道議会質疑 代表質問(令和元年11月29日)
(道議会 2020-03-06付)

【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】

【質問者】

▼内田尊之議員(自民党・道民会議)

▼須田靖子議員(民主・道民連合)

【答弁者】

▼鈴木直道知事

▼佐藤嘉大教育長

▼山岸直人警察本部長

◆道総合教育大綱について

Q内田議員 知事は、道総合教育大綱の見直しを行い、北海道の将来をけん引する人づくりに取り組む考えを先の定例会で示すとともに、道総合教育会議には新たな大綱の骨子案を示し、道教委と議論を始めていると聞いている。

 素案によれば、道内では、全世帯に占めるひとり親世帯の割合や児童生徒の就学援助率が全国を大きく上回っている状況が紹介されている。道子どもの貧困対策推進計画においても、子どもの将来が生まれ育った環境に左右されることなく、世代を超えて貧困が連鎖することのないよう、必要な環境整備などに取り組んでいく方針を示している。

 また、雇用環境が厳しい時期に就職活動を余儀なくされ、不本意ながら不安定な仕事についている、いわゆる就職氷河期世代と言われる人たちに、実践的な再教育の機会を提供することも重要な課題となっている。

 少子・高齢化や人口減少が避けられない中で、最も大切にしなければならない北海道の財産は人材である。道民一人ひとりの人材力を高めることが北海道の成長戦略という観点からも重要な課題になっている。

 知事は、つぎの教育大綱にどのような政策方針を新たに盛り込む考えなのか伺う。

A鈴木知事 総合教育大綱について。本道が将来にわたって持続的に発展していくためには、直面する人口減少や高齢化に加え、グローバル化や情報化の進展など、社会情勢の変化に適応し、困難な課題にも果敢に挑戦する人材を育んでいくことが重要である。

 私としては、道民一人ひとりが新しい時代を生き抜くための力を身に付け、生まれ育った地域や環境に左右されず、生涯を通じて学び続けることができる環境をつくりたいと考えており、このたびの大綱素案では、夢や希望へのチャレンジを応援する北海道づくりを基本理念として掲げながら、教育や人づくりの基本的な方針を示した。

 今後、道民の意見や道議会での議論も踏まえながら、北海道の人づくりの目標となる教育大綱を策定していく。

◆東京五輪マラソン等

Q内田議員 東京オリンピックのマラソン、競歩が札幌で開催されることが決定した。世界のトップアスリートが札幌に集い、マラソンや競歩の熱い戦いが繰り広げられ、その姿が大通公園や時計台、札幌の街並みとともに全世界に報道されることは、北海道、札幌をアピールできる絶好の機会である。道として、限られた時間の中で競技の運営主体である組織委員会と協力し、競技の成功に万全を期す必要があり、そのためには、札幌市はもとより、競技団体、関係機関との緊密な連携が欠かせない。特に、組織委員会とともに、マラソン、競歩の開催準備を進め、運営などのノウハウを蓄積してきた東京都との協力関係を札幌市とともに築いていくことが重要である。

 道は、マラソン、競歩の開催に向けてどのように取り組んでいくのか、所見を伺う。

A鈴木知事 マラソンと競歩競技の札幌開催について。現在、組織委員会では、コースや日程を最優先事項として検討を進めており、今後、極めて短い準備期間の中で、円滑かつ安全に競技を実施していくためには、札幌市などと連携して、組織委員会に協力していくことが必要と考えている。

 また、世界中から注目され、多くの人たちが訪れるこのチャンスを最大限に生かし、様々な波及効果を本道の活性化に結び付けるため、庁内に競技開催支援本部を設置するとともに、競技実施への支援、協力のほか、来道者へのおもてなしや機運醸成、本道の魅力発信などの取組を積極的に進めていくための体制についても、速やかに整備していく考えである。

