士別市２年度教育行政執行方針　事務局に指導主事配置　校長経験者がアドバイザー

（市町村 2020-03-06付）

士別市教委・中峰寿彰教育長

　【旭川発】士別市教委の中峰寿彰教育長は、２月２０日開会の令和２年市議会第１回定例会で２年度教育行政執行方針を説明した。新たに指導主事を事務局に配置するとともに、校長経験者をアドバイザーとして学校教育と社会教育それぞれに配置し、教育委員会の体制強化を図っていく考えを示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

　授業力の向上を図るため、教職員研修の精選と充実をはじめ、複数の教員がチーム体制で取り組む授業改善や習熟度別の少人数指導の推進などに努めるほか、外部資源の活用についても検討を進める。

　また、全国すべての小・中学校を対象に、校内ＬＡＮを整備し、児童生徒１人１台端末の配備を基本とする文部科学省のＧＩＧＡスクール構想を踏まえ、計画的な整備を進める。

　小学校社会科における自動車産業を学ぶ単元にかかわっては、４年生のトヨタ自動車士別試験場の見学、５年生のダイハツ工業によるものづくり体験教室を引き続き実施していただく予定である。

　特別支援教育については、細やかな支援の充実に努めるとともに、支援員が児童生徒と向き合う時間を拡大し、チーム学校の一員として一層活躍できるよう、勤務時間の変更を含めた体制の強化を図る。

　いじめや不登校などに対しては、昨年度改定した本市のいじめ防止基本方針に基づき、学校・家庭・教育委員会・関係機関等の連携のもと、初期段階からの状況把握と適切な対応に努める。また、適応指導教室「ウィズ」については、引き続き所属学校との連携を図りながら、今後を見据えた体制の在り方について検討を進める。

　平成２０年以来据え置いてきた学校給食費については、食材費の高騰や昨年度改訂された文部科学省の学校給食摂取基準に対応するため、４月から約１０％引き上げ改定する。

　子どもたちの体力・運動能力や教員の指導力を向上するため、オリンピック銀メダリストである高平慎士氏を講師としたスポーツ能力向上事業や小学校における体育専科教員の取組を継続実施する。併せて、オリンピズムやパラリンピズムを学ぶ機会づくりに努める。

　中学校部活動については、生徒や教員の減少の中でも、希望する活動の機会を最大限に確保し、質の高い活動を実現するため、部活動支援員や部活動指導員の拡充を図るとともに、本年度から開始した拠点校方式による部活動の検証と有意性の向上を図る。

　高校教育にかかわっては、教職員の相互乗り入れをはじめとする小中連携の取組を一段階レベルアップした小・中・高連携を上士別小学校・上士別中学校との間で試行的に展開する。

　東高校におけるコミュニティ・スクールの導入を進める。一方、士別翔雲高校についても、地域や圏域の様々な主体の理解・協力も得ながら、この地方にとって不可欠な高校であることの理解拡大と間口の維持や魅力を高める取組への連携に努める。

▼社会教育

　子どもたちの生活習慣と学習習慣の改善に向けては、教職員や士別翔雲高校生などの協力も得て、小学生を対象とした長期休業中のチャレンジ寺子屋を引き続き実施するほか、通学合宿型のチャレンジスクールについても、一部内容の見直しのもとに継続する。

▼スポーツの振興

　昨年締結したＪＯＣとのパートナー都市協定も踏まえ、オリンピック・パラリンピック・ムーブメントの一層の推進に努める。

▼教育・学習環境の整備

　学校における働き方改革については、本市の働き方改革推進プランに基づき、校務支援システムの導入や客観的な勤務時間の把握などのほか、支援員や相談員などの市費スタッフを含むチーム学校としての体制強化に向けて、校長会などと連携し取組を進める。

　教育委員会の体制強化を図るため、新年度においては、新たに学校現場の実態をより的確に把握・理解している指導主事を事務局に配置するとともに、校長経験のある人材をアドバイザーとして学校教育と社会教育それぞれに配置し、行政職員との確たる連携のもとに、教育行政の推進を図る。

(市町村 2020-03-06付)