道議会質疑 一般質問(令和元年11月29日)
(道議会 2020-03-16付)

【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】

【質問者】

▼新沼透議員(北海道結志会)

【答弁者】

▼鈴木直道知事

▼黒田敏之総合政策部長

▼築地原康志環境生活部長

▼松浦豊総合政策部地域振興監

道教委

▼佐藤嘉大教育長

◆若者の道内定着について

Q新沼議員 道は、第2期道創生総合戦略の目指す姿として、「全国を上回るスピードで進行する人口減少は、道政の直面する最大のピンチである。2040年に460万人から450万人の人口を維持するとの長期展望に立って、この総合戦略が目指す姿を設定する」としている。

 道はこれまでも、人口減少対策の一つとして、高校生や大学生などを対象に、若者の道内定着にかかる各般の施策を講じてきていると承知しているが、現状は、札幌圏に人口が集まる一方、若者を中心に、札幌から本州、特に東京圏へと流れる傾向は一向に是正される兆しはない。

 国は、地域に就職して定着し、かつ、地域の中核企業を担うリーダー的人材を確保するため、特別交付税措置による支援を伴う地方創生・奨学金返還支援制度を平成27年度に創設している。

 この制度については、事業効果の検証が難しいなど、課題があることは確かだが、独自の返済支援制度を設けているところを含め、すでに32府県が取組を進めている。

 この制度を活用するためには、地方版総合戦略に位置付けることが必要とされており、道でも第2期道創生総合戦略にしっかりと位置付け、道政が直面する最大のピンチである人口減少対策に施策を総動員して取り組むべきと考えるが、所見を伺う。

A松浦地域振興監 道創生総合戦略に関し、若者の道内定着に向けた取組について。道では、奨学金返還支援等に関して、庁内において検討会議を設置し、他府県の先行事例や経済団体から意見を伺うなどして、検討してきている。

 その中で、札幌圏への人口集中の懸念や、企業の就業環境改善等の取組を優先すべきといった意見がある。

 また、実施している県においては、申請者数が伸び悩んでいるなど、本道における返還支援の導入には様々な課題がある。

 現在、国において効果検証等を進めており、道としては、まずは、地域の職場体験の実施等に加え、本年度から開始した道外の大学の就職担当者に道内企業を紹介する説明会など、道内の各地域での若者の地方定着に向けて、市町村などと連携しながら各般の施策を展開していく考えである。

Q新沼議員 若者の道内定着について、国の地方創生・奨学金返還支援制度の活用について伺ったが、この制度には様々な課題があることを理由に、道としては導入しない旨の答えであった。

 道は、これまでも各般の施策を講じてきているが、それでも道内から若者の流出が止まらない。支援制度を活用しないならば、それに代わる鈴木知事らしい新たな施策を来年度予算で打ち出すべきと考えるが、見解を伺う。

A鈴木知事 若者の道内定着に向けた取組について。道では、今般示した第2期総合戦略の素案において、仕事づくりを大きな柱として掲げており、食や観光など、北海道が有する資源を磨き、仕事や稼ぐ力を創出し、力強い本道経済を築くとともに、地域の仕事への若者の理解が深まるよう、学生を対象としたものづくり企業における工場見学会や、現場で働く社員による出前授業、道外の大学の就職担当者に道内企業を紹介する説明会など、市町村や民間企業などとも連携しながら、各般の施策を展開し、若者の道内定着を図っていく考えである。

◆道総合教育大綱について

Q新沼議員 知事は、令和元年9月の議会で道総合教育大綱を見直すと述べ、現在、道総合教育会議で協議が進めていると承知している。

 首長と教育委員会で構成される総合教育会議は、平成27年4月以降、すべての地方公共団体に設置が義務付けられたもので、教育、学術および文化の振興に関する総合的な施策の大綱の策定など、3項目が法律で協議・調整事項として定められている。

