札幌市２年度学校教育の重点　中学校区基本に体制構築　全小・中一貫教育に向け

（市町村 2020-03-05付）

　札幌市教委は令和２年度札幌市学校教育の重点をまとめた。４年度から全市立小・中学校での小中一貫した教育の実施に向け、中学校区を基本単位としたパートナー校について、持続可能な推進体制の構築や、「課題探究的な学習」「発達の段階に応じた継続的な子ども理解」の２つの柱を中心とした９年間の系統性・連続性のある小中一貫した教育に取り組むことなどを記載。市で進めているＳＤＧｓ（持続可能な開発目標）の取組が推進できるよう、雪・環境・読書と関連させて取り組むことなど、学校におけるＳＤＧｓの取組について追記したほか、民族教育の推進に向けてことし４月オープン予定の民族共生象徴空間（ウポポイ）の活用なども盛り込んだ。市教委は、全市立園・学校の教職員一人ひとりのほか、私立幼稚園など、教育にかかわる関係機関に冊子を配布。学校全体が一丸となった取組を求めている。

　札幌市学校教育の重点は、幼児児童生徒の発達の段階を踏まえ、学校経営や教育課程の編成および実施、生徒指導などに生かすため、特に重点となる施策や教育内容を示したもの。毎年、全教職員に冊子を配布しており、重点を踏まえ、教職員が一丸となって創意工夫を凝らした特色ある教育課程の編成・実施および学校運営などに取り組むことを期待している。

　令和２年度版では、重点に「知・徳・体の調和のとれた育ち」「札幌らしい特色ある学校教育」「子どもの発達への支援」「信頼される学校の創造」「教科等の枠組を越えた教育」の５点を設定した。

　知・徳・体の調和のとれた育ちでは、学ぶ力の育成について指導方法の充実・改善のＰＤＣＡサイクルが視覚的に理解できるよう図を掲載。豊かな心の育成では、「特別の教科　道徳」の内容などについて解説している。

　また、オリンピック・パラリンピック教育については、札幌市の歴史と伝統を踏まえ、「札幌らしい“オリンピック・パラリンピック”教育の推進」として整理。副教材などを活用してふるさと札幌を心にもつ学びを充実させることのほか、関連施設や人材を活用した体験的な学習の活用について記載している。

　札幌らしい特色ある学校教育では、より一層の充実を図るための重点項目として「幼・小・中・高のつながりを意識する視点」「発信」の２点を提示。市で進めているＳＤＧｓの取組が推進できるよう、雪・環境・読書と関連させて取り組むことなど、学校におけるＳＤＧｓの取組を追記した。

　子どもの発達への支援では、特別支援教育や不登校支援、帰国・外国人児童生徒等に対する教育の充実について提示。不登校児童生徒や障がいのある児童生徒および日本語指導が必要な外国人児童生徒等についての支援計画を一つにまとめる場合は、『サポートファイルさっぽろ』を基本形式とするほか、必要に応じて書式を一部変更することなどを示している。

　信頼される学校の創造では、校種間連携においてこれまでの小中連携した教育から小中一貫した教育へと取組を推進することを強調。４年度から全市立小・中学校での小中一貫した教育の実施に向け、中学校区を基本単位としたパートナー校について、持続可能な推進体制の構築や、「課題探究的な学習」「発達の段階に応じた継続的な子ども理解」の２つの柱を中心とした９年間の系統性・連続性のある小中一貫した教育に取り組むことなどを記している。

　教科等の枠組を越えた教育では、進路探究学習や人間尊重の教育、国際理解教育、情報教育について提示。人間尊重の教育では、民族教育の推進に向けてことし４月オープン予定の民族共生象徴空間（ウポポイ）の活用などを盛り込んでいる。

(市町村 2020-03-05付)