする児童生徒が増加しており、一層の体制の充実が求められていると聞いている。こうした高度な医療的ケアの状況も含め、道立特別支援学校における医療的ケア児の在籍状況について伺う。

A谷垣課長 医療的ケアを必要とする児童生徒について。道立特別支援学校65校における、訪問教育による児童生徒を除く在籍状況は、平成27年度が21校に128人、28年度が19校に121人、29年度が20校に122人、30年度が22校に141人となっている。

 このうち、看護師でなければ実施できない人工呼吸器の管理や酸素療法などの高度な医療的ケアを必要とする児童生徒が在籍する学校は、27年度が15校、28年度が15校、29年度が16校、30年度が19校となっている。

Q森委員 学校は、医療機関と異なり、医師が常駐していない中で、担当する看護師が高度な専門性を求められる医療的ケアを実施しなければならない。こうした状況は、看護師にとって負担や不安が大きいのではないかと考える。

 このような学校における医療的ケアの特殊性を考慮すると、特に高度な医療的ケアを必要とする児童生徒が安全・安心な環境のもとで学校生活を送れるようにするためにも、看護師をはじめとする職員に対する支援体制の一層の充実が不可欠と考える。

 道教委として、どのように取り組んでいくのか伺う。

A宇田局長 医療的ケアへの対応について。道教委では、29年度から、文部科学省の指定を受け、医療的ケアに精通した医師による巡回相談や、看護師を対象とした研修会の実施など、高度な医療的ケアに対応した校内体制の充実に取り組んでいる。

 今後、こうした取組の成果なども踏まえ、新たに、高度な医療的ケアを実施する際の留意事項なども盛り込み、医療的ケアハンドブックを改訂し、各学校に周知するとともに、保健や医療、福祉などの関係職員で構成する特別支援学校における医療的ケア連絡協議会などを通じて、関係機関の連携による実施体制の充実を図るなど、医療的ケアを必要とする児童生徒が安全に安心して学ぶことができる環境の充実に努めていく。

Q森委員 障がいのある子どもたちが学ぶ特別支援学校において何よりも大切なのは、子どもたちが安全に学ぶことができる、保護者が安心して子どもたちを通わすことのできる環境を整えることだと考える。

 こうした観点から、道教委として、特別支援学校の教育環境の整備にどのように取り組んでいくのか伺う。

A佐藤教育長 特別支援学校の環境の整備について。障がいのある子どもたちが自立して豊かな生活を送るためには、そのもてる力を高め、学習上や生活上の困難を克服していくことができるよう、支援や指導の充実を図っていくことが必要と考えている。

 そのためには、適切な教育環境の整備は何よりも重要と考えており、本人や保護者のニーズに応じた専門性の高い教育を受けることのできる環境の整備、障がいの状況などに応じた望ましい修学環境の整備などに取り組んできている。

 道教委としては、今後とも、障がいのある子どもたち一人ひとりがその個性や能力を伸ばし、社会の中で活躍する可能性を広げることができるよう、子どもたちの教育的ニーズや保護者の思いなども丁寧に聞きながら、教育環境の充実に努めていく。

◆夜間中学について

Q森委員 夜間中学は、様々な理由で十分な教育を受けられないまま学齢期を経過した人のほか、外国籍の人の教育を受ける機会を保障する役割も期待されている。道外では、公立夜間中学に通う人の約8割が外国籍の人であると伺っている。

 本道においても、様々な国の多くの人たちが各地域で活躍しており、今後、少なからず公立夜間中学に関するニーズが高まるものと考える。

 道教委として、夜間中学を求める声をどのように受け止めているのか伺う。

A小松局長 夜間中学について。学齢期に様々な事情や病気などによって義務教育を十分に受けることのできなかった人たちなどに教育の機会を確保することは重要であり、夜間中学には、そうした機会を保障するなどの役割が期待されている。

 また、外国籍の人たちへの対応については、いわゆる教育機会確保法においても、年齢または国籍、その他の置かれている事情にかかわりなく教育の機会を確保することとされており、出入国管理法の改正に伴い、本道においても外国籍の人たちの増加が見込まれることから、他県の先進的な事例を収集してきている。道内の各地域のニーズや現状についても丁寧に把握していく必要があると考えている。

Q森委員 道教委はこれまで、夜間中学校等に関する協議会を設置して、自主夜間中学関係者や札幌市教委などとも連携し、本道における夜間中学の設置の在り方などについて検討してきていると承知している。

 札幌市は、公立夜間中学について、令和4年4月の開校を目指し、年度内を目途に、入学を希望する人を含め、夜間中学に関心のある人たちに対するアンケート調査を実施し、来年度には、公立夜間中学の設置にかかる基本計画を策定するとの意向を先日の札幌市議会で示した。

 このような市立の夜間中学の設置について、道教委の所見を伺う。

A濱中課長 札幌市における公立夜間中学の設置について。道教委では、札幌市教委に参画いただき、夜間中学等に関する協議会を設置し、自主夜間中学の関係者を対象としたアンケート調査や、公立夜間中学設置に当たっての課題や解決策について検討してきた。