 大綱については、必要があれば見直すこともあり得ると考えるが、知事は、深刻化するいじめや不登校、児童虐待など、新たなニーズにスピード感をもって対応することが必要とした上で、子どもたちに将来の夢に向かってチャレンジしてほしいという思いを込め、北海道の未来をけん引する人づくりに取り組むと、見直し理由を述べている。

 現在の教育大綱は、前大綱を見直して29年に策定され、30年4月から施行されたばかりである。総合教育大綱の期間は法律で定められてはいないが、一般的に4年から5年と言われており、今、なぜ大綱を見直さなければならないのか理解できない。教育は国家百年の計と言われ、むやみに方向性に手を付けるべきではない。

 何を目的に、また、現大綱では、思いのどこが実現できないと考え、見直すのか、所見を伺う。

 現大綱は、その役割として、道総合計画における教育、学術、文化等に関する部分を基本として策定したものであり、教育委員会では、この大綱を踏まえ、道教育推進計画を策定するものとしている。大綱を見直すのであれば、上位計画である道総合計画の見直しも必要と考えるが、見解を伺う。

 また、教育委員会で策定している道教育推進計画についても見直しが必要と考えるが、教育長の見解を併せて伺う。

 法律で、地方公共団体の長には、大綱の策定や見直しの権限が付与されているが、その際は、総合教育会議と協議しなければならないことになっている。協議が調わなかった場合、見直しを断念する用意があるのか伺う。

A鈴木知事 総合教育大綱について。深刻化するいじめや不登校、児童虐待、学校における働き方改革や外国人の増加に伴う多文化共生社会の実現、さらには、北海道胆振東部地震をはじめ、頻発する大規模災害を踏まえた防災教育の必要性など、昨今、子どもたちや教育を取り巻く環境が大きく変化するとともに、新たなニーズも発生している。

 私としては、これらの環境変化などにスピード感をもって的確に対応することが必要との考えから、このたび大綱の見直しを行うこととした。大綱に掲げた基本理念や施策の基本方針について、道民と思いを共有しながら、北海道の未来を担う人づくりに全力で取り組んでいく。

 総合教育会議について。このたびの大綱の見直しに当たっては、10月に開催した総合教育会議において骨子案を示しており、教育委員からは、教員の確保や児童虐待への対応、大規模災害の経験を踏まえた防災教育など、これからの教育施策の方向性について、新たな観点からの意見もいただいた。

 今後においても、総合教育会議はもとより、市町村や関係団体、道民などから幅広く意見を伺うとともに、道議会における議論もいただきながら、教育大綱の策定を進めていく。

A黒田部長 総合教育大綱に関し、総合計画とのかかわりについて。道総合計画については、計画の推進管理の観点から、現在、中期的な点検評価を進めており、計画策定後の経済社会情勢の変化やこれまでの取組実績などを踏まえ、本年度内に、計画推進に向けた課題や今後の方向性を取りまとめることとしている。

 総合教育大綱は、道政の分野ごとの具体的な政策を推進する特定分野別計画として、総合計画が示す基本的な方向性に沿って策定しており、このたびの見直しに当たっても、総合計画の点検評価と十分整合性を図りながら検討を進め、実効性ある政策展開に取り組んでいく。

A佐藤教育長 道教育推進計画について。教育推進計画は、教育基本法に基づく教育振興のための基本計画であり、道政全般に関する政策展開の基本方向を示している道総合計画における特定分野別計画として位置付けられ、現行の計画期間は、平成30年度から令和4年度までの5年間と定めている。

 道教委としては、このたび改定予定の総合教育大綱に示される内容や現行推進計画の点検評価を十分踏まえながら、児童虐待や防災教育などといった今日的な課題について迅速かつ的確に対応していく考えである。

Q新沼議員 総合教育大綱に関し、文部科学省は、地方公共団体の教育、学術および文化の振興に関する総合的な施策について、その目標や施策の根本となる方針を定めるものであり、詳細な施策について策定することを求めているものではないこと、対象期間については、国の教育振興基本計画が5年であることに鑑み、4年から5年程度を想定していると定義し、各都道府県知事や教育委員会などに通知している。また、現大綱では、各種計画の見直し時期などにおいて環境が大きく変化した場合には、必要に応じ改定することを視野に入れていると明記している。

