【解説】遠隔授業の需要高まる

（コロナウイルス関連 2020-04-17付）

　新型コロナウイルス感染拡大に伴い都市部を中心に学校の臨時休業が相次ぐ中、遠隔授業の需要が高まっている。国は、遠隔授業の推進へ具体的整備を進めており、教科書などの著作物を許諾なしに使用できる改正著作権法が２８日から施行。特例措置として本年度は補償金が不要となる。

　政府が７日決定した新型コロナウイルス感染症緊急経済対策では、家庭で遠隔授業を受けるための具体的な整備の方法・手順をまとめる方針を決定。

　従来必要とされていた遠隔授業における受信側の教員の存在を不要とするほか、高校における単位取得数制限に柔軟に対応するなど、遠隔授業の要件緩和に向けた今後の施策を示した。また、児童生徒が自宅で学習を進めることができるよう、オンラインカリキュラムを充実させるとしている。

　１０日には改正著作権法が閣議決定。学校の授業の過程で学習資料をインターネットで送信する際、個別に権利者の許諾を要することなく、著作物をより円滑に利用できる授業目的公衆送信補償金制度が今月２８日から施行となった。

　制度は、学校設置者が各分野の権利者団体で構成する指定管理団体に一括して補償金を支払うもの。

　本格的な運用開始は３年度以降だが、指定管理団体である授業目的公衆送信補償金等管理協会において、令和２年度に限って補償金額を無償として認可申請を行うこととした。

　１４日、全国都道府県教育長協議会は同協会に対し、認可申請の意見を具申。補償金額の無償施行が、ＩＣＴを活用した指導体制の構築を進める実務の軽減に寄与するとし、異議はないことを伝えた。制度施行に当たっては、教育現場が十分理解できるよう、各教育委員会、学校に丁寧に説明することを求めた。

(コロナウイルス関連 2020-04-17付)