札幌清田高グローバルコース2年 カンボジアの子 支援 1年通学できる奨学金を(札幌市 2021-02-12付)
奨学金を寄付した生徒たち
市立札幌清田高校(黒宮裕久校長)グローバルコース2年生38人は、教育の機会に恵まれないカンボジアの子ども9人が1年間学校に通うことのできる金額分の奨学金を寄付した。クラス内でアイデアを出し、SNSや校内放送のほか、まちづくりセンターに協力を依頼し、1月中旬から下旬にかけて書き損じはがきや切手を地域や校内から募集。活動に取り組んだ土田やこさんは「次世代にもこのような取組を継承していきたい」と意気込んだ。
同校グローバルコースでは、国際的視野を広げるため、国際的人権や国際協力などにかかわる調査研究や異文化交流を通して、国際情勢の背景を学習し、話し合いを通して問題解決の糸口を探る活動を実施している。
2年生は、発展途上国の原料や製品を適正な価格で公正に取引することを通じ、途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指すフェアトレードについて学習。例年、文化祭でフェアトレードによって製造したチョコレートやアクセサリーなどを販売し、教育の機会に恵まれないカンボジアなどの子どもの就学を支援する国際里親システム「ダルニー奨学金」に寄付していた。
本年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で文化祭が中止。2年に1度実施していたカンボジアでのボランティア実習も中止となったことを踏まえ、代替として、書き損じはがきや切手を地域や校内から募集し、教育の機会に恵まれないカンボジアの子どものため、ダルニー奨学金に寄付することとした。
取組は、1月中旬から開始。生徒は学級内で書き損じはがきや切手を募集する方法を考案した。出身中学校に呼びかけることや、校内放送やポスターの活用、SNSでの広報活動などの案をもとに、活動した。
また、校区内の北野地区まちづくりセンターに依頼し、書き損じはがきを募るためのポストや地域住民に回覧板で取組を周知した。
その結果、書き損じはがき3616枚、未使用切手3976円分を回収。9人の子どもが1年間学校に通うことができる金額に到達した。
杉澤由羽さんは「目標の800枚を大幅に上回って驚いた。自分たちの発信で多くの人からの協力が得られたことがうれしかった」と振り返った。
土田さんは「後輩にも、世界で困っている人を助けることができる取組を伝承していきたい」と話していた。
(札幌市 2021-02-12付)
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