 知事は、深刻化する不登校や児童虐待などを例に、子どもたちや教育を取り巻く環境が大きく変化し、新たなニーズも発生しているとして、スピード感をもって的確に対応することが必要との考えから、大綱の見直しを行うという答えがあった。しかし、こうした事象はこの1年間で生じたものではなく、現大綱でも十分踏まえて策定されているものと考える。

 また、総合教育大綱とともに、道総合計画における教育に関する特定分野別計画として位置付けられている教育推進計画について、教育長は、見直す考えがない旨、答えている。

 大綱に関する文科省の考え方や、現・道総合教育大綱での見直しに関する記述、教育推進計画との整合性の観点から、見直しが必要だとする根拠について、再度、知事の答弁を求める。

A鈴木知事 総合教育大綱について。私としては、深刻化するいじめや不登校、児童虐待、さらに、頻発する大規模災害を踏まえた防災教育の必要性など、子どもたちや教育を取り巻く社会情勢の変化などにスピード感をもってしっかりと対応するため、大綱の見直しが必要と考えた。

 道教委が毎年度実施している教育推進計画の点検評価は、今後、新たな大綱も踏まえて行われるものと考えており、引き続き、道教委と十分連携を図りながら、教育施策の推進に取り組んでいく。

O新沼議員 道総合教育大綱について、文科省の通知や現大綱における見直しに関する記述などから根拠を挙げて、見直しの必要性について再度質問したが、答弁は本質問と全く同じ内容だった。説得力のある答弁をしていただけないということは、この大綱の見直しがいかに必要のないものかを表しているものと受け止める。

◆ギャンブル等依存症対策

Q新沼議員 道は、ギャンブル等依存症対策基本法に基づき、本道における総合的なギャンブル等依存症対策の推進を図るため、推進会議を設置し、これまで6回の会議を開催している。

 直近の第6回推進会議には、年度内に策定を目指している道ギャンブル等対策推進計画の素案たたき台が示され、骨子案の段階でふれられていなかったIRについて言及し、出席者からは、道内誘致への懸念を背景に、厳しい対策を求める声が相次いだと報じられている。

 道は、推進会議での意見を、先日の保健福祉委員会に報告した素案にどのように反映させたのか伺う。

A鈴木知事 ギャンブル等依存症対策について。推進計画の検討を行ってきた推進会議では、素案のたたき台について、委員から、1次予防となる発症予防が大切で、青少年への予防対策の充実や、ギャンブルへのアクセス規制の必要性などの意見をいただき、道の素案では、青少年にも分かりやすい依存症に関する知識の普及の徹底や、学校教育等における指導の充実、不適切な誘因の防止などの発症予防などに、国や市町村、関係機関と連携し、取り組むこととしている。

◆東京五輪札幌開催

Q新沼議員 わが会派は、東京2020オリンピック競技大会におけるマラソンおよび競歩を札幌市で開催することになった経緯や道の役割などについて、決算特別委員会で聞いた。コースや日程など、解決しなければならない多くの課題があることが浮き彫りにされた。

 札幌市との協力のもと、道の総力を挙げて、何としても競技の成功を期さねばならない。札幌開催に伴う効果を一過性に終わらせない取組が必要と考える。

 今回の札幌開催を本道の観光やスポーツ振興にどう生かそうとしているのか、所見を伺う。

A鈴木知事 マラソン、競歩の札幌開催について。マラソン、競歩の札幌開催によって、札幌のまち並みを疾走するアスリートの姿は、幅広い世代の人たちに勇気や感動を与え、道民の記憶の中に思い出の一つとして残っていくことを期待している。

 道としては、札幌開催を本道のスポーツ振興の好機ととらえ、市町村での事前合宿誘致を積極的に行い、地域でのスポーツの普及発展につなげるとともに、道内全体で観戦、応援する機運醸成やボランティアの確保などを進め、スポーツへの参画人口の拡大に努めていく。

