札幌市策定の文化財保存計画　道内および政令市で初　文化庁長官から認定

（市町村 2020-02-17付）

　国の文化審議会（佐藤信会長）は１４日、札幌市が策定した札幌市文化財保存活用地域計画などの認定について、文化庁長官に答申した。同日付で文化庁長官から計画の認定を受けた。市の文化財保存活用地域計画の認定は道内および政令指定都市として初めて。

　国は、地域における文化財の計画的な保存・活用の促進や、地方文化財保護行政の推進力の強化を図るため、文化財保護法の一部を改正。昨年４月１日付で施行された。

　市町村は、都道府県の文化財の保存・活用に関する総合的な施策の大綱を勘案し、文化財の保存・活用に関する総合的な計画を作成し、国の認定を申請できることとなった。

　認定を受けることで、国の登録文化財とすべき物件を提案できるなど、未指定文化財の確実な継承の推進などが可能となった。

　市の文化財保存活用地域計画は道内および政令指定都市初の認定。このほか、大阪府河内長野市と兵庫県神河町が認定を受けた。

　同計画の期間は令和２年度から６年度までの５年間。文化財保存と活用の目指す姿を「文化財の価値を多くの市民が共有し、大切に次の世代へ引き継いでいく、歴史文化の魅力あふれる都市」としたほか、基本方針に「文化財の価値や魅力を掘り起こし、広める」「社会全体で文化財を大切に使いながら、次の世代へ伝える」の２点を掲げている。

　また、目指す姿の実現に向けて、①調査・把握の課題に対する取組②共有・発信の課題に対する取組③保存・伝承の課題に対する取組④活用の課題に対する取組⑤連携・協働の課題に対する取組―の５点を提示。

　うち、②では、札幌の文化財の価値や魅力が広く共有されるよう、学校教育では、総合的な学習の時間などを利用した地域の文化財や歴史文化を学ぶ機会の提供などを挙げている。

(市町村 2020-02-17付)