千歳市3年度教育行政執行方針 全校で小中一貫教育展開 6校に特別支援学級を新設(市町村 2021-03-09付)
千歳市教委・佐々木智教育長
千歳市教委の佐々木智教育長は、1日開会の令和3年第1回定例市議会で3年度教育行政執行方針を説明した。本年度策定した市小中連携・一貫教育実施要領に基づき、3年度から市内全校で小中一貫教育の取組を進める。特別支援教育では新たに緑小学校、千歳第二小学校、日の出小学校、桜木小学校、泉沢小学校、東千歳中学校に特別支援学級を設置するとした。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼学年・学級経営
望ましい学級集団の形成が児童生徒を育成するための基盤となることから、引き続きハイパーQU検査の客観的な分析を活用するなど、学年・学級経営の点検・改善に努め、互いに認め合い、高め合う親和的な学級づくりを進める。
▼確かな学力の育成
学習支援員の効果的な活用による習熟度別少人数指導の一層の推進、電子黒板や学習者用コンピューター、デジタル教科書などICTの有効活用による効果的な学習指導の実施、市学力向上検討委員会による提言を踏まえた授業改善の取組の徹底と検証など、学習指導の充実を図る。
▼特別支援教育
支援を必要とする児童生徒が、一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な指導を受けることができるよう、教育相談を通じた適切な就学先の決定に努めるほか、新たに緑小、千歳第二小、日の出小、桜木小、泉沢小、東千歳中に特別支援学級を設置し、教育環境の充実を図る。
▼情報教育
児童生徒の情報活用能力を育成し、学習活動において積極的にICTを活用できるよう、学習者用コンピューターの1人1台端末整備などを進めるとともに、新たに教育情報機器整備基金を設置し、計画的な整備・更新を進める。ICT機器の有効な活用方法を研究するとともに、研修を実施するなど、引き続き教員のICT機器の活用能力の向上に努める。
▼読書活動
新たに策定した第3次市子どもの読書活動推進計画に基づき、子どもたちの読書活動の充実を図るほか、全小・中学校に配置している学校図書館司書を活用し、読書相談や調べ学習でのアドバイスなど、学校図書館の機能充実を図る。
▼学校給食
安全・安心で、よりおいしい給食を提供するため、新しい献立の追加や味付けを工夫するなど、学校給食の改善に努める。
新学校給食センターの整備について、事業費の精査や整備時期などの検討を進める。
▼健康教育
児童生徒が様々な感染症について正しく理解することによって、自ら予防のための行動がとれるよう、適切な指導を実施する。
▼学校運営
学校教育主事等による学校指導訪問を通じて、学習規律の徹底や授業改善に向けての指導助言を行うほか、勤務時間外の留守番電話対応や学校閉庁日・部活動休養日の設定など、教員の働き方改革を推進し、心身の健康を維持しながら、教育の質の向上や児童生徒と向き合える時間の確保を進めるなど、子どもたちが心身共に健やかに成長できる環境づくりに努める。
▼学びのセーフティネットの構築
経済的理由で教育の機会が失われることのないよう、就学援助制度を周知するとともに、修学旅行費の事前支給を行うなど、適切な支援を実施するため、支給方法などの改善に努める。
修学・進学への意欲・能力がある学生生徒を支援するため、給付型奨学金を交付するとともに、新型コロナウイルス感染症の影響によって出願者数の増加が見込まれることから交付人数を拡大する。
▼学校と地域の連携・協働
学校と地域が目標やビジョンを共有し、学校運営に地域の声を生かす仕組みである学校運営協議会制度を2年度に市内全校で導入した。引き続き地域と共にある学校を推進する。児童生徒を犯罪や事故から守り、登下校等の安全を確保するため、千歳っ子見守り隊の取組を推進するとともに、児童生徒の緊急避難場所となる子ども110番の家の取組を継続するなど、子どもたちの安全確保に努める。
▼学校段階等間の連携・交流
幼稚園等から小学校への円滑な接続を図るため、子どもごとの配慮事項の引き継ぎを行うなど連携を進めるとともに、小・中学校においては、義務教育9年間を見通した教育活動や円滑な接続を目指し、新たに市小中連携・一貫教育実施要領を策定した。3年度から市内全校で取組を進める。
▼多様な主体の連携による学び合いと交流の場
千歳学出前講座の実施のほか、講座を受講するごとにスタンプを押印し、学習歴を認証するちとせを学ぶスタンプらりー事業を開始するなど、市民の学び合いによる学習や交流機会の充実に努める。
▼地域と学校の連携による地域の教育力を高める活動
地域住民が、体育授業など学校での教育活動を支援する学校支援地域本部事業の取組に放課後や週末の子どもの体験活動を加えた地域学校協働活動へ移行することによって、子どもたちの身近な地域である学校区単位での活動充実に努める。
▼青少年非行防止への取組
青少年の健全育成を進めるため、巡回指導を通じて児童生徒など青少年の問題行動の未然防止に努めるとともに、非行・問題行動に悩んでいる親や悩みを抱えている青少年に対する適切な助言・支援ができる相談体制の充実に努める。
青少年を取り巻くインターネット利用環境が多様化していることから、引き続き道教委や市内小・中学校等と連携し、児童生徒のネットコミュニケーションを監視するための活動を実施するなど、インターネットに関するトラブルの未然防止や情報モラルに関する指導の取組を進める。
(市町村 2021-03-09付)
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