 また、世界中から大きな注目が集まるこのチャンスを最大限に生かせるよう、美しいまち並みはもとより、食や自然、文化など、本道がもつ魅力を世界に向けて情報発信するなどして、地域振興や観光振興につなげていく考えである。

◆青少年の健全育成

Q新沼議員 2年度から6年度までを計画期間とする第2次道青少年健全育成基本計画の素案が議会に提示された。素案では、青少年を取り巻く状況として、インターネットの利用に起因するトラブル、犯罪、引きこもりや子どもの貧困など、新たな問題も生まれてきているとした上で、第2次計画は、社会情勢の変化等を踏まえつつ、5年間を計画期間として策定するとある。

 IRについて、知事は、今回の区域認定は見送るとしているが、道が実施したグループインタビューや地域説明会のIRに関するアンケート調査等の結果では、青少年育成への影響を不安視する声が多数あった。

 カジノがあろうがなかろうが、身近にパチンコや競馬などのギャンブルがあふれている。

 青少年健全育成条例第2条では、青少年の健全育成は、発達段階に応じた必要な配慮をもって、社会全体で行わなければならないと基本理念をうたっているが、計画素案には、ギャンブルに対する何の記述もない。

 ギャンブルが青少年に与える影響をどのように考え、青少年が現在も将来もギャンブル依存症に陥ることのないよう、第2次青少年健全育成基本計画にはしっかりとギャンブル対策を位置付けるべきと考えるが、所見を伺う。

A築地原部長 青少年の健全育成について。競馬などの公営競技やパチンコなどは、多くの人が娯楽として楽しむ一方で、ギャンブルなどにのめり込むことによって、日常生活や社会生活に深刻な影響を及ぼすことが懸念されることから、青少年が将来的に依存に陥らないよう予防していくことが必要と考えている。

 このため、国が平成30年制定したギャンブル等依存症対策基本法の趣旨も踏まえ、第2次青少年健全育成基本計画の策定に当たっては、ギャンブル等依存症に関する正しい知識の普及啓発や学校教育における指導の充実など、青少年に対する取組を計画に位置付けていく。

◆小学校プログラミング教育

Q新沼議員 2020年4月から、小学校におけるプログラミング教育がスタートする。

 文科省は、ねらいを、プログラミング的思考を育むこと、プログラムの動きやよさ、情報社会がコンピューター等の情報技術によって支えられていることなどに気付くことができるようにするとともに、コンピューター等を上手に活用して、身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりしようとする態度を育むこと、各教科等の内容を指導する中で実施する場合には、各教科等での学びを確実なものにすることとしている。

 Society5・0時代の実現のためにも、わが国の国際競争力を高めるためにも、子どものころからIT活用力を育成することは重要なことと考える。

 道教委は、本年度からプログラミング教育事業を実施し、研究実践校による調査研究や授業実践をもとに、全道のプログラミング教育の充実を図る取組などを進めているが、学校現場において不安はないのか、また、ICT環境や教える教員の育成など、ハード・ソフト面での準備がどの程度進んでいるのか伺う。

A佐藤教育長 プログラミング教育について。道教委では、来年度から始まる小学校におけるプログラミング教育の円滑な導入に向けて、先進的な取組を行っている小学校20校を研究実践校に指定し、その成果を公開授業や教員研修の実施によって全道に普及するとともに、教育課程の編成や外部講師の確保等の相談窓口を設けるなど、きめ細かな対応に努めている。

 一方、道内の小学校のICT環境は、無線LAN環境等の整備状況において、市町村間で大きな差がみられるものの、インターネットへの接続は9割を超え、学習者用コンピューターはすべての学校で整備されている。

 今後、ICT環境の整備に向けた国の施策や財政支援の在り方等をいち早く情報提供し、引き続き、市町村や学校のプログラミング教育導入にかかる取組を支援していく。

(道議会 2020-03-16付)

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