児童生徒に郷土愛を 全小・中で「市民学」 帯広市教委(市町村 2020-02-18付)
【帯広発】帯広市教委は新年度から、ふるさと教育の一つとして「おびひろ市民学」を市内全小・中学校で実施する。小・中学校9年間を見通したカリキュラム編成によって、シチズンシップ教育を推進。令和3年度からは学びの集大成として、中学3年生が市長へ施策提案などを行うことを目標とする。市教委は取組を通して、社会に貢献するための職業選択の意識や、地元に帰って働こうと思う郷土愛を育むことをねらっている。
急激な社会の変化や地域総ぐるみによる子どもの育成、市内小・中学生の地域への関心の低さなどを背景に、帯広・十勝について地域の大人とともに学び、これからの社会や地域づくりに貢献できる子どもを育てることを目的とする。
おびひろ市民学は、小学1年生から中学3年生までの9年間を見通した単元計画を編成。小学1・2年生は生活科、3年生以上は総合的な学習の時間を利用して推進する。
小学1~4年生までは「地域を知る」をテーマに、必須単元として「給食に使われている帯広・十勝の食材を知る」「帯広・十勝でつくられている食材を知る」「地場産物と生産者の思い」などを学習。市が推進するフードバレーとかちの魅力を、食育教育を通じて理解を深める。
選択単元では、各学校の実施内容と合わせて「地域の環境について知る」「アイヌの人たちの文化を知る」などを学習する。
小学5年~中学1年までは「地域と関わり・考える」を主題に、必須単元では「地場産物から望ましい食習慣を考える」「持続可能な社会のためにできること」などについて学び、地域課題の発見や将来に責任をもつ態度を養う。
このほか、主権者意識を高める選挙出前授業や、保護者が参加して主体的に地域とかかわる親子防災教室などを展開する。
中学2~3年生は「地域・自分の未来を創る」をテーマに、SDGs(持続可能な開発目標)を取り入れた授業、市手話言語条例の理念を反映した手話出前講座、市政に関する理解を深める財政出前授業、職業人が講話する未来創造授業などによって、帯広市民としての意識を高め、学習のゴールとして市長へ政策提案を行う。
また、市民と対話を深める授業や、コミュニティ・スクール(CS)を土台とした協働・相互関心を高める取組によって、生徒たちの職業観や帯広で活躍する挑戦心を形成する。
市教委は、新年度までに指導案やワークシートなどの教材をまとめた『おび学コンテンツ』を各小・中学校に配布し、全面実施に備える。また、新年度中に授業で黒板に掲示する「おび学プレート」と、ワークシートをまとめて9年間の学びを蓄積する『おび学ファイル』を配布する予定。
(市町村 2020-02-18付)
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