 道としては、札幌市はもとより、道内の競技団体や市町村など関係者との緊密な連携のもと、道民の協力もいただきながら、組織委員会や国、東京都などとワンチームとなって、大会の成功に向けて、全力で取り組んでいく。

Q内田議員 警備体制についても万全の準備を進めていく必要がある。広範囲に及ぶ競技コースなどを考えると、他府県警の応援なども仰ぐ必要がある。競技会場の警備体制の構築に向けてどのように準備を進めていくのか伺う。

A山岸警察本部長 マラソン、競歩等の警備体制の構築について。オリンピック競技大会は、国際的に最も注目を集めるスポーツイベントであり、その成功に向けて、テロの未然防止をはじめとする警備諸対策に万全を期す必要がある。

 このため、道警では、平成30年4月、警察本部にオリンピック競技大会等の警備を担当する総合警備対策室を設置したが、マラソン、競歩の札幌開催の決定を受けて、令和元年12月に体制を強化することとした。

 今後、マラソンや競歩のコースが決定されるなど、開催計画が具体化されるのに合わせて、警戒警備や交通対策に要する体制の検討を進めていくこととしている。

 道警としては、札幌市におけるマラソン、競歩等の安全かつ円滑な開催を実現するため、道、札幌市、組織委員会等、関係機関と緊密に連携しつつ、必要な諸対策に万全を期していく。

◆ICT環境の整備について

Q内田議員 来年度、小学校から順次実施される新学習指導要領では、情報活用能力の育成とともに、学校でのICT環境の整備や、ICTを活用した学習活動の充実を図ることとされており、これに伴って、多くの教科書がネットワークアクセスや学習用デジタル教材に対応したものとなることが見込まれ、各教室では、パソコンやタブレット等のコンピューター端末、電子黒板、プロジェクター等の大型提示装置など、ICT機器を活用して授業が行われることになる。

 しかし、先の決算特別委員会でわが会派の同僚議員から、公立学校のICT環境の整備状況について伺ったところ、小・中学校では、整備が進んでいる市町村と進んでいない市町村との格差が大きく、教育の機会均等という点で問題があること、また、道立高校では、無線LAN環境や大型提示装置の整備率が全国平均に比べ、大きく水をあけられていることなどが明らかになっている。このことは、広域分散型の地理的特性から、交通インフラや課外における学習環境などの面でハンディを負っている本道の子どもたちにとって大きな問題であり、早急なICT環境の整備や、ICTの効果的な活用に向けた取組などを進める必要がある。

 道教委は、教育環境の充実に向けて、今後、ICT環境の整備などにどのように取り組んでいく考えなのか伺う。

A佐藤教育長 ICT環境の整備について。令和元年6月、国は学校教育の情報化の推進に関する法律を制定し、この法律に基づき、現在、文部科学省で学校教育の情報化推進にかかわる基本的な方針や、講ずべき施策などを定める計画を策定している。

 道教委としては、この国の計画に基づいて進められる施策や財政支援の在り方等を道内の各市町村にいち早く情報提供し、特に取組が遅れている市町村に計画的な整備を促すとともに、小学校から順次実施される情報活用能力の育成を重視する新学習指導要領を踏まえ、全国に比べて遅れている道立高校の無線LAN環境等の整備を検討するなど、Society5・0時代の到来を見据えた、本道における公立学校のICT環境整備と、これらを効果的に活用した新時代の学びの実現に向けて、しっかりと取り組んでいく。

O内田議員 本道では、地理的特性から、教育施設についても広域分散型とならざるを得ず、交通インフラや課外における学習環境などの面でハンディを負っている本道の子どもたちにとって、学校におけるICT環境の整備状況が、ハンディを克服する上で重要であることから、学校教育におけるICT環境の整備や効果的な活用などについて道教委に伺ったところ、国が進める施策や財政支援の在り方を市町村に情報提供し、計画的な整備を促すことや、遅れている道立高校の無線LAN環境等の整備を検討するとの答弁であった。

