「意見違う人と話」7割超 コロナ禍も活動工夫 札幌市教委2年度学力調査質問紙調査結果
(札幌市 2021-02-15付)

 札幌市教委は、令和2年度学習などについてのアンケート結果(質問紙調査)をまとめた。質問20項目中、小中ともに前年度より肯定的な回答が増加。中でも「意見の違う人とも良く話し合おうとしている」と回答した児童生徒は7割を超え、中学校では調査開始の平成25年より17ポイント上昇。市教委は「コロナ禍においても各校で工夫して教育活動を行った結果」ととらえている。アンケートの集計を合わせて、令和3年度「学ぶ力」育成プランを作成。ICTを活用した学習活動の充実などを明記した。

 文部科学省は、新型コロナウイルス感染症にかかるその後の状況および学校教育への影響などを考慮し、2年度の全国学力・学習状況調査を中止した。

 市教委は、本年度も子どもの現状を細かに把握・分析することが重要とし、学ぶ力の評価と指導の改善を目指すため、質問紙調査を実施。調査期間は、昨年11月16日から12月21日で、市立小5年生と市立中2年生(特別支援学校小・中学部、中等教育学校を含む)を対象に調査した。

 ①主体的に学習に取り組む態度から5問②基礎的・基本的な知識および技能から4問③思考力・判断力・表現力等から6問④このほか、市教委として把握が必要なものから5問―の計20問について調査。平成25年度から令和2年度までの経年変化も示した。

 集計結果をみると、小・中学校いずれもほとんどの設問において肯定的な回答の割合が高くなった。中でも、小学校においては20問中16問で元年度より肯定的な回答の割合が高くなっており、③のうち、「意見を書くときには、その理由をはっきりさせて書くようにしている」と回答した児童の割合は79・6%と元年度より1・4ポイント増加した。

 中学校においては、20問中5問において、肯定的な回答の割合が元年度より増加、8問が1ポイント以内の変化にとどまった。特に、①の「意見の違う人とも、良く話し合おうとしている」の項目においては、調査初年度の25年度と比較すると17ポイント増と大幅に上昇した。

 大半の項目において、3ポイントを下回る変化はみられなかったが、「授業中、自分の意見を進んで発言している」の割合が令和元年年度より3・6ポイント下がった。

 市教委は2年度、新型コロナウイルス感染症対策によって、学校生活において大きな声を出さないよう注意するなど、進んで意見を発表する状況が制限されたと指摘。これを踏まえた上で、質問紙調査結果について、「コロナ禍においても、各校で課題探究的な学習を推進し、“学ぶ力”の育成に向けた授業改善が着実に進められている成果」ととらえている。

◆3年度「学ぶ力」 育成プラン通知

 市教委は質問紙調査の結果を踏まえ、3年度「さっぽろっ子“学ぶ力”の育成プラン」を作成。10日に市立小・中学校、特別支援学校、中等教育学校に通知した。

 3年度のプランは、4月からのGIGAスクール構想などを踏まえ、学ぶ意欲の向上としてICT(1人1台端末等)を活用した学習活動の充実を明記。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、「感染症対策に配慮した学習活動の推進」「従来の慣例にとらわれない柔軟な発想による工夫」を位置付け、3年度も学校や家庭と一体となり、児童生徒の学ぶ力を育むことを目指す。

(札幌市 2021-02-15付)

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