 本年1月には、札幌市内に設置することを前提に協議を進めることとした。これまでの連携した取組も生かされ、4年度開校の意向が示されたものと考えている。

Q森委員 道教委は、札幌市が設置する公立夜間中学について、今後、札幌市とどのように連携を進めていくのか伺う。また、札幌市以外の各地域における夜間中学の設置に向けて、今後、どのように取り組んでいくのか伺う。

A土井学校教育監 今後の取組について。道教委としては、札幌市における公立夜間中学の円滑な設置に向け、協議会において、通学を希望する人たちの把握や望ましい学びの在り方について検討を行うなど、一層連携を強め、取り組んでいく考えである。

 また、すでに自主夜間中学が活動している自治体や外国籍の人たちの増加が進んでいる自治体における公立夜間中学の必要性などについての意見交換を行ってきており、本道における公立夜間中学の在り方や市町村との役割分担など、基本的な考え方について早急に取りまとめていく考えである。

◆道立美術館等

Q森委員 道教委が所管する美術館や博物館、図書館は、開館してから相当の年数が経過し老朽化が進み、修繕などが必要な個所も出てきているのではないかと考える。各施設が開館後、何年経過しているのか伺う。

A岸本課長 開館後の経過年数について。道教委では、美術館、博物館を8館、図書館を1館所管している。その中では、図書館が最も早く昭和41年に開館し53年が経過しており、次いで、近代美術館が昭和52年に開館し42年が経過、三岸好太郎美術館が36年、旭川美術館が37年、函館美術館が33年、帯広美術館が28年、北方民族博物館が28年、文学館が24年、釧路芸術館が20年、それぞれ経過している。

Q森委員 施設の老朽化が進み、施設の整備が必要な状況にあるのではないかと考える。これまで、どのような施設整備を行っているのか、また、今後、どのように整備を行っていくのか伺う。

A池野局長 美術館等の施設整備について。道教委では、平成19年に施設の点検、保守、修繕などに関する事項を定めた道教委建築物等保全規程を策定し、各施設管理者に今後の修繕の概要や所要額などを記載した施設整備計画書を作成させ、適時、修繕工事を行いながら、適切な保全と長期にわたる機能の維持に努めている。

 今後、道有施設の維持管理については、道が28年に策定した道ファシリティマネジメント推進方針に基づき、長寿命化を基本に改修等を進めていく必要があり、今後とも、安心・安全で、来館者が快適に利用できるよう、関係部署とも連携を図りながら、施設機能の維持整備に努めていく。

Q森委員 近代美術館をはじめとする道立美術館、芸術館は、美術作品を収集保管し、展覧会や教育普及事業を行う役割を担っている。収集した美術作品は、各館の収蔵庫に保管されている。

 各施設は、開館後、相当の年数が経過していることから、収蔵作品もかなりの数になっているものと考えるが、収蔵庫の狭あい化について、現状を伺う。

A相川課長 美術作品の収集保管の状況について。道立美術館等では、優れた魅力ある作品を広く道民に鑑賞していただけるよう、各館の地域性を生かした収集方針に基づき、絵画、彫刻などを購入しているほか、道民などからの寄贈によって収集を進めている。

 収集作品は増加し、例えば、近代美術館においては、開館当初は約1000点であったのが、平成30年度に約5300点となっているなど、全館を合計すると、20年度末の約7600点から、30年度末には約9000点と、ここ10年間で1500点増加しており、収蔵庫の狭あい化が進んでいる施設もある。

Q森委員 美術館などでは、展覧会での活用だけではなくて、公共施設として、安全性、機能性の確保のほか、館内外での休憩スペース等への活用など、有効活用が図られるべきと考える。

 どのように活用しているのか伺う。

A相川課長 施設の有効活用について。美術館等は、展覧会を楽しんでいただくだけではなく、ロビーや講堂などを会場としたコンサートを開催するなどして、来館者からも好評をいただいている。

 また、地域の文化施設を巡るツアーを企画したり、地元のイベントと連携した事業を行ったりするなど、立地環境や地域の特性を生かした取組を行っている。

 さらに、ホテルやレストランと連携したアートと食を楽しむイベントの実施、ボランティア団体の協力による喫茶コーナーやミュージアムショップの運営などにも取り組んでいる。

 今後も、こうした取組を通じ、誰もが、いつでも、気軽に美術館を訪れていただくことができるよう、来館者の利便性や満足度を高めるための環境づくりに努めていく。

Q森委員 知事は、先日の記者会見で、知事公邸の廃止と公邸周辺エリア全体の有効活用を図るための在り方について検討する必要があるとの考えを述べた。

 公邸周辺エリアには、近代美術館や三岸好太郎美術館も含まれる。

 今後、どのように対応するのか伺う。

A平野部長 近代美術館等について。これまでも、近代美術館と三岸好太郎美術館では、知事公館への収蔵品の貸し出しや、知事公館を含めた3館鑑賞ツアーを実施するなど、連携した取組を行ってきている。

 知事公邸や知事公館が所在する一連の区域は、市内中心部の緑豊かで広大な道民の憩いの場であり、知事部局でエリア全体の在り方について検討していくものと承知している。

 今後とも、道教委としては、知事部局と連携しながら、文化振興の拠点であるこれらの美術館がこれまで以上に魅力を高め、多くの人たちに利用していただけるよう取り組んでいく。

(道議会 2019-12-25付)

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