 国は、全国の小・中学校に高速・大容量通信を整備した上で、子どもたちに1人1台のパソコンかタブレット端末を令和5年度までに無償で配備する方針を固めたと報じられている。

 端末機器はもとより、大型提示装置や無線LAN環境など、ICTを効果的に活用できる環境の整備を総合的に推進する必要がある。国の制度も積極的に活用し、学校教育における情報通信技術環境の整備に、道教委は主体性をもって取り組むよう求めておく。

◆職員の飲酒運転根絶

Q内田議員 道は、平成26年に、海水浴場帰りの若い女性3人が飲酒運転事故に巻き込まれ、亡くなるという痛ましい事件が発生したことを契機とし、二度とこうした悲惨な事故を繰り返さないよう、翌年に飲酒運転根絶条例を制定し、取組を強化してきた。

 しかし、その後も、飲酒運転による検挙者数などをみると、根絶にはほど遠く、抜本的な対策の強化が求められる状況にある。

 本来、飲酒運転の根絶の先頭に立ち、道民に模範を示さなければならない道警職員や道職員が酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕される事案が相次いで発生した。道警や道などの職員による飲酒運転事案は、これにとどまらず、条例制定からこれまでの間に、同様の事案が繰り返し発生している。

 道警や道、道教委は、こうした事案が発生するたびに職員に対する訓示を行うなど、再発防止に努めていると聞いているが、こうした事態が繰り返し起きるのは、個々の職員の資質や意識に問題があるばかりではなく、それぞれの組織文化や慣習の中に、職員の飲酒運転を根絶させられない要因が隠されている可能性がある。

 このたびの事案を契機として、それぞれの組織文化や職員の生活習慣等にも踏み込んだ徹底的な要因分析と、その結果に基づく効果的な対策を実施する必要があると考える。こうした取組がなければ、道民の信頼を取り戻すことができず、条例が定める飲酒運転の根絶など、実現困難と言わざるを得ない。

 一連の飲酒運転事案について、どのような認識をもっており、どのように対応していくのか、見解を伺う。

A鈴木知事 飲酒運転の根絶について。飲酒運転の根絶に関する条例に基づき、関係機関や道民と全道一丸となって取り組んでいる中、道民の先頭に立って取り組むべき道職員が検挙されたことは、誠に遺憾であり、道民の皆さんに心からおわび申し上げる。

 このたびの事案の発生を受け、直ちに、すべての所属において、管理職員が直接、職員一人ひとりに対し、平成30年4月策定の職員の飲酒運転根絶に向けた「決意と行動」を徹底するなどの注意喚起をあらためて行った。

 道としては、個々の事案について、飲酒運転に至った背景や動機のほか、生活習慣との関連性などについても確認しており、これらの分析を踏まえた上で、職場研修など、あらゆる機会をとらえて、きめ細かく、注意、指導を繰り返し行い、すべての職員の意識をさらに高めるなど、飲酒運転根絶に向けた取組を徹底していく。

A佐藤教育長 飲酒運転の根絶について。教職員による飲酒運転が本年度も発生している。学校教育に対する保護者や地域の信頼を損なうもので、道民の皆さんに深くおわび申し上げる。

 道教委としては、飲酒運転の防止に向けた緊急取組として、令和元年11月初めに、管理職員から教職員一人ひとりへ個別指導を行っているが、二日酔い状態での運転が多く発生していること、独身者、単身赴任者によるものが多いことなど、個々の事案について、飲酒運転に至った背景や要因などを確認している。

 その結果も踏まえ、今後とも、より具体的な内容で、職場研修などあらゆる機会をとらえ、規範意識の確立を図り、飲酒運転の根絶に向けた取組を徹底していく。

A山岸警察本部長 飲酒運転根絶について。官民を挙げて飲酒運転根絶に取り組んでいる中、取り締まる立場にある警察職員が飲酒運転で逮捕されたことは、道民の皆さんの信頼を著しく損なう深刻な事態と認識しており、深くおわび申し上げる。

