釧路市2年度教育行政方針 中学校で放課後サポート 小・中6校CS導入へ調査(市町村 2020-03-16付)
釧路市教委・岡部義孝教育長
【釧路発】釧路市教委の岡部義孝教育長は令和2年度教育行政方針で、放課後学習サポートを新たに中学校で実施するなど、中学校に力点を置いた施策を進める考えを示した。秋田県大館市の取組を調査研究するとともに、授業改善への反映を目指して中学校向けの研修会を開催する。このほか、新たに小学校5校、中学校1校でコミュニティ・スクールを導入するための調査研究にも取り組む。
方針の概要はつぎのとおり。
▼生きる力を育む学校教育の推進
義務教育9年間を通した学力の確実な定着を図るべく、とりわけ中学校に力点を置いた施策を講じる必要がある。
市標準学力検査をベースに中学校卒業までの学力の変化を時系列に把握し、各学校において必要な時期に必要な手立てを実現させる計画を作成する。全国トップクラスの秋田県大館市の取組を調査するとともに、授業改善に反映させるための研修会を中学校を対象に開く。
道教育大学の学生の協力による放課後学習サービスを新たに中学校で実施する。学習習慣にかかる課題等を協議する小中連携研修会を継続して開催する。
タブレット端末の効果的な活用事例を発信するとともに、SNSの適切な活用に重点を置いた情報モラル教育を推進する。
ALT(外国語指導助手)を1人増員するほか、道教委の英検IBAを活用するなどして、子どもたちの英語力向上に努める。
キャリア教育では、釧路青年会議所との連携協定に基づく取組を継続する。職場体験活動の協力事業所の拡大を図り、中学生を対象に職業講話を実施する。
特別支援教育では、個別の教育支援計画を効果的に活用する方法をまとめた指導資料を作成するほか、拠点校の中央小学校に引き続き看護師を配置する。
公立夜間中学については、実情把握に取り組み、さらに検討を深める。
道徳科の授業を質の高いものとするため、教員の指導力向上、子どもたちが地域の文化にふれる機会の充実を図る。
学校と中央図書館の連携によって、学校ブックフェスティバル等を推進し、子どもたちが本と出会えるよう努める。
いじめ予防・対応については、定期的なアンケート、教育相談を行うほか、くしろのこども大集合を開くなどし、子どもたちの主体的な活動の充実につなげる。
不登校に関して、相談体制の充実、適切な支援策の構築のほか、適応指導教室、不登校学級における学習、活動を通し支援する。
運動習慣の確立に向け、運動実践事業の内容充実を図る。学校給食センターは年度内の事業着手を目指す。性教育やがん教育などの保健指導を充実させるとともに、全小学校でフッ化物洗口を実施する。
自然災害を想定した避難訓練を地域と合同で行うなど、子どもたちが避難行動を取れるように実践的な態度を養う防災教育を推進する。
▼育ちと学びを支える教育環境の充実
小・中学校の適正規模を含めた学校の在り方について検討するとともに、施設長寿命化計画を策定する。
3年4月の開校を目指す阿寒湖義務教育学校について、施設整備、教育課程編成などを加速させる。
入学準備金は、入学前支給を継続する。男女平等を推進する教育の一環として、男女混合名簿の作成に取り組む。
社会に開かれた教育課程実現に向けて、特色ある教育活動や教育方針等を1枚の図にまとめた学校グランドデザインを配布し、ホームページで発信する。
コミュニティ・スクールについては、導入済みの小中9校に加え、新たに小学校5校、中学校1校での導入に向けた調査研究に取り組む。
釧路北陽高校については、4年度からの普通科単位制への移行に向けた検討を進めるとともに、2年度から見学旅行の訪問先を台湾とする。
教職員の資質・能力向上については、国語科や数学科の授業力向上や、学習集団づくりに重点を置いた中学校教員対象の研修を充実させる。
教職員の働き方改革では、小学校高学年で専科指導を担務する加配教員の配置を積極的に取り入れる。部活動指導員導入に向けたリスト作成や、ストレスチェックなどを行う。
幼・保・認定こども園と小学校の間で元年度に導入したチェックシートの活用による引き継ぎを継続する。
通学路の安全点検、登下校時の見守り活動、小学校における安全マップづくりなどを通し、交通安全・防犯教育を推進する。
保護者、地域住民と意見交換する教育懇談会を開催するとともに、望ましい生活・学習習慣の確立に向け、市すくすくメールを各家庭に配信する。
▼新たな学びを創る生涯学習の推進
中央図書館では、読書活動サポートセット活用事業などに取り組むほか、郷土学習講座などを開催する。小学校でアイヌ文化の教育機会を提供するなど、アイヌ文化普及活動を充実させる。10月には道スポーツ推進委員研究協議会が17年ぶりに本市で開かれることから、先進的な実践活動や研究成果の発表を通して、指導者の資質向上を図る。
(市町村 2020-03-16付)
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