札幌市小学校長会2年度研究成果 研究集録集から 第7回 学びの支援部〈上〉(札幌市 2021-05-19付)
◆副主題 一人一人の教育的ニーズに応える学校経営の在り方
【研究内容】
▼研究副主題の解説
本年度より、新たな専門部として学びの支援部がスタートした。
前年度まで、特別支援教育部では主として「インクルーシブ教育システムの構築」「新学習指導要領の動向を見据えた校内特別支援教育の推進体制の在り方」「特別支援学級・通級指導教室の充実」「学校全体としての特別支援教育の推進等の研究」などに取り組んできた。
また、生徒指導部では、「危機管理と問題の未然防止に向けた取組」「問題に関する対応の実際」「関係機関との連携」などについて研究し、成果を上げてきた。
本年度は、これらの研究成果も踏まえつつ、新たな研究体制となったことによって、より幅広く子ども一人ひとりのニーズについて考察し、それらに合わせた適切な指導・支援の体制づくりや関係機関の連携の在り方について深めていく。
さらに、学びの支援に関する学校課題を校長がリーダーシップを発揮し解決に向かえるような研究活動を進めていくこととした。
以上のことから、研究副主題を「一人一人の教育的ニーズに応える学校経営の在り方」とした。校長の役割と指導性を究明する中で、具体的方策を明らかにし、より実践的で汎用的な研究を行っていこうと考えている。
▼研究の視点
▽視点1 通常の学級の中での、支援を要する児童への指導の充実について
▽視点2 特別支援学級・通級指導教室での指導の充実について
▽視点3 不登校児童への対応について
【取組の具体】
▼研究体制
▽視点をもとに3つの部門別グループを構成する。部門別グループ内でさらにA、B2つの研究グループを編成し、グループごとに視点に沿った具体的課題を設定し、調査活動や事例交流等課題解決に向けた研究を進める
▽各校の具体や課題の実践交流のほか、その解決に向けての方法や、校長が果たすべき役割やリーダーシップについて考察を深める
▽グループ研究の成果について定期的に全体交流を行うほか、講師の招へいや施設訪問等研修なども、必要に応じて行う
▼研究の実際
これまで部門別グループを中心に、視点に沿った交流・協議を行ってきた。各部門の研究内容を全体交流や『学びの支援部だより』を通し、共有してきた。
◇部門Ⅰ 視点1にかかわって
▽連携、インクルーシブ教育
・連携…学校内外の連携を深めることによって、子どもの的確な実態把握やより良い支援につながる。連携し合う双方にメリットがあると、さらに深い連携へと発展させることができる
・インクルーシブ教育を窓口に…特別支援教育が目指す未来像・合理的配慮の在り方、基礎的環境整備について研究を進める。それを基盤としながら、教師の児童観・指導観・教育観を磨いていく学校経営の在り方についても協議していく
◇部門Ⅱ 視点2にかかわって
▽特別支援教育のカリキュラム・マネジメント、交流および共同学習の推進
・個別の指導計画と評価…特別支援学級の教育課程および、指導の在り方の理解をより深めるため、通知表の表記や枠組を切り口として、個別の指導計画と評価(通知表を含む)を連動させ、計画―授業―評価がつながる特別支援学級の教育課程の実施に向け、具体事例を通して検討していく
・交流および共同学習の推進…特別支援学級児童については自立と自律、通常の学級の児童にとっては理解と優しさを育む大切な場が交流および共同学習である。双方の子どもが学び育つためのねらいや内容、準備、環境など、校長としてどうかかわるか、具体的事例を通して今後も検討する
◇部門Ⅲ 視点3にかかわって
▽校長の果たす役割と指導性、共有と連携
・役割と指導性…「情報の共有」「つなげる」「育てる」というキーワードがみえてきた。体制づくりや関係機関との連携に加え、コーディネーターとなる人材を育てることも大切である
・共有と連携…資料化や記録化も大切である。記録の項目や内容、表記方法など効果的なシートの形式など、今後も考察していく
