【令和２年を迎えて　教育研究団体に聞く】　日本生涯教育学会北海道支部　佐久間章支部長

（関係団体 2020-01-08付）

　謹んで新春のお慶びを申し上げます。また、日ごろより本支部の活動に対しまして、温かいご理解とご支援を賜り心より感謝申し上げます。

　さて、一昨年末に、中央教育審議会から「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について」が答申されました。この中では、社会教育を基盤とした「人づくり・つながりづくり・地域づくり」の重要性は地方行政全体を通じてますます大きくなっていると指摘しています。社会教育活動は、誰が、何のために行うのか。社会教育は、人々の役に立っているのか。社会教育は本当に必要なのか。この問いに対する答えのキーワードが「人がつながる」ということではないかと考えます。

　そこで、昨年の研究集会では、前年度のテーマを継承し、「今こそ社会教育の本質論＝～“人がつながる”ことの意味を考える」として開催いたしました。道内外から多くの方に参加していただき、中教審生涯学習分科会臨時委員による特別講演をはじめ、つながりによって地域の活性化を目指す実践の発表など、「人がつながること」について社会教育の視点から大いに議論を行いました。

　北海道の自治体の多くは、山積する地域課題に苦慮しているのが現状ではないでしょうか。これからの時代、地域課題を解決するのは、行政ではなく、住民が主体的に課題を発見し、共有し、解決していくことが求められます。そこで必要となるのが「つながりづくり」ではないかと思います。教育にできることは、直接、課題を解決することではなく、住民が課題に対峙する力をつけること、そして、自らの力で解決を図っていくことではないでしょうか。

　本支部は、本年も学びを通して地域課題の解決を図る社会教育・生涯学習の推進に、全力で取り組んでまいりたいと思います。皆様のご指導ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

▼新年の事業計画

▽第３８回北海道生涯学習研究集会（１０～１１月予定）

▼事務局＝札幌国際大学

(関係団体 2020-01-08付)