紋別市２年度市政執行方針　全小・中に遠隔システム　学校司書　大規模校常駐へ

（市町村 2020-03-06付）

紋別市・宮川良一市長

　【網走発】紋別市の宮川良一市長は、２月２８日の市議会第１回定例会で市政執行方針を説明した。教育関係施策では、全小・中学校に遠隔システムを導入し、「ＧＩＧＡスクール構想への今後の対応も念頭に置きながら、質の高い授業を行うことのできる学習環境を整備していく」との考えを示した。また、学校司書を増員し、大規模校への常駐化を図ることなどによって、各学校における読書活動を促進する。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼義務教育

　市教育課程検討プロジェクトチームがまとめた『市教育課程編成の手引き』を踏まえながら、総合教育会議を活用し、市と学校間の連携強化や情報共有の促進を図るとともに、教員の指導力向上に向けた研修体制の充実などに努めていく。

　また、高い専門性や指導力が求められる外国語授業に対応するため、外国語指導助手を１人増員するほか、全小・中学校にＩＣＴを活用した遠隔システムを導入するなど、国の進めるＧＩＧＡスクール構想への今後の対応も念頭に置きながら、質の高い授業ができる学習環境を整備する。

　一方、不登校やいじめ、児童虐待などの課題に適切に対応するため、教育と福祉の両面から、児童生徒や保護者、教員の抱える様々な課題への働きかけや支援を行うスクールソーシャルワーカーを新たに配置するほか、スクールカウンセラーの定期的な相談体制を小学校まで広げるなど、教育相談体制充実に努める。

　このほか、老朽化が著しい机や椅子をはじめ、金管バンドや吹奏楽部の楽器更新など、施設や設備の改善に取り組むほか、部活動遠征費に対する支援については、保護者負担の軽減によって、遠征機会の確保が図られるよう、補助制度を拡充していく。

▼特別支援教育

　昨年９月、西紋こども発達支援センター「すてっぷ」を開設し、施設環境を大幅に改善した。今後は、新たな施設機能を生かし、支援内容の質的向上を図ることが重要となる。

　引き続き、大学や専門機関から療育アドバイザーを継続的に招へいし、センター職員の知識や技能の向上を図るとともに、作業療法士等の専門職の配置に努めるほか、市内小・中学校や特別支援学校、保育所・認定こども園、保健センターなど関係機関との連携や情報共有を強め、西紋地域の療育支援体制のさらなる充実に向けて積極的に取り組む。

▼高校教育

　紋別高校への支援については、引き続き、学力向上支援、部活動支援、生活支援に取り組んでいく。特に、生活支援では、市外からの通学生の負担軽減に向けて、昨年建設に着手した学生寮が５月末に開設予定であり、今後の入学者の増加に弾みを付ける。

　また、部活動支援では、吹奏楽部の楽器更新支援や野球部・サッカー部への外部指導者の派遣を継続するほか、今後の支援の在り方や新たな手法などについて、高校との連携・協議をさらに深めていきたい。

▼生涯学習

　図書館については、子どもたちの読書活動の促進と読解力の向上などを目的に、市内小・中学校への司書の巡回派遣を行っているほか、学校図書館システムの導入や図書の充実などに計画的に取り組んできた。これらの取組によって、読書活動の習慣化や学習面における効果もみられることから、本年度、司書を増員し、学校司書としての大規模校への常駐化を図るなど、各学校における読書活動のさらなる促進に向けて取組を強化していく。

(市町村 2020-03-06付)