【今後に向けて】
部門別グループによる研究協議を今後も継続していく。さらに、前年度は、コロナ禍における課題や取組も柱の一つとして設定してきた。視点と絡めながら継続して話題にしていきたい。
また、前年度は、各グループでイントラを活用した研究活動も行った。
グループ協議を中心に、より具体的な方策を明らかにしながら成果をまとめ、次年度の研究内容や研究発表の場につなげていく。
(札幌市 2021-05-19付)
その他の記事( 札幌市)
札幌市学校図書館協議会 12月に研究大会 木村会長の再任決まる
札幌市学校図書館協議会の令和3年度役員などが決まった。木村佳子会長の再任などを決定。事業計画には、12月に第44回研究大会を開催することなどを盛り込んだ。新型コロナウイルス感染症の拡大防止...(2021-05-20) 全て読む
札中放 3年度役員・事業計画 10月30日に研究大会 小林会長の再任決定
札幌市中学校放送教育研究会(=札中放)の役員や事業計画などが決まった。事業計画には、10月30日に道放送教育研究大会を開催することなどを盛り込んだ。役員改選では、小林直人会長の再任などを決...(2021-05-20) 全て読む
中央小プール改築 竣工期限を変更 札幌市 議会に上程
札幌市は、21日開会の第5回臨時市議会に中央小学校プール棟改築ほか工事請負契約締結の議決変更を上程する。中央小学校プール棟改築ほか工事の竣工期限を変更する。(2021-05-20)
札幌市立中の3年度部活動指導員 10人増の55人に 特別外部指導者は27人
札幌市教委は、市立中学校における部活動指導員について、本年度は前年の同時期に比べ10人増の55人を配置している。顧問教諭不在時における練習試合への引率、部活動の指導を担う特別外部指導者は1...(2021-05-20) 全て読む
札幌市教委 2年度就学援助 受給者18076人 元年度比41人減 受給率13・6%
札幌市教委は、令和2年度の就学援助受給率をまとめた。就学援助を受けた児童生徒数は、前年度比41人減の1万8076人で受給率は13・59%。新型コロナウイルス感染症の影響で、年度途中の申請が...(2021-05-19) 全て読む
札特協 3年度定期総会を書面開催 新会長に佐藤校長(西岡南小) 8月27日 道特協と合同研
札幌市特別支援学級・通級指導教室設置学校長協会(=札特協)は7日、イントラネットを活用し、令和3年度定期総会を書面開催した。8月27日に道特別支援学級・通級指導教室設置学校長協会(=道特協...(2021-05-19) 全て読む
札幌市立高・特事務職員会 新会長に真田氏(新川高) 3年度役員など決定
札幌市立高校・特別支援学校事務職員会は令和3年度役員などを決定した。新会長に市立札幌新川高校の真田裕之事務長を選出。今後、会員の研究と研修を深めるための事業を進めるほか、学校事務に関する情...(2021-05-19) 全て読む
札幌市小学校長会2年度研究成果 研究集録集から 第6回 「健やかな体」育成部〈下〉
◆副主題 心身ともに健やかな子どもを育む学校経営の在り方 【コロナ禍における取組等】 コロナ禍における「健やかな体」育成部の取組について、3つの視点(健康教育、体力向上、資質・能力を高...(2021-05-18) 全て読む
札幌市中学校長会が例会・研修会 11月に教育経営研 中村会長 情報共有を
札幌市中学校長会(中村邦彦会長)は12日、イントラネットを活用し、5月例会・研修会を書面開催。各部の担当者が所管事項を報告し、11月に令和3年度教育経営研修会を開催することなどを確認。中村...(2021-05-18) 全て読む
札体研 3年度役員・活動計画 10月と1月に研究大会 四戸委員長の再任決定
札幌市学校体育研究連盟(=札体研)の令和3年度の役員や活動計画などが決まった。四戸基樹委員長の再任などを決定。活動計画には、10月8日と来年1月7日の2日間日程で第57回道学校体育研究大会...(2021-05-18) 全て読む