 過去5年間の道警職員による飲酒運転事案をみると、20歳代の若手職員によるものが約半数を占めるなどの特徴がみられたことから、特に若手職員に対して自覚をもたせ、一人ひとりに自分の問題として考えさせる小グループ検討会を頻繁に行うことなどを指示している。

 さらに、緊急のブロック別警察署長会議を開催し、第一線の責任者である警察署長に対して、厳格、的確な人事管理について指示するとともに、発生事例を題材に協議を行うなどして、再発防止に向けた取組を徹底しており、今後とも、飲酒運転事案の絶無を期していく。

◆子どもの自殺

Q須田議員 日本の自殺者総数が減少傾向にある中、子どもの自殺率は高止まりしている。2014年に文部科学省は、子どもの自殺等の実態分析を行っており、原因を学校的背景、家庭的背景、個人的背景の3つに分けているが、さらなる原因分析では、子どもの貧困が挙げられている。現在、7人に1人の子どもが貧困の状態にあると言われており、これによる社会的損失は40兆円超えとの試算調査もある。

 こうした子どもの自殺、子どもの貧困問題は待ったなしである。

 道は、第4期子ども未来づくり計画、第2期子どもの貧困対策推進計画の策定作業中と承知しているが、子どもの自殺・貧困対策を実効あるものとするため、どのように取り組む考えなのか、所見を伺う。

A鈴木知事 子どもの自殺について。全国および本道の自殺者数は、減少傾向にあるものの、20歳未満の若年層の数は横ばいで、深刻な状況であることから、道では、第3期道自殺対策行動計画において、子ども、若者への対策の推進を重点施策に位置付けている。

 子どもが抱えている学校問題や家庭環境などの様々な自殺のリスク要因に対しては、いじめを苦にした子どもの自殺予防や居場所づくりのほか、保護者への経済的支援などに取り組んできており、今後も、子どもの貧困対策をはじめ、他の計画に基づく施策との密接な連携を図りながら、実効性のある対策を進め、すべての子どもたちを地域全体で見守り、夢と希望をもって成長していける地域社会の実現を目指していく。

◆東京五輪のマラソン等

Q須田議員 札幌市でのマラソンと競歩の開催が正式に決まった。開催まで課題解決に残された時間は長くない。警備体制の整備、選手や関係者の宿泊先の調整、ボランティアの確保など、運営面の準備が急がれる。駅や会場付近で案内などをする都市ボランティアについて、人数の確保に加え、研修の実施など、ホスピタリティー向上も大きな課題としてある。

 道は、開催に向け、どのような課題があると認識しているか。また、札幌市と連携して大会の成功に向け、体制構築を急ぐ必要があると考えるが、今後、どのように取り組むか伺う。

A鈴木知事 マラソンと競歩競技の札幌開催について。東京2020オリンピックにおけるマラソンと競歩競技の札幌開催を受け、道ではこれまで、組織委員会や札幌市などと実務者会議を行い、マラソン、競歩競技の発着地点やコースなどについて協議を行ってきており、引き続き、札幌市や道警、関係団体などと緊密に連携しながら、選手、スタッフの宿泊施設やボランティアの確保、開催による住民生活や経済活動への影響など、様々な課題について協議を進めていく考えである。

 道としては、大会の成功に向けて、世界中から多くの人たちが訪れるこのチャンスを生かすため、庁内に競技開催支援本部を設置するとともに、競技実施への支援、協力のほか、おもてなしや機運醸成、本道の魅力発信などの取組を積極的に進めていくための体制についても、速やかに整備していく考えである。

