札幌市教委　２年度教育方針説明会　リスク管理の重要性強調　長谷川教育長　チーム学校で取組

（市町村 2020-02-20付）

長谷川雅英教育長

　札幌市教委は１９日、札幌サンプラザで令和２年度教育方針説明会を開いた。市立学校などの校長・園長などが出席。長谷川雅英教育長が２年度の教育方針を説明。体力の向上や働き方改革の取組、リスク管理の重要性を強調するとともに、教職員がより子どもと向き合う時間の確保や関係機関とのネットワークづくりなど、チーム学校として取組を進めていくことを求めた。

　はじめに、長谷川教育長があいさつ。元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査で市の結果が全国平均を下回ったことなどから、体力の向上を喫緊の課題とした。

　また、スポーツ庁の報告書で、前田小学校の運動に親しめる取組が取り上げられていたことにふれ「他の園や学校においても、前田小のように様々な取組を進めていると思う。休み時間や放課後など、授業以外の場面でも日常的に運動に取り組めるような環境を整えていかなければならない」と呼びかけた。

　ことしはオリンピック・パラリンピックが札幌市内でも行われることから、開催の機運を生かしながら、各学校の創造性あふれる健やかな体育成プログラムを策定し、取組を進めていくことを求めた。

　働き方改革については、学校休校日や部活動の外部人材の活用など、これまでの取組にふれた上で、長時間勤務の意識改革の重要性を強調。小・中学校、高校各１校での民間コンサルタントの調査から、仕事の工夫改善の余地があることを示し、「常に“なぜ”ということを念頭に仕事を進めてほしい」と呼びかけたほか、無駄がないか現状を疑うこと、簡単なことをおろそかにせず、もう一歩踏み込んだ実践に取り組むことなどを求めた。

　本年度も子どもたちが巻き込まれる事件や事故などが絶えなかったことから、より一層のリスク管理・危機管理の重要性を強調。情報の収集や関係機関とのコミュニケーション、総合的・ふかん的な判断のほか、リスク対応の遅れが事態を悪化させる恐れがあることから、何をなすべきか、常にリスク発生時をイメージすることを求めた。

　最後に、学校が抱える課題が今後ますます多様化・複雑化すると指摘し、教職員の負担を軽減して子どもと向き合う時間の確保や教育の質を担保するほか、家庭・地域、関係機関とのネットワークづくりなども含めチーム学校の在り方・真価が問われていることを強調。「たくさんの子どもたちの笑顔があふれるよう、園長先生・校長先生と一緒に頑張っていきたい」と話した。

(市町村 2020-02-20付)