札幌市　バリアフリー基本構想案　障がい者による講義等　ハード・ソフト両面で施策

（札幌市 2021-08-02付）

　札幌市は、本年度末に策定予定の２０２２札幌市バリアフリー基本構想案をまとめた。ハード・ソフトの両面から、生活環境のバリアフリー化を着実に進めるための各種施策を明記。主なものでは、障がい者等の困難を自らの問題として認識する「心のバリアフリー」の推進に向けた教育啓発事業として、出前講座や障がい当事者による講義などを盛り込んでいる。

　市は、バリアフリー法の改正を踏まえた現行基本方針の改定版として、２０２２札幌市バリアフリー基本構想の策定作業を進めている。「お互いに思いやり支え合う、“行ける”が広がるまちづくり」を理念とし、バリアフリー化の着実な推進に向けた各種取組を示している。

　教育に関するソフト施策では、高齢者、障がい者等の困難を自らの問題として認識し、バリアフリー社会に積極的に参画する心のバリアフリーが重要となることから、教育啓発特定事業を実施。バリアフリーにかかる出前講座や障がい当事者による講義・ディスカッションを行うほか、小・中学生の各段階に応じた副読本『心のバリアフリーガイド』を配布し、学校教育における理解を促進する。

　このほか、札幌市教委が主体となり実施する取組として、子どもが差別や偏見をなくし、互いの個性や多様性を認め合い、心豊かにたくましく生きようとする態度を育む「人間尊重の教育」の推進を盛り込んでいる。

　ハード関連では、生活関連施設等を結ぶ生活関連経路や信号機等のバリアフリー化を推進。学校施設では、段差の解消や避難所となる学校への多目的トイレの設置、要配慮児童生徒等が在籍する学校へのエレベーター設置について、令和７年度末までに重点的に整備することを検討するとしている。

(札幌市 2021-08-02付)