網走市3年度教育行政執行方針 感染リスク避け学校運営 臨休想定し端末貸与の準備
(市町村 2021-03-09付)

網走市教委三島正昭
網走市教委・三島正昭教育長

 【網走発】網走市教委の三島正昭教育長は、2日開会の令和3年市議会第1回定例会で3年度教育行政執行方針を説明した。コロナ禍における子どもたちの学びを保障するため、感染リスクを低減させて学校運営を継続するとともに、児童生徒が感染症を正しく理解し、リスクを避ける行動ができるよう指導していくとした。また、感染症等による臨時休業を想定し、インターネット環境が整っていない児童生徒へモバイルルーターを貸し出す準備を整えていく方針を示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼幼保小等連携

 子どもが円滑に小学校生活を始められるよう、幼児と小学校児童との交流を充実させるとともに、教職員間で教育内容や指導方法についての情報交流や相互理解が深められるよう、幼稚園、保育園、認定こども園、小学校の連携を進めていく。

▼義務教育

 3年度から新学習指導要領が中学校で全面実施となることを踏まえ、自ら学び、自ら考え、豊かで幸せな人生を切り開いていくことができる生きる力を育むために、「知識および技能の習得」「思考力・判断力・表現力の育成」「学びに向かう力・人間性のかん養」が実現されるよう、一人ひとりに応じたきめ細かな指導の充実を図っていく。

 現在の先行きがみえないコロナ禍において、子どもたちの学びを保障するため、可能な限り感染リスクを低減させて学校運営を継続するとともに、児童生徒が感染症を正しく理解し、リスクを避ける行動をとることができるよう、引き続き感染症対策に関する指導を行っていく。感染症等による臨時休業を想定し、インターネット環境が整っていない児童生徒へモバイルルーターを貸し出す準備を整えていく。

 確かな学力の育成について、学力の課題や、これまでの取組の成果を教育委員会、学校、家庭、地域が共有するとともに、市読書感想文コンクールや土曜学習サポート(あばしり寺子屋)などの取組を推進していく。GIGAスクール構想によって整備した1人1台端末や、指導者用デジタル教科書等のICT機器を活用した教育の充実を図り、学びの質を高めることを目指していく。

 教員の専門的知識や指導技術の向上を図るため、引き続き、市内全校での公開研究会の開催や、指導方法の工夫改善の取組を進めるとともに、学校間の情報共有や、小中連携による教育活動を推進する。

 一人ひとりの資質・能力を伸ばすための、きめ細かな指導の充実については、教員の指導力向上を図る研修を実施するとともに、学習支援員の配置による算数・数学科での習熟度別指導や少人数指導、外国語指導助手(ALT)の配置による英語教育の充実に取り組んでいく。

 家庭・地域と連携した学力向上の方策として、生活リズムチェックシートの積極的な活用を図るなど、基本的な生活習慣の確立や家庭での学習習慣の定着に向けた取組を推進していく。

 健やかな体の育成については、楽しく、達成感が味わえる体育授業をはじめ、全小・中学校が行う1校1実践の取組、タグラグビー推進、オホーツク網走マラソンへの参加促進などに努めるほか、日本体育大学との連携のもと、大学指導者による子どもへの指導や教員研修を通して、体力向上を図る取組を推進していく。

 スクールカウンセラーを複数人配置するとともに、家庭児童・教育相談室の活用促進、さらに、適応指導教室(クリオネ学級)での不登校児童生徒への学習支援の取組を進めていく。

 特別支援教育については、特別支援学級や通常学級に支援員を配置するほか、学校職員間での情報の共有、教職員や支援員を対象にした研修会の開催などを行い、特別支援教育の充実に努めていく。

 学校給食については、給食用備品の整備や設備の改善を進めるとともに、子どもたちに安全で安心な学校給食を継続して安定的に提供していくための運営体制づくりを進めていく。

 地域と共にある学校づくりを目指し、地域の住民、企業、教育機関等がもつ人的資源や技能などを生かした学習環境づくりを進めるとともに、コミュニティ・スクールの推進に努める。そのことによって、学校と地域住民等が、「9年間でどのような子どもたちを育てるのか」「地域でどのような教育を実現していくのか」という目標やビジョンを共有しながら、地域と一体となった特色ある学校づくりを推進する。

 教職員の働き方改革については、校務支援システムを活用した勤務時間の把握や校務の情報化・効率化を進めるとともに、GIGAスクールサポーターの配置や、部活動指導員の配置の仕組みを整えることなどによって、すべての教員が子どもたち一人ひとりと向き合う時間の確保に努める。

▼高校・高等教育

 網走南ヶ丘高校定時制課程振興のための助成や、定時制生徒の下校時の公共交通手段確保にかかる支援を引き続き行っていく。

 東京農業大学生物産業学部や学校支援地域本部事業との連携による、市内小・中学校での農大生や一般市民の教育ボランティアの拡充に努めていく。

(市町村 2021-03-09付)

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