札幌みなみの杜高等支援の取組　地域企業と生徒育む　校内カフェ清掃が高評価

（札幌市 2021-02-15付）

モップに手を添えて清掃する生徒

　市立札幌みなみの杜高等支援学校（宮田佳幸校長）は、地域企業と連携して生徒を育む取組を展開している。５日は、クリーンアップコース３年生１０人が校内カフェを清掃。活動を支援した市内のビルメンテナンス会社社員は、「手際よく、時間を意識した素晴らしい清掃業務」と生徒の仕事ぶりを評価した。

　同校は、独自の教育システム「みなみの杜協働育成システム」を展開。①職業基礎②コース実習③協育実習―の３点を柱とし、同校敷地内の「杜Cafe」の運営を中心に、生徒はキッチンコース、工房コース、クリーンアップコースなどの７つの職業コースに分かれて学習を行っている。

　うち、クリーンアップコースの生徒は、日ごろの校内清掃で身に付けた力を地元企業などでの実践を通して、自身の技能を確認。明らかになった課題について校内の実習での改善に取り組んでいる。

　企業での活動は「協育実習」と呼び、実習をさらに充実させるため、企業の専門家を協育アドバイザーとして連携。社会で働く際の心構えや技術指導を受けることで、より実践的な働く力を身に付けている。

　５日は初の取組として、３年生１０人が協育アドバイザーから同校カフェ清掃について評価を受けた。

　３０分の清掃時間で、生徒は役割を分担し、トイレ掃除や拭き掃除などに取り組んだ。「あと１５分」「床清掃を手伝ってもらってもいいですか」などと声をかけ合い、自身が行った清掃を再度、目視点検するなどの心配りをみせた。

　評価に当たった企業の社員は、「てきぱきと手際よく時間を意識した素晴らしい清掃業務だった」「作業後も目視や振り返りを行っていた点が素晴らしかった。常に自身に足りないものが何か考えることが身に付いている」などと評価した。

　一方、高所にある照明のほこりに気を配ることや、建材の知識を得ることの重要性を助言した。

　３年生の一條大誠さんは「下の方ばかりに気を取られていて、上部の清掃ができていなかった」と振り返った上で、「今後は課題を生かし、新しいことをみつけながら清掃活動に取り組んでいきたい」と意気込みを話していた。

(札幌市 2021-02-15付)