札幌市が第２回総合教育会議　オリパラ教育など協議　オリンピアン・阿部氏講演

（市町村 2020-02-18付）

秋元市長ら８人が活発に意見を交わした

　札幌市は１４日、札幌ガーデンパレスで令和元年度第２回総合教育会議を開いた。オリンピアンで札幌オリンピックミュージアムの阿部雅司名誉館長が講演。また、秋元克広市長や町田隆敏副市長、市教委の長谷川雅英教育長、阿部夕子委員、石井知子委員、道尻豊委員、佐藤淳委員、阿部名誉館長の８人が、子どもの健やかな体の育成やオリンピック・パラリンピック教育等の取組について協議した。

　阿部名誉館長が「金メダルへの道のり～人との出会いに感謝」と題して講話。

　ノルディック複合選手となった過程にふれ、社会に出てからの経験として地道に練習を続けた結果、オリンピックに出場したことを紹介。１度目のオリンピックでメダルを逃した悔しさをバネに２度目のオリンピックに挑戦し、キャプテンとしてチームをまとめたものの、団体戦のメンバーから外れた経験を明かした。

　「後輩のことを思い、頑張れと声をかけた」と話し、選手のスキー板を磨くなど裏方に徹した結果、団体で金メダルを獲得したことを紹介した。

　スキーで学んだ大切なこととして、「失敗を恐れずチャレンジする、相手の立場になって物事を考える、目標や夢を口に出して言う」などと説明。「今の夢は２０３０年冬季オリンピック・パラリンピックの札幌開催。招致を現実にするためにも声に出していく」と話した。

　講演後、「子どもの“健やかな体”の育成やオリンピック・パラリンピック教育等の取組について」を議題に意見交換。

　秋元市長は「健康寿命の延伸こそ最大の目標」と強調し、「子どものころから運動習慣を身に付けることが非常に重要」と述べた。

　また、東京オリンピック・パラリンピックにおいてサッカー１次リーグ、マラソン・競歩が札幌市内で開催されることにふれ、「大変貴重な機会。子どもたちが目の前でプロの競技を目にすることで日ごろの運動習慣の向上につながれば」と期待した。

　長谷川教育長は、平成３０年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果について、全国、市ともに低い状況にあることにふれ、「これからもスポーツ局と連携して様々な取組を実施していきたい」との考えを示した。

　阿部名誉館長は「子どものころに様々な運動を経験させることが重要。本年度から将来のオリンピック選手育成を目指した事業の監修を行っていく予定」と述べた。

　阿部委員は「運動能力など、子どもの可能性を広げていくのは身近な大人の影響力も大きい。自分たちが行動することで子どもたちも運動習慣を身に付けていくのではないか」と話すなど、活発に意見を交わした。

(市町村 2020-02-18付)