◆大学入学共通テスト

Q須田議員 文部科学大臣は、2020年度から開始予定だった大学入学共通テストにおける英語民間試験の活用について、2024年まで延期すると発表した。この試験は、受験生に対する地域格差や経済格差などが生じることから、多くの批判の声があり、延期は当然のことと考えるが、単に延期すれば問題が解消されるものではない。今行うべきことは、延期ではなく、中止である。見解を伺う。

 また、2020年度から実施する国語や数学における記述試験については、大学入学共通テストから2次試験までの短期間で受験者全員の採点を行うためには、アルバイトを含む民間業者に頼らざるを得ないとしており、多くの疑問の声が上がっている。さらに、過去2回の試行テストから、国語では、正確な自己採点が難しく、2次試験の出願に対する不安があること、数学では、本来問うとしていた思考力を問うような問題内容とはかけ離れていることなどの課題が出ていることから、2020年度から行おうとしている国語、数学の記述試験についても中止すべきと考える。見解を伺う。

A鈴木知事 大学入学共通テストについて。英語民間試験の活用については、受験生が等しく安心して受けられるような制度とするため、先般、実施の延期が決定されたが、来年度から実施される国語と数学の記述式問題についても、一定期間に採点を確実に行うことや、受験生が自己採点をしやすくすることなど、様々な意見があると承知している。

 私としては、生徒たちがそれぞれの夢や目標の実現に向けて、安心して試験に臨むことが重要と考えており、均等な受験機会や採点の正確性などが確保されるよう、必要に応じ、全国知事会とも連携し、国に要請をしていきたいと考えている。

A佐藤教育長 大学入学共通テストについて。英語民間試験の活用の延期については、令和元年11月15日付の文部科学省通知を受けて、各高校へ周知した。国においては、6年度実施の大学入学者選抜に向けて、生徒が安心して受験できる仕組みを今後1年をめどに検討し、結論を得ることとしていると承知している。

 また、2年度から実施することとなっている国語および数学の記述式問題については、その採点に当たり、厳正な審査を行って、採点の適性がある者を採用することとしているが、国や大学においては、その円滑な実施に向けて、速やかに具体的な対応を示していただきたいと考えている。

 道教委としては、本道の子どもたちや保護者に不安が生じないように実施されることが重要と考えており、国や大学の動向をきめ細かく収集し、受験生が安心して受験できる実施体制となるよう、必要に応じて、全国都道府県教育委員会連合会と連携して国に要請していく。

P須田議員 知事および教育長からは、受験生が安心して受験できるよう、必要に応じて国に要望するとの答弁だった。

 人生をかけて受験に臨む生徒の気持ちを考えれば、試験の格差解消と、公平性、公正性の担保ができるまで中止を求めるべきであり、受験生が不安をもったまま受験に臨むことがないよう、しっかりと対応していただくよう指摘しておく。

◆教員の変形労働時間制

Q須田議員 各自治体の判断で2021年度から、1年単位の変形労働時間制を適用することができるようになる。制度変更は、あくまでも、業務の長時間化など、深刻な状態にある教師の働き方を見直し、子どもたちに対して効果的な教育活動を行えるよう、学校における働き方改革を推進させるための総合的な方策の一環として講じられるものであり、教職員の時間外労働の縮減に向けた措置と考えるが、現段階での所見について伺う。

A鈴木知事 変形労働時間制について。教員の長時間勤務の削減が喫緊の課題となっている中、学校における働き方改革に関する総合的な方策の一環として、1年単位の変形労働時間制の導入などについて、国会において議論されていると承知している。

 私としては、教員が心身ともに健康で、子どもたちの指導に専念していただける環境づくりが大変重要との考えのもと、このたび示した総合教育大綱の素案においても、学校における働き方改革を進めていくことを掲げており、教員が授業改善や教材研究などに十分時間を取り、本道の未来を担う子どもたちに質の高い教育を提供できるよう、道教委とも連携し、教育環境の充実に取り組んでいく。

A佐藤教育長 変形労働時間制について。いわゆる1年単位の変形労働時間制は、子どもたちが登校し、授業のある課業期間と、子どもたちが登校せず、授業のない長期休業期間とでは教員の業務量に差があることから、一定期間のまとまった休日の確保が可能となり、休日の増加による教員のゆとりの創造と年間を通した勤務の総時間の縮減につながる学校における働き方改革を推進するための方策の一つとして有効と考えている。

 道教委としては、日々の教員の業務や勤務時間を縮減する各般の取組を進めるとともに、いわゆる給特法の国会での審議動向を踏まえ、働きやすい職場環境の整備に向けて実効性の高い働き方改革を進めていく。

Q須田議員 知事の答弁は、教職員の長時間労働を喫緊の課題とし、教員が心身ともに健康で、子どもたちの指導に専念していただける環境づくりが重要と、一定の認識を示したが、変形労働時間制に対する所見を伺うことはできなかった。

 また、教職員の健康を最優先に考えるべき立場にある教育長からは、年間を通じた勤務の総時間の縮減につながる変形労働が働き方改革に有効との認識が示されたが、この制度では、教職員の長時間労働は改善されないばかりか、長期にわたる長時間勤務を容認する過労死促進の制度となる危惧があることを全く認識していない。

 あらためて、変形労働時間制についての認識を伺う。

A鈴木知事 教職員の変形労働時間制について。学校における働き方改革を通して、教員が心身ともに健康で、授業改善や教材研究などに十分な時間を確保し、子どもたちに質の高い教育を提供できる環境づくりが大変重要と認識している。

 私としては、1年単位の変形労働時間制や専門スタッフの配置など、様々な取組を総合的に行うことは、働き方改革を着実に進めるために有効であると考えており、引き続き、道教委と連携して、教育環境の充実に取り組んでいく考えである。

A佐藤教育長 変形労働時間制について。教員が質の高い教育を行うためには、教員の業務負担を軽減し、長時間勤務を解消することが喫緊の課題であると認識している。

 1年単位の変形労働時間制については、一定期間のまとまった休日の確保が可能となるなど、働き方改革を推進するための一つの選択肢として有効と考えている。

 一方で、日々の教員の業務や勤務時間を縮減する各般の取組を確実に行うことが大切であり、給特法の国会での審議動向を見極めながら、働きやすい職場環境の整備に努めていく。

◆大学生等の地方定着

Q須田議員 国は、地方公共団体と経済界等が協議、連携し、奨学金返済を支援するための基金を造成するなどして、若者の地方定着を促進するよう通達を発し、その努力を求めている。

 この通達に基づき、現在、26県が奨学金返還の支援制度を実施し、6県が独自の支援制度を構築しているが、北海道を含め15県が未実施の状況となっている。

 道は、未実施の理由として、求人と求職のミスマッチや、この制度によって若者の就職が札幌に集中する可能性があることなどを挙げているが、そうであるならば、道として、奨学金返済支援による若者の地方定着に向け、どのような制度を構築しようとしているのか、現在の検討内容について伺う。

A鈴木知事 若者の地方定着に向けた取組について。道では、奨学金返還支援等に関して、関係部局による庁内会議を設置し、他府県の先行事例や、若者の地元定着に向けた各部局の取組についての情報交換を行うとともに、経済団体から意見を伺うなどして、検討してきた。

 その中で、札幌圏への人口集中の懸念や、企業の就業環境改善等の取組を優先すべきといった意見がある。

 また、すでに実施している他県においては申請者数が伸び悩んでいるなど、様々な課題がみられている。

 このため、現在、国が進めている効果検証等を注視するとともに、地域の中小企業の魅力を伝える説明会や職場体験の実施に加え、本年度から開始した道外の大学の就職担当者に道内企業を紹介する説明会を開催するなど、道内の各地域での若者の地方定着に向けて、市町村などと連携しながら、各般の施策を展開していく。

(道議会 2020